コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

ミス・パーフェクト宮原知子から消えた演技の安定感

本気で北京五輪出場を目指している証左
宮原知子は今シーズンの位置づけが明確

フィギュアスケート女子シングルの宮原知子。
5年振りの日本開催となる世界選手権で滑ることをとても楽しみにしていました。
紀平梨花や坂本花織もそうでしょうが、家族や大勢の友だちが会場に駆けつけてくれます。

宮原知子は2015年に銀メダル、2018年に銅メダルと2度の表彰台を経験しており、ウェブ記事では「悲願の初優勝」という言葉も見かけました。
しかし、本人は優勝を諦めていたというと語弊がありますが、あまり眼中になかったはずです。
点数や順位という結果でなく練習の成果を本番で精一杯出すことを心がけていました。
後で述べますが、オリンピック明けのシーズンの位置づけをきちんと定めていたからです。

宮原知子は日本女王の冠がかかる全日本選手権で4連覇を成し遂げ、国際大会を含めて演技の「安定感」が際立っていました。
躍動感は乏しいのですが、機械のように精密に回転する低く速いジャンプが印象に残りました。
そして、ついに「ミス・パーフェクト」の異名を取っています。
この選手の演技は滅多に崩れることがなく、安心して見られました。

世界選手権SPは回転不足で8位出遅れ

世界選手権の公式練習で宮原知子はジャンプが決まっており、調子はまずまずでした。
が、大会前の記者会見では表彰台にこだわらず、平常心で本番に臨む姿勢を強調しました。

直前の合宿などではフリースケーティング(FS)のブラッシュアップなどに努めました。
ジャンプのほか、ステップや表現の手直しを図っています。

ショートプログラム(SP)が行われ、宮原知子は 70.60点で8位と大きく出遅れました。
冒頭の3回転ルッツ−3回転トウループのコンビネーションジャンプの前で軸(着氷)が揺らぎ、後ろで回転不足を取られました。
ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)、3回転ループは決めました。
課題のステップで最高評価のレベル4を得ました。

本人は最初のルッツジャンプがうまく入らなかったと無念さをにじませています。
練習のときのようなスピードと思い切りがありません。
緊張からか不安からか、演技全般が硬かった。

ジャンプ改革で演技に集中できていない

宮原知子は今シーズン、かねてより得点の低迷の主因となった「回転不足」の解消など、ジャンプ改革に取り組みました。
採点ルールの改定でジャンプの判定も厳格化されています。
そこが試合でどうしても気になり、演技に集中できていないという印象を受けました。
滑りの慎重さが表れ、四肢を目一杯に使った動きの大きさや伸びやかさも薄れました。

それによりミス・パーフェクトにふさわしい演技の安定感が消えました。
しかし、裏を返せば、宮原知子が本気で2022年北京五輪への出場を目指している証左です。
2020年シーズンまでに回転不足の克服は当然ながら、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の組み込みなどでジャンプ構成の基礎点の引き上げを果たさないかぎり、日本代表に選ばれることもありません。
それをもっともよく知り、強烈な危機感を抱いているのは本人です。

FSは別人のパフォーマンスで持ち直し

フリースケーティング(FS)が行われ、宮原知子は145.35点、合計215.95点で6位と若干持ち直しました。
冒頭の3回転サルコウ、続く3回転ルッツ−3回転トウループのコンビネーションをきれいに決め、勢いに乗りました。
終盤の3回転フリップ−2回転トウループ−2回転ループのコンビネーションでバランスを崩して手をつきましたが、最後のダブルアクセル(2回転半)もしっかりと決めました。

回転不足を取られず、これまでの成果を示しています。
ステップもスピンもよく、手応えを感じたのか、演技後に左拳を握りしめました。
私は久し振りの笑顔を見た気がしました。

宮原知子はSPとは別人のパフォーマンスでした。
さいたまスーパーアリーナを埋め尽くした観客に大胆な表情と繊細な表現を届けています。
とてもよかったと思います。

演技のほころびは来シーズンも続くはず

挑戦なくしてオリンピック出場なし。

おそらく演技のほころびは来シーズンも続くはずです。
それでもいい。

宮原知子は練習と鍛錬でここまで上り詰めた努力家であり、才能や器用さがあるといえません。
強固な意志と緻密な計画に従い、一歩ずつ着実に前進していくほかにないのです。

それを小さい頃から温かく粘り強く見守るのが濱田美栄コーチです。
二人は共通点の多いコンビなのでしょう。

⇒2017年12月10日「ハマちゃんとサーさんコンビ、GPファイナルの感動」はこちら。

category:宮原知子ブログはこちら。

◇◆◇

宮原知子に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年3月13日「看板が外れた宮原知子は世界選手権を楽しむ」はこちら。

⇒2019年2月12日「来季は世界と戦えない、コロラド合宿は宮原知子にこそ必要」はこちら。

⇒2019年1月18日「20歳の宮原知子はもうババリアンなのか?」はこちら。

⇒2018年12月14日「濱田美栄コーチ、同門対決の心労とプライド」はこちら。

⇒2018年12月13日「宮原知子、全日本選手権4連覇は勝ちすぎ」はこちら。

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トゥクタミシェワが世界国別対抗戦で紀平梨花と3A対決

22歳ベテランはフィギュアと日本が大好き
紀平梨花とトリプルアクセルで得点を競う

主要国際大会の成績を基にした上位6か国が出場するフィギュアスケート団体戦・世界国別対抗戦が4月11日にマリンメッセ福岡で開幕します。
ロシアフィギュアスケート連盟が代表選手を発表しました。
女子シングルには欧州選手権覇者で世界選手権出場のソフィア・サモドゥロワと世界選手権補欠のエリザベート・トゥクタミシェワが選出されています。

