コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

宇野昌磨は勘弁、「僕の生き方」という人騒がせ

選手生命が縮まると心配してしまった
事情を知らされ、勘弁してくれと思う

フィギュアスケート男子シングルの宇野昌磨。
四大陸選手権ではショートプログラム(SP)で出遅れながら、フリースケーティング(FS)で会心の演技を見せ、自身初となる国際大会優勝を飾っています。
それもルール改定後のFS世界最高得点で花を添えました。

宇野昌磨は平昌五輪で羽生結弦に次ぐ銀メダルを獲得して以降、悪い成績に低迷していたわけでありません。
しかし、私はこの選手の才能に照らし、世界選手権やグランプリ(GP)ファイナルでのパフォーマンスにがっかりしてきました。

右足首の負傷を押して出場した全日本選手権で気迫に満ちた滑りを見せてくれましたが、四大陸選手権までに同じ個所を2度痛めたと明かしました。
とりわけ「捻挫」は癖になりやすい。

さて、私が全日本選手権後にまとめた記事が出てきましたので若干手を入れて掲載します。
そのときの率直な気持ちを綴っており、全日本選手権を欠場してほしいと願っていました。



周囲の反対の声を押し切り、強行出場

宇野昌磨は全日本選手権で3連覇を目指していました。
ところが、SP当日の公式練習前のウオームアップで右足首をひねりました。
何とかSPを滑り終え、102.06点で1位に立ちました。
夜に帰宿した頃に痛みが激しくなりました・・・。

翌日に病院でMRI検査を受け、強度の「右足首捻挫」という診断を受けました。
FS当日の公式練習は曲かけで一度もジャンプを跳びませんでした。
明らかな異変です。
私はウェブでこの情報に接し、これは深刻な事態と察しました。

本番を間近に控え、樋口美穂子コーチなど周囲は棄権を勧めました。
2022年北京五輪で金メダルを狙える選手ですから、当然のことです。
「どうしてそこまで出たいの」と尋ねると、宇野昌磨は「僕の生き方です」と答えました。
「地上を歩けるなら出ようと思っていました」と反対の声を押し切り、強行出場に踏み切りました。

FSまで一日空き、完全休養に充てられたことも幸いしましたが、プライドが宇野昌磨を突き動かしました。
痛み止めの薬を服用し、鬼気迫る表情でスタートポジションについています。

右足で踏み切る冒頭の4回転フリップを含む前半の3本のジャンプは乱れました。
ひどい得点になりそうだと私は観念しました。
が、体が温まったのか、スイッチが入ったのか、中盤から終盤にかけて動きがよくなり、ジャンプをきれいに決めました。
それも大きな出来栄え点(GOE)を引き出しました。
スピンとステップはレベル4をそろえました。
国際スケート連盟(ISU)非公認ですが187.04点を記録し、合計289.10点は自己ベストとなりました。

この大会までに積み重ねた練習の貯金が利いたとはいえ、王者としての気迫と極限の集中力でアクシデントを乗り切りました。
演技後にガッツポーズが出て安どの表情も浮かべています。

日本男子の二枚看板が選手生命の危機

宇野昌磨はSP後に記者から足の状態を尋ねられても「言い訳になるのでFS後に明らかにします」と一切答えませんでした。
最初から棄権する選択肢を排除していました。

「捻挫による強い痛みはありますが、滑っても選手生命に関わらないという医師の診断ですのでFSに出ます」とちょっとでも言ってくれていたら、私はやきもきしませんでした。
羽生結弦に続いて日本男子の二枚看板が選手生命の危機に直面すると、本気で案じました。
私は事情を明かされ、勘弁してくれと思いました。

宇野昌磨は「自分のわがままでご心配やご迷惑をかけたことを申し訳なく思います」と綴りました。
「僕の生き方」は人騒がせです。

今シーズンは「自分を信じる」というテーマを掲げていましたが、それができずに悩んでいました。
「けがをしたのは不注意ですが、けがをしていたからこそ成し遂げられたこともありました」と振り返りました。
実際、宇野昌磨は身体に不安があるとき、それを打ち消す演技を行ってきました。
「不安が演技でなく、けがに向かうためでないか」との自己分析でした。
ならば、文字どおり「怪我の功名」です。
ぎりぎりに追い詰められ、自分を信じるほかになかったのでしょう。

ファンは日本一の選手と思っていない

宇野昌磨は全日本選手権を2連覇しています。
しかし、「ファンは日本一の選手と思っていないし、自分もそう考えている」と本音を吐きました。
背中を追いかける羽生結弦がプレッシャーに打ち克って突出した成績を残しているように、自分もそうでありたいと願うようになりました。

