今年1月、中堅企業の「社長」に就任することが確実視されている方と、社外でお会いした。長いおつきあいである。
上機嫌と思いきや憂鬱そうで、私は驚いた。
「社長になんかなりたくなかった」。
近い将来、激しく市場が縮小し、業界が衰退する。大胆な「変革」を打たないと、いまの社員数を保てない。
分かり切った事実なのに、だれも率先して変わろうとしない、だれも自分についてきそうにない。
それどころか、半数のベテラン社員と一部の部長クラスが抵抗する構えを見せている。
「会社を変える自信がない…」。
古くてかたくなな人たちに、そして染みついた風土と慣行に、お手上げという表情である。
ずいぶん前のこと―。
プレジデント社が、中小企業の社長や大手企業の幹部を対象とし、落ち着いた会場で2日間セミナーを開催した。
そこに、トヨタのグループ企業の役員が参加していた。
「名古屋にはよくお越しになるのでしょう」。
「めったに伺いません。バブル崩壊後、どこも右肩下がりでした。しかし、名古屋は影響がもっとも軽微でした。浜松から名古屋までの一帯は、日本の“ものづくり”を代表する地域です。やはり優秀なのでしょう」。
「それはまずい。名古屋が変革の流れから取り残されるということですよ」。
私が誉めているのだから、素直に従ってもよいのでは…。
でも、これがトヨタの凄みである。
あきれるほどの危機感! 勝ちっ放しになるのもうなずける。
沈みがちな企業と、変革へかける決意は比べようがない。
一般に、大手企業ほど、名門企業ほど、動きが鈍い。
苦しくなってから変革に取り組むようでは手遅れであり、リストラは不可避である。
逆風をものともせずに高収益を上げつづける企業は、組織そのものが「変革」の機能を内包しているのではないか。
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上機嫌と思いきや憂鬱そうで、私は驚いた。
「社長になんかなりたくなかった」。
近い将来、激しく市場が縮小し、業界が衰退する。大胆な「変革」を打たないと、いまの社員数を保てない。
分かり切った事実なのに、だれも率先して変わろうとしない、だれも自分についてきそうにない。
それどころか、半数のベテラン社員と一部の部長クラスが抵抗する構えを見せている。
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古くてかたくなな人たちに、そして染みついた風土と慣行に、お手上げという表情である。
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「それはまずい。名古屋が変革の流れから取り残されるということですよ」。
私が誉めているのだから、素直に従ってもよいのでは…。
でも、これがトヨタの凄みである。
あきれるほどの危機感! 勝ちっ放しになるのもうなずける。
沈みがちな企業と、変革へかける決意は比べようがない。
一般に、大手企業ほど、名門企業ほど、動きが鈍い。
苦しくなってから変革に取り組むようでは手遅れであり、リストラは不可避である。
逆風をものともせずに高収益を上げつづける企業は、組織そのものが「変革」の機能を内包しているのではないか。
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