エリザベート・トゥクタミシェワはグランプリ(GP)シリーズ「スケートカナダ」で優勝を収めています。
さらに、GPファイナルでも紀平梨花、アリーナ・ザギトワに続く3位で表彰台に立ちました。
シニアに上がった十代半ば過ぎの選手が活躍するロシア勢のなかでは22歳とベテランに属していますが、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を武器に復活を果たしました。
腐らずに現役を続けてきたこと自体が私はとても立派だと思います。
たいていの選手は嫌になって現役をやめてしまうでしょう。
彼女の演技から感じるのはフィギュアスケートがとにかく好きだということ。

トゥクタミシェワは世界選手権代表を逃す

ところが、エリザベート・トゥクタミシェワはその後に肺炎を発症し、ロシア選手権を欠場せざるをえませんでした。
世界選手権の代表入りを逃し、補欠に回りました。
おそらく経費を自己負担するほかになく、来日を叶えられませんでした。
(彼氏はロシア代表に選出された模様です。)

世界国別対抗戦は今シーズンの最後の大会になります。
どちらかというとスポーツでなく「イベント」であり、試合でなく「祭」であり、頑張った国と選手に対するねぎらいのニュアンスが感じられます。

本大会は個人戦でありませんが、エリザベート・トゥクタミシェワは復活の象徴となった3A(TA)を跳び、それを代名詞としてシニア1年目に躍進を遂げた紀平梨花と対決します。
互いに3本になりそうで、どちらが高得点を叩き出すか、注目が集まることでしょう。
GPファイナル覇者の紀平梨花は下回るわけにいきません。
初の世界選手権で雰囲気に飲まれて8位と振るわなかったソフィア・サモドゥロワは雪辱を誓っており、日本代表の坂本花織を含めた4選手の争いも見ものです。

トゥクタミシェワといえばエキシビション

が、エリザベート・トゥクタミシェワといえば、私は真っ先にエキシビションでの妖艶な演技を思い浮かべます。
フィギュアスケートとしては際どい線を突いています。
血気盛んな若者は鼻血を流す恐れもあります。
あなたが「よゐこ」ならば見てはなりません。

エリザベート・トゥクタミシェワはGPシリーズ「NHK杯」など、折に触れて日本が大好きと語ってきました。
先頃インスタグラムを更新し、桜の枝が映り込んだ自身の写真を掲載するとともに日本愛を込めた言葉を投稿しています。

領土問題の解決へ一向に進展がなく政治関係は冷え切っていますが、ロシア勢、とくに女子シングル選手は「親日家」が多い。
せめてフィギュアスケートで両国代表が交流と親睦を深めてほしい。

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紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年4月2日「4回転サルコウ投入の紀平梨花は一転して勝てなくなる恐れ」はこちら。

⇒2019年4月1日「濱田美栄コーチは使いっぱしり、怒りが収まらず愚痴が止まらない」はこちら。

⇒2019年3月30日「紀平梨花の新エキシビションはシーア「ザ・グレイテスト」」はこちら。

⇒2019年3月26日「紀平梨花に致命的弱点、五輪金メダル獲得は絶望的か」はこちら。

⇒2019年3月25日「世界選手権惨敗の紀平梨花に一番大事なこと」はこちら。

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4回転サルコウ投入の紀平梨花は一転して勝てなくなる恐れ

来季は世界初の高難度プログラムを予定
FSで4回転サルコウを前半に組み込む

世界選手権の女子シングルで無念の4位に留まった紀平梨花が来シーズンのフリースケーティング(FS)で世界初となる高難度プログラムを予定しているとのことです。

紀平梨花は習得中の「4回転サルコウ」を演技の前半に入れ、今シーズンは頭と次に組み込んできたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の1本を後半に移します。
これはきわめて大胆な決断です。

女子シングルで4回転ジャンプとトリプルアクセルを同一プログラムで成功させた選手は存在しません。
また、演技後半にトリプルアクセルを決めるのは、1992年アルベールビル五輪の伊藤みどりまでさかのぼります。
現行の採点方式では初の快挙となります。
逆に言えば、それくらい至難ということです。

トリプルアクセル1本は後半で1割増し

4回転ジャンプを除いてトリプルアクセルの基礎点が一番高く、それを点数が1割増しになる演技後半で跳ぶなら、大きなアドバンテージを得られるだけでなく、ライバルに大きなプレッシャーをかけられます。
フィギュアスケートは格闘技のような神経戦の様相も帯びます。
大会にジャンプ構成の基礎点が高い選手が出場していることは頂点を目指す選手ほど気になります。
ショートプログラム(SP)でリードしても、FSで逆転される可能性に怯えながら滑ります。

トリプルアクセルの成功率がさらに悪化

濱田美栄コーチもこの構想を記者会見で明かしました。
体力がある演技前半、それも冒頭に一番難しいジャンプを跳ぶのがセオリーです。
にもかかわらず、紀平梨花はトリプルアクセルをまま失敗してきました。
最初に4回転サルコウを跳ぶのはいいとして、体力がない後半にトリプルアクセルを持っていくと成功率がさらに悪化します。
大舞台での勝利の条件はノーミスのはずですが、望むべくもありません。

来シーズンは4回転ジャンプを跳べるロシアのジュニア勢がシニアに上がってきます。
紀平梨花が高難度のジャンプ構成に挑みたがる気持ちが分からないわけでありません。
しかし、練習段階からけがのリスクがおおいに高まります。
3回転ジャンプの調子を崩すかもしれません。
代名詞のトリプルアクセルを自分のものにしてからでも遅くないと思います。
男子シングルに遅れ、女子シングルも「4回転ジャンプ競争」に突入するのは必然の流れですが、シニアに上がったジュニアが成長期でも成功させられるとは限りません。
紀平梨花は焦りすぎでしょう・・・。

羽生結弦の応援でインスピレーション!

紀平梨花は世界選手権終了後の記者会見で、前夜の男子シングルのFSを客席から応援し、五輪2連覇の羽生結弦から4回転サルコウを跳ぶインスピレーションを得たと声を弾ませました。
「力が抜けて軽いジャンプをしていた。無駄な力が入らないお手本のようなジャンプだった」。
イメージがだいぶ固まってきました。

不確かですが、1月のコロラド合宿でそこそこ跳んでいるようです。
また、練習でもすでに着氷しているようです。

ちなみに、紀平梨花は四大陸選手権で左手薬指を負傷し、世界選手権直前のコロラド合宿で4回転ジャンプの特訓を行わなかったことを知りました。
プログラムのブラッシュアップに努めたようで、世界選手権でのジャンプの不調は特訓に起因したものでありません。

シニア2年目はあたふたを愛嬌と呼べず

この実質的なシーズン最終戦で4位に終わった紀平梨花は「目標はもっと高いところにある」と語りました。
私もその通りだと思います。
トップクラスの選手は出場するからには優勝を狙うとしても、全試合に勝つことは不可能です(男子シングルのネイサン・チェンは全勝です)。
それでは精神的にも持ちません。
だから負けることもありますし、不本意な負け方をすることもあります。
しかし、勝ちにいった試合で惨敗を喫するようだと、オリンピックでの金メダル獲得は難しいでしょう。

今シーズンを振り返れば、トリプルアクセルを3本揃えたことがなく、試合のたびにあたふたを繰り返しました。
紀平梨花はシニア2年目の来シーズン、そうした醜態を「愛嬌」と呼べなくなります。
安易に4回転ジャンプを投入すると、ばたばたになるのは目に見えています。
美しいプログラムそのものが壊れかねず、私は慎重に進めてほしい。

裏目に出ると、一転してまったく勝てなくなる恐れもあります。

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⇒2019年4月1日「濱田美栄コーチは使いっぱしり、怒りが収まらず愚痴が止まらない」はこちら。

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⇒2019年3月23日「紀平梨花、プレッシャーとの戦いは始まったばかり」はこちら。

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濱田美栄コーチは使いっぱしり、怒りが収まらず愚痴が止まらない

世界選手権4位の紀平梨花に辛辣コメント
敗因は「まだ子ども」とばっさり切り捨て

フィギュアスケートの濱田美栄コーチの怒りと愚痴が止まりません。
世界選手権の女子シングルで国内外から優勝間違いなしと見られていながら4位に終わった紀平梨花に対し、記者会見などで辛辣なコメントを発しています。

私は四半世紀を超え、社長を含む経営系、営業系と企画系の人材開発に携わってきました。
人を育てるという観点ではコーチと共通性があります。
そして、期待する人材にはどうしても厳しく接してしまいます。
早く育ってほしい、大きく育ってほしいとの願いから指導する側も熱くなります。
フィギュアスケートに限らず、他のスポーツでも、あるいは他のジャンルでも変わらないでしょう。

叱責は紀平梨花の才能への期待の裏返し!

紀平梨花への叱責も才能を認めているからこそで、並々ならぬ期待の裏返しにほかなりません。
肝心の本人はどのように受け止めているのでしょうか。
のほほんとしたところが魅力の一つでもあり、世界選手権での敗北を本気で悔しがっているのか、振り返っているのか、いま一つはっきりしません。
負けてもけろっとしているのが私は気がかりです。

濱田美栄コーチはフリースケーティング(FS)終了後に記者から敗因を問われ、「まだ子ども」とばっさり切り捨てました。
相当怒っています。

アリーナ・ザギトワも紀平梨花と同じ16歳

例年だとライバルになるロシア勢は平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ、銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワが今シーズンは不調のどん底でもがいており、表彰台に上ることも厳しいと予想されていました。
しかし、二人とも世界選手権へ向けてきっちり仕上げ、1位と3位になりました。
圧倒的な優勝候補だった紀平梨花は優勝を逃すどころか、表彰台を外れています。
実は、アリーナ・ザギトワも紀平梨花と同じ16歳です。

濱田美栄コーチは記者会見で「試合以前の問題」と愚痴が止まりません。
例えば、紀平梨花はウオーミングアップの時間もやり方もまちまちです。
「自分のペースを見つけないと」と憤っています。
滑走順(待ち時間)によっても変えなければならないそうです。
ならば、紀平梨花は6分間練習直後が好きなはずであり、順番が遅くなるほど嫌いなはずです。

⇒2019年3月26「紀平梨花に致命的弱点、五輪金メダル獲得は絶望的か」はこちら。

行き当たりばったりで自己管理ができない

紀平梨花はフィギュアスケーターとして豊かな資質に恵まれ、鋭敏な感覚も持っていて、どうしても現象や細部にとらわれてしまうのでしょう。
大きな観点からシーズンの組み立てや大会への手はずを考えることが苦手のようです。

濱田美栄コーチは世界選手権でどうせ「スケート靴問題」が再発すると想定し、硬さを調整できそうなビニールテープなど、厚みも異なる複数の種類を用意しました。
こうなると選手のコーチでなく使いっぱしりです。
「5千円分買いました」と苦笑いするほかにありませんでした。
最終的には古いスケート靴に、水道につけるような強力で分厚いテープを巻いてしのぎました。

濱田美栄コーチは愛弟子の紀平梨花について大崩れがなくなるといった成長を認めたうえで、「行き当たりばったり」と苦言を呈しました。
(これでは私の人生とあまり変わりません。)
大舞台で戦うための「自己管理」がまるでなっていないということ。
自ら計画を立て、そのとおりに準備を進めて本番に臨むという経験がありません。
やはり紀平梨花は子どもでした。

⇒2019年3月25日「世界選手権惨敗の紀平梨花に一番大事なこと」はこちら。

準備不足が一番表れるのがSP冒頭の失敗

そして、濱田美栄コーチが嘆く「準備不足」が一番はっきりと表れるのがSP冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)だったのです。
グランプリ(GP)ファイナルで1度決めただけです。
何のことはない、紀平梨花は勝負以前で出遅れていました。
国内最重要の全日本選手権もそうでしたが、大舞台で勝利を収められるわけがありません。

紀平梨花は不安要素を徹底してつぶして本番に臨んでいる印象がありました。
しかし、濱田美栄コーチは「最大の課題は本番へ向けた計画性」と指摘しました。

「目標はもっと高いところ」は、負け惜しみ

紀平梨花はシニア1年目でスーパースターに駆け上がりました。
が、シーズンで最重要の世界選手権でほろ苦さを味わいました。
6戦無敗の快進撃を続けていた国際大会で初めて土がついたのです。

大会後に紀平梨花が語った「目標はもっと高いところ」という言葉は、負け惜しみにしか聞こえません。
勝てる試合に勝っておかなければ、オリンピックで金メダルをつかめるはずがありません。
五輪2連覇の羽生結弦のように自分をばっさり切るべきでした。

⇒2019年3月31日「勝負師・羽生結弦は負けは死も同然と切り捨てる」はこちら。

濱田美栄コーチがずばり指摘した課題を来シーズンは克服し、ぜひとも世界選手権で初制覇を成し遂げてほしい。
さいたまスーパーアリーナで鳴り響いたように、大勢のファンや国民が応援していることを忘れないでください。

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勝負師・羽生結弦は「負けは死も同然」と切り捨てる

世界の頂点で戦うアスリートの競技観
王者のプライドと覚悟が伝わってくる

世界フィギュアスケート選手権の男子シングルで銀メダルを獲得した羽生結弦の発言がネットで物議を醸していることを知りました。
よほど暇を持て余しているのでしょうが、つまらないことを叩くものだと呆れました。

ショートプログラム(SP)で3位だった羽生結弦が「絶対に勝つ」との強い思いでフリースケーティング(FS)に臨みました。
そして、いくらかミスは出たものの、魂のこもった会心の演技を見せました。
私は感動しました。

しかし、直後に滑った米国のネイサン・チェンがそれを上回る完璧な演技を見せ、羽生結弦に圧勝を収めました。
今シーズンは無敗を誇っており、課題だったメンタルも随分強くなりました。

私は試合後、羽生結弦はけがが完治しておらず、痛み止めを服用して滑ったことを知り、やはりと思うとともに、よくぞと思いました。
日本勢は男女を通じ、試合勘を失っていた羽生結弦だけが表彰台に立っています。
昨年11月のグランプリ(GP)シリーズ「ロシア杯」での右足首負傷から約4か月ぶりの復帰戦ですので。

そして、FSの終了直後で興奮状態だったインタビューで飛び出しのが冒頭の発言でした。
「自分にとって負けは死も同然」と個人の価値観、それも世界の頂点で戦うアスリートとしての競技観を語っているだけです。
金メダルを獲れなかった選手について述べているわけでありません。
まして病気に関連づけて述べたわけでありません。

そもそも「死」という言葉は日常生活で頻繁に出てきます。
多忙だと「死にそう」と言いますし、猛暑だと「死ぬ」と言います。
おそらく「死も同然」という言葉は大昔から使われてきました。

ストレスを発散したくて、叩けそうな発言をネットで探している人たちでしょう。
しかし、その一部分を切り取り、したり顔でコメントするのは愚かです。
人の発言にはたいてい背景や文脈があり、無視できません。

確かなのは、一般論を述べていないこと。

「負けは死も同然」は決して穏やかな表現でありませんが、フィギュアスケートに命をかけている羽生結弦の内面から自然に湧き出た言葉です。
そのときの心境をストレートに吐露したにすぎません。
私もインタビューを聞きましたが、違和感は覚えませんでした。
敗北を喫した自分をばっさり切り捨てており、いかにも勝負師です。
五輪連覇を成し遂げた王者のプライドと覚悟が伝わってきます。

ところで、日本スケート連盟が4月のフィギュアスケート世界国別対抗戦を欠場する羽生結弦について、右足関節外側じん帯損傷、三角じん帯損傷、右腓骨筋腱部損傷と診断されたと発表しました。
文字どおり、「満身創痍」です。

今後も2、3か月の加療が必要とのことですが、残念ながら完治は望めないのかもしれません。
そうした状態でも羽生結弦は大会後に来季以降に世界初となる「クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)」を含めた6種類の4回転ジャンプの習得を誓いました。
やはり命がけでフィギュアスケートに向かい合っています。

羽生結弦は日本が世界に誇れる宝といえます。
一日でも、一年でも長く現役を続けてほしい。

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⇒2019年3月28日「羽生結弦欠場で世界国別対抗戦は視聴率大幅低下」はこちら。

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⇒2019年3月24日「羽生結弦は別次元、華と存在感、演技全体の美しさが際立つ」はこちら。

⇒2019年3月19日「羽生結弦はコンディションが不明、試合勘も失う」はこちら。

⇒2019年3月17日「羽生結弦という社会現象、すべてが伝説になる」はこちら。

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紀平梨花の新エキシビションはシーア「ザ・グレイテスト」

紀平梨花がアイスショーで披露
ビートのきいたダンスナンバー

フィギュアスケートのアイスショー「スターズ・オン・アイス」大阪公演が29日から31日まで、門真市の東和薬品ラクタブドームで行われています。

28日に会場で公開リハーサルと記者会見が開かれ、世界選手権の女子シングルで4位に沈んだ紀平梨花が新エキシビション「ザ・グレイテスト」を披露しました。
オーストラリアの歌手・シーアのダンスナンバー、元アイスダンスのキャシー・リードの振り付けです。

紀平梨花は上が銀、下が黒を基調とした衣装で登場し、ビートのきいた音楽、ハスキーボイスの歌唱に乗せて力強いステップとしなやかな身のこなしを見せ、観客を魅了しました。
素質と器用さがあってのことでしょうが、前日に完成したばかりというから驚きです。
あっさりと自分のものにしています。
この選手はスケーティングが抜群に美しいので、自由に滑れるエキシビションは持ち味が引き立ちます。

紀平梨花はダンスやバレエのレッスンに通っており、それを生かしたプログラムです。
試合では見られない新境地を知ってもらいたいと抱負を語りました。

世界選手権後に硬いスケート靴に変更

また、会見ではスケート靴を新調したことを明かしました。
世界選手権は革が柔らかくなり、補強テープを巻いてしのいだそうです。
ショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)で合計3本のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を1本しか決められなかったのもそれが関係するようです。
高難度ジャンプの不調はコンディションだけの問題でなかったのかもしれません。
試合のたびに大騒ぎになります。
(どうか来シーズンは克服してほしい。)

新シューズは足首の部分がこれまでより硬く、靴底の厚さがかかとからつま先にかけて薄くなっているそうです。
自然に前傾姿勢を保てます。
「いまのところは硬くしたほうがよかった感じがしている」と手応えを語っています。
(試合にならなければ、分かりません。)
本人の好みは柔らかめとか。

このスケート靴で4月11日に開幕するフィギュアスケート団体戦「世界国別対抗戦」で滑ることになります。
こちらは競技というより祭なので楽しめると思います。

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羽生結弦欠場で世界国別対抗戦は視聴率大幅低下

世界国別対抗戦の日本代表が発表される

4月11日にマリンメッセ福岡で開幕するフィギュアスケート団体戦・世界国別対抗戦の日本代表選手が発表され、男子シングルは宇野昌磨と田中刑事、女子シングルは紀平梨花と坂本花織が選出されました。

ちなみに、私は世界国別対抗戦はいらないと考えています。
シーズンの最終戦という位置づけになっていますが、世界選手権で十分です。
フィギュアスケートは女子シングルでも高難度ジャンプ競争に突入しており、選手の負担が増すばかりです。
世界のトップクラスの選手はそれぞれの課題に即し、来シーズンの準備に取りかかる時期に差しかかります。
プログラムを決めなければならず、もともとシーズンオフはないのです。

けがの治療を最優先、テレビ朝日は落胆

世界国別対抗戦のメンバーに羽生結弦の名前がありません。
日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア委員長は「羽生選手はけがのため、欠場させていただきます」と語りました。

本人も日本スケート連盟を通じ、「世界選手権に向けて頑張ってきました。さらに右足に負担をかけることは厳しく、医師からも引き続きの加療が必要と言われました。一日も早くけがを完治させ、来シーズンに向けて練習に励みます」とコメントしています。
治療を最優先させるのは当然の判断です。

羽生結弦は世界選手権に出場しましたが、大会後にけがが完治しておらず、痛み止めを服用して滑ったことを明かしています。
それでもフリースケーティング(FS)で迫真の演技を披露し、今シーズン初の合計 300点超えを果たしました。
直後に滑ったネイサン・チェンに敗れはしましたが、フジテレビの生中継の瞬間最高視聴率は関東地区で30.4%、関西地区で32.8%と跳ね上がりました。

世界選手権では公式練習からファンが詰めかけました。
FSの演技終了後には例により「くまのプーさん」のぬいぐるみがリンクを埋め尽くしました。
凄まじい人気です。

世界国別対抗戦を中継するのはテレビ朝日ですが、羽生結弦の欠場により視聴率が大幅に低下することは避けられず落胆しているでしょう。
(羽生結弦は2大会連続出場していました。)

アクセル含む6種類4回転ジャンプ習得

羽生結弦は昨年11月のグランプリ(GP)シリーズ「ロシア杯」で右足首を負傷しました。
2017年「NHK杯」で右足首を負傷して臨んで金メダルを獲得した2018年平昌五輪より状態が悪いそうです。
(ならば、日本開催であっても世界選手権は欠場してほしかった。)

にもかかわらず羽生結弦は来シーズン以降にアクセルを含めた全6種類の4回転ジャンプを習得すると宣言しました。
世界選手権での王者奪還もさることながら、2022年北京五輪での勝利を目指しているように思いますが、どうでしょう・・・。

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⇒2019年3月19日「羽生結弦はコンディションが不明、試合勘も失う」はこちら。

⇒2019年3月17日「羽生結弦という社会現象、すべてが伝説になる」はこちら。

⇒2019年2月3日「万全でない羽生結弦はさいたまで負ける」はこちら。

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残念、表彰台は痛み止め服用の羽生結弦ただ一人

世界フィギュアは超ハイレベルな戦い
トップクラスの人気選手が顔を揃える

世界フィギュアスケート選手権は女子シングルも男子シングルもトップクラスの人気選手が顔を揃えたことから前評判が高く、会場のさいたまスーパーアリーナは超満員になりました。
そして、出場選手が期待にたがわず超ハイレベルな戦いを見せてくれました。
フィギュアスケートの魅力と醍醐味を満喫することができた大会でした。

私は日本選手を応援していますが、だからといってライバル選手のミスを望むということはありません。
フィギュアスケートそのものに惹かれ、ファンになっています。
浅田真央を応援している頃も宿命のライバルとされた韓国のキム・ヨナ(金妍児)の会心の演技に感動しました。

跳ね上がったフジテレビ生中継視聴率

その世界選手権を生中継したフジテレビの視聴率が跳ね上がったことがビデオリサーチの調査で明らかになりました。

女子シングルフリースケーティング(FS)。
平均視聴率は関東地区が20.6%。
関西地区が24.6%。

瞬間最高視聴率は関東地区が午後9時26分で、世界選手権で女子シングル史上初となる4回転サルコウを決めたエリザベート・トゥルシンバエワの結果発表の瞬間だった午後9時26分の26.4%。
関西地区がアリーナ・ザキトワの演技のリプレー中だった午後9時17分の30.7%。

平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワがSP、FSともに1位の合計237.50点の高得点で初優勝を収めました。
今シーズンの中盤以降の不調が信じられない復活劇でした。
日本勢は紀平梨花が4位、坂本花織が5位、宮原知子が6位に終わりました。
3選手は関西です。

日本女子は来シーズンの出場枠で最大3枠を確保しました。

男子シングルフリースケーティング(FS)。
平均視聴率は関東地区が24.3%。
関西地区が25.8%。

瞬間最高視聴率は関東地区がネイサン・チェンの演技中の午後9時15分と16分の2度の30.4%。
ショートプログラム(SP)で3位の羽生結弦の逆転優勝に注目が集まりました。
関西地区がネイサン・チェンの演技終了の間際の午後9時16分の32.8%。

ネイサン・チェンがSP、FSともに1位の合計323.42点という採点ルール改定後の世界最高得点で2連覇を飾りました。
ソチ・平昌五輪連覇の羽生結弦が合計300.97点で世界最高得点を叩き出しましたが、直後に滑ったネイサン・チェンに次ぐ2位に留まりました。
宇野昌磨は4位に終わりました。

日本男子は来シーズンの出場枠で最大3枠を確保しました。

羽生結弦が低得点だったら大変なこと

私は男女が揃って金メダルを獲る可能性が高いと楽しみにしていました。
とりわけ女子シングルはアリーナ・ザギトワとエフゲニア・メドベージェワがどん底でもがく今大会は日本勢が表彰台を独占するかもしれないと考えていました。
しかし、男女を通じて表彰台に上ったのは、試合からずっと遠ざかっていた故障明けの羽生結弦だけでした。
(大会後、痛み止めを服用して臨んでいたことを知りました。)

羽生結弦が低得点だったら大変なことになっています。
(実際には宇野昌磨が4位につけていましたので、日本男子は一人は表彰台に立つことができました。)

残念な結果になりましたが、負けようなどと考えて出場している選手はいません。
自国開催ということもあり、日本勢は力のこもった演技を見せてくれました。
私が一番印象に残った選手を挙げるとすれば、やはり羽生結弦です。
ほぼ毎回そうですが、凄みを感じました。
フィギュアスケート史上で過去に例がなく将来もありえない存在に思えます。

category:羽生結弦ブログはこちら。

◇◆◇

羽生結弦に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年3月24日「羽生結弦は別次元、華と存在感、演技全体の美しさが際立つ」はこちら。

⇒2019年3月19日「羽生結弦はコンディションが不明、試合勘も失う」はこちら。

⇒2019年3月17日「羽生結弦という社会現象、すべてが伝説になる」はこちら。

⇒2019年2月3日「万全でない羽生結弦はさいたまで負ける」はこちら。

⇒2019年1月14日「羽生結弦が4Aクワッドアクセルを跳ぶ日」はこちら。

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紀平梨花に致命的弱点、五輪金メダル獲得は絶望的か

優勝候補筆頭の世界選手権惨敗で露呈
計画・準備型でなく対処・処置型選手

きのうのブログの続き。

⇒2019年3月25日「世界選手権惨敗の紀平梨花に一番大事なこと」はこちら。

今シーズンの実質的な最終戦、世界フィギュアスケート選手権。
優勝候補の筆頭に名前を挙げられていた紀平梨花がまさかの表彰台漏れに終わっています。
理想的な身体能力と運動神経を持ち、なおかつ懸命な努力を怠らないこの選手がなぜ不甲斐ない結果を招いたのか、私は腑に落ちませんでした。

しかし、冷静に振り返ると致命的な弱点があることに気づきました。
アスリートにとり最大の目標であるオリンピックで金メダルを獲得するのは絶望的かもしれません。

濱田美栄コーチの苦言は当たっている

私はウェブ記事で濱田美栄コーチが紀平梨花の計画性の欠如と準備の不足を指摘していたことを思い出しました。
この選手を高く評価するからこその苦言であり、それほどでもないと考えてきましたが、世界選手権での戦い振りを目の当たりにし、いくらか分かった気がしました。
あるいは、この選手はあまり考えていないと指摘していたそのニュアンスについてもいくらか分かった気がしました。
濱田美栄コーチは少女の頃から接し、教えているのですから、指摘はおそらく当たっています。

直観に即した修正で結果を出してきた

私は紀平梨花が賢いと思っていましたし、いまもそう思っています。
しかし、「思考力が強い」ということでなく、「直観力に優れる」ということのようです。
紀平梨花は研ぎ澄まされた感覚を武器に、直観に即して瞬時もしくは細部の「修正」を行うことで結果を出してきました。
なかでも得点源となるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)などの不調を立て直し、負傷などのアクシデントを乗り越えてきました。

前向きに踏み切るトリプルアクセルが難しいジャンプということは、素人の私にも分かります。
が、ほかにもコンビネーションを含めて高難度ジャンプはいろいろあり、この選手だけがスケート靴の調整やリンクとの相性で苦労するということはありません。

私は紀平梨花がなぜ大会のたびにあたふたするのか不思議でしたが、おおよそ原因がつかめました。

SPでの失敗なしにFSでの成功なし

紀平梨花は起こってしまった不具合や不出来への手当てが得意でも、起こるであろう事態へのイマジネーションが乏しい。
だから、ショートプログラム(SP)で失敗しないとフリースケーティング(FS)で成功させられないという本末転倒に陥ってしまうのです。
幸か不幸か今シーズンは演技中を含めた修正で勝てた試合が続きました。

何かミスを犯したり、結果が振るわなかったりしたときのコメントも理解しにくい言い回しに終始しました。
恐ろしく刹那的・部分的な修正について言及しているからでしょう。
紀平梨花は、「おたく系の天才アスリート」です。

しかし、世界のトップ選手がコンディションを整えて臨んでくる大会では、FSで大きな逆転勝ちはまず収められません。

「逆転の紀平」は彼女の限界そのもの

「逆転の紀平」という形容は彼女の美点でなく限界を表す言葉だったのです。
紀平梨花はシニア1年目に直観の鋭さで乗り切れた試合が多く、思考の強さで戦った経験がありません。
そのツケが回ったのが、すべての選手が最大の目標としてきた世界選手権での惨敗でした。

紀平梨花は事前の計画型・準備型の選手でなく、事後の対処型・処置型の選手の典型です。
成り行きに器用に対応できてしまうため、不利や困難を想定して「予防策」を講じる習慣が身についていません。
濱田美栄コーチが「梨花は行き当たりばったり」と嘆いていたはずです。

紀平梨花は大きな視点からシーズンの組み立てや試合の運び方・戦い方を考えたり、大会へ向けて手はずを整えたりするのが苦手なのでしょう。
その意味では、「天然系の天才アスリート」です(この子はかわいい)。

だから毎回のように後手に回り、対処や処置でばたばたするのでしょう。
世界の頂点を狙うにはどうしても克服しなければならない課題です。

紀平梨花は2年目のジンクスに苦しむ

女子シングルは世界選手権で初となる「4回転ジャンプ」の成功者が現れました。
カザフスタンのエリザベート・トゥルシンバエワです。
4回転サルコウを決めるなどしてアリーナ・ザギトワに次ぐ2位に入り、エフゲニア・メドベージェワを上回っています。

無邪気な紀平梨花はすでに来シーズンに心が飛んでいて、4回転ジャンプの習得で頭が一杯かもしれません。
4回転サルコウを跳ぶイメージが頭に広がっているかもしれません。
しかし、現実はそんなに甘くありません。

私は紀平梨花の弱点はジャンプの成否以前、本番以前のところにありそうだと考えるに至りました。
試合でさらに高難度のジャンプを成功させるとなると、今シーズン以上に見苦しい光景を繰り返すはずです。
いくらか時間がありますので、ファンの期待に応えられなかった世界選手権を総括してほしい。
原因を掘り下げて考えないと、ジャンプ基礎点の高い選手が一気に増える来シーズンはシニアデビュー2年目のジンクスに苦しむ可能性があります。

スポーツは過酷な世界ですので、結果を出せば一気に注目が集まり、結果を出せなければすぐに忘れ去られます。
私は来シーズン、「紀平梨花の話題をさっぱり見かけなくなったね」という事態もありうると考えています。

category:紀平梨花ブログはこちら。

◇◆◇

紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年3月25日「世界選手権惨敗の紀平梨花に一番大事なこと」はこちら。

⇒2019年3月23日「紀平梨花、プレッシャーとの戦いは始まったばかり」はこちら。

⇒2019年3月22日「歯車が狂った紀平梨花は負けるべくして負ける」はこちら。

⇒2019年3月21日「3Aパンク、紀平梨花が優勝候補筆頭の重圧に負けた!」はこちら。

⇒2019年3月20日「紀平梨花はSP首位なら記録尽くめの世界選手権初制覇」はこちら。

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世界選手権惨敗の紀平梨花に一番大事なこと

トリプルアクセルの得点力に目が眩む
逆転を前提にしたら大舞台で勝てない

紀平梨花が自国開催の世界フィギュアスケート選手権で惨敗を喫しています。
この言葉を4位になった選手に使うのは適切でないかもしれません。
が、今シーズンの国際大会で6戦全勝を記録し、締め括りの試合で圧倒的な優勝候補として名前が挙がっていたにもかかわらず表彰台さえも逃しました。
印象としては惨敗でしょう。

紀平梨花に一番大事なこと。
それはフリースケーティング(FS)最終組の後半3選手のなかで滑ることです。
ショートプログラム(SP)での順位と点差、滑走順を踏まえ、ジャンプ構成を決めます。

最終組の前半、まして最終組の前の組で滑って1位だったといっても、いま一つ説得力に欠けます。
勝利という結果でなく勝ち方という過程(プロセス)を大切にしないと真の世界女王になれません。
追い詰められたFSで開き直り、一か八かでトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めて勝つという、結果オーライのパターンを捨ててほしい。

紀平梨花が練習で不調だったトリプルアクセルをSPで跳んだのも、FSで何とか引っ繰り返せるという気持ちがどこかにあったからでしょう。
トップクラスの選手が照準を合わせてくる大舞台で逆転を前提にしていたら優勝を収められないことを今回の世界選手権ははっきりと示しています。

微妙なジャンプというなら直前に判断

紀平梨花はトリプルアクセルを跳ぶことの難しさをたびたび語ってきました。
私はそれが嘘と思いません。
自分の調子はもちろん、スケート靴とのマッチング、さらにリンクの状態などにより成功したり失敗したりするようです。

それくらい微妙なジャンプだというなら、なぜ大会前に3本跳ぶなどと公言する必要があるのでしょう。
ライバルに揺さぶりをかけるつもりだったとしても、本番で変更するのは自由のはずです。
SPもFSもコンディションや試合展開を踏まえ、直前に判断するといえば済みます。

どうして自分をわざわざ精神的に追い詰め、冷静な判断力を奪ってしまうのか不可解です。
それに、緊張でがちがちになると、持ち前のナチュラルでダイナミックなスケーティングの魅力も薄れます。
出来栄え点(GOE)も演技構成点(PCS)も伸ばせません。

世界選手権では自ら「負の悪循環」をつくっており、不本意な成績で終わっています。
結果として、熱心に応援してくれたファンの期待にも応えられませんでした。

紀平梨花はSP対策を勘違いしている

紀平梨花はシーズン後半から「SP対策」の重要性をたびたび口にしてきました。
しかし、SP対策の「意味」を勘違いしています。
トリプルアクセルをきれいに決めることに心を奪われています。
それに越したことはありませんが、最終的な目標はSPとFSを滑って勝利を収めることです。

紀平梨花において、SP対策とは好位置につけること。
「最後の3選手のなかで滑るにはどうするか」と考えてほしい。
大舞台になるほど神経戦であり、とてもデリケートなフィギュアスケートはちょっとしたプレッシャーでジャンプが乱れます。
私がフィギュアスケートに惹かれる理由の一つは、エレガントなスポーツでありながら倒すか倒されるかという格闘技の要素が感じられるからです。

SPで数点差につけることがFSでジャンプ構成の基礎点が一番高いプログラムを滑る紀平梨花にとり最良の戦略(作戦)でした。
(来シーズンにトリプルアクセルや4回転ジャンプを跳ぶ選手が現れると状況は変わってきます。)

そもそもトリプルアクセルを跳ぶために大会に出るわけでありません。
紀平梨花自身もジャンプの種類に好き嫌いはなく、トリプルアクセルにとくにこだわりはないと語っていました。
勝つための手段の一つにすぎないトリプルアクセルがいつの間にか目的に変わっています。
勝利を重ねるうちに敗北が怖くなり、成功したときの「得点力」という魔力に目が眩みました。

SPにどう臨むか、しっかりと考えを整理しておかないと、来シーズンも同じ失敗を繰り返します。
細くて軽いロシアのジュニア選手がシニアに参戦してくると、なおさら出遅れは致命傷になります。

紀平梨花に足りないのは「考える力」

世界選手権で紀平梨花はシニア1年目の大活躍と日本開催により爆発的に期待が高まりました。
いきなりトップスターに上り詰めた16歳に想像を絶する重圧がかかりました。
精神的にぎりぎりまで追い詰められていることが表情はもちろん全身の気配から伝わってきました。

紀平梨花は負けた悔しさは大きいとして、同時に「終わった」という安堵感も大きいでしょう。
本人にはストーム(嵐)のような1年でしたが、私には日本の女子シングルに久し振りに世界の頂点に立てる選手が現れた1年でした。
フィギュアスケーターとして、オリンピックで金メダルを狙える天性の「資質」に恵まれています。
才能は文句のつけようがありません。

足りないのは「考える力」です。
紀平梨花はおそらく「直観」が並外れて鋭いため、粘り強い思考が苦手です。
それで勝てる大会もありますが、それでは勝てない大会もあります。

続きは、あすのブログにて。

category:紀平梨花ブログはこちら。

◇◆◇

紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年3月23日「紀平梨花、プレッシャーとの戦いは始まったばかり」はこちら。

⇒2019年3月22日「歯車が狂った紀平梨花は負けるべくして負ける」はこちら。

⇒2019年3月21日「3Aパンク、紀平梨花が優勝候補筆頭の重圧に負けた!」はこちら。

⇒2019年3月20日「紀平梨花はSP首位なら記録尽くめの世界選手権初制覇」はこちら。

⇒2019年3月16日「紀平梨花専属トレーナー橋本大侍が明かす強さの秘密」はこちら。

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和田創

和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。クライアントとともに77歳までに百社の設立を目指す(内、自ら11社)。

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