試合前に報道陣に「楽しむ」と語ってきたこれまでとは、著しい心境の変化がありました。
日本王者として自覚が増し、責任感が強まったのでしょう。
歩くのもままならない痛みを抱えながら全日本選手権で初めて納得のいく勝利を収められたゆえんです。
かならずや、飛躍のきっかけとなるはずです。

宇野昌磨は3連覇を果たし、世界選手権の代表切符をつかみました。
世界の大舞台でずっと2位に甘んじており、「シルバーコレクター」と揶揄されています。
1位になるために自分を信じ、いい演技を行い、いい結果を出したいと誓いを語りました。

3月にさいたまで行われる世界選手権ではけがからの復調が見込まれる羽生結弦、実力をつけてきた米国のネイサン・チェンと激突します。

ちなみに、私は宇野昌磨を日本一と思っています。
資質も努力も申し分がない。
そろそろ世界一になってもいい。
少なくとも私はまったく驚きません。
紀平梨花に負けるな・・・。

category:宇野昌磨ブログはこちら。

◇◆◇

宇野昌磨に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年2月1日「宇野昌磨は世界選手権で男女同時金メダルを叶えよ」はこちら。

⇒2019年1月24日「宇野昌磨と高橋大輔はもう似ていない」はこちら。

⇒2019年1月23日「宇野昌磨と紀平梨花はチャレンジカップで仲よしになれ」はこちら。

⇒2018年12月29日「宇野昌磨はネイサン・チェンに負け癖」はこちら。

⇒2018年12月22日「宇野昌磨は高橋大輔と全日本選手権を盛り上げる」はこちら。

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紀平梨花、FS(フリー)の振付は罰ゲームなのか

FS「ビューティフル・ストーム」
ジェニファー・トーマス作曲
トム・ディクソン振付

私は紀平梨花がシニア1年目で滑るフリースケーティング(FS)「ビューティフル・ストーム」が大好きです。
この「振付」を手がけたのが米国のコーチ・振付師のトム・ディクソンです。
紀平梨花の身体能力と運動神経を限界まで引き出すとともに、美しさを際立たせています。
選手と切り離して語れませんが名作のプログラムだと思います。

それ以前に「選曲」がよかった。
紀平梨花は美的センスも優れ、どのような曲がマッチするかを知っています。
「A Beautiful Storm」は米国の音楽家、ジェニファー・トーマスが「地球の誕生」をテーマに作曲しています。
私は動画で彼女がピアノもバイオリンも弾ける作曲家と知りました。
ダイナミックでありながら、繊細で静謐な美しさを湛えたピアノ曲です。

⇒2019年2月13日「紀平梨花、慈愛が息づく深くて静かな華」はこちら。

明快で心地いい旋律のなかに荒々しさと知性が融合しています。
これまでのいかなるスターとも異なったタイプの「華」を持つ紀平梨花にふさわしい。

ジェニファー・トーマスは紀平梨花が優勝を収めたグランプリ(GP)ファイナルの会場で応援していたそうで、目の前であれほど芸術的に滑ってくれたら、さぞかしうれしかったことでしょう。
冒頭に跳び、高く鋭く回転するトリプルアクセルは「竜巻」を思い起こさせます。
世界中のファンが注視するなか、センセーショナルな演技となりました。

バランスの取りにくい動きや姿勢を詰め込み

話を戻し、FSのプログラムはよくぞここまでバランスの取りにくい動きや姿勢を詰め込んだと感心します。
私には「罰ゲーム」みたいな振付に見えます。

トム・ディクソンは試したかった振付を紀平梨花に託したのかもしれません。
並の選手だと、体が分解しそうな無理が盛りだくさんです。
振付師の意図どおりに滑るには、「瞬発力」と「持久力」に加え、フィギュアスケートの「技術力」と「表現力」が不可欠になります。

振付が素晴らしいのは確かですが、より素晴らしいのはむろん紀平梨花です。

私が驚くのが、そんな過酷なプログラムを紀平梨花はしなやかでのびやかな身のこなしで滑り切ります。
彼女の最大の魅力である「ナチュラルスケーティング」はいささかも乱れることがありません。

⇒2018年12月21日「プロが絶賛、紀平梨花の天性のスケーティング」はこちら。

最後の3回転サルコウからフィニッシュポーズまでの十数秒の動きは美しさに感嘆させられますが、選手は滅茶苦茶大変そうです。

ビューティフル・ストームの生命力は弱まる

四大陸選手権のFSではトリプルアクセルが1本だったにもかかわらず、2本跳んだGPシリーズ第4戦「NHK杯」での自己ベスト154.72点(TES 87.17点/PCS 67.55点)に迫る153.14点( 82.74点/ 70.40点)という高得点でした。

大会前に紀平梨花はコロラドで10日間の強化合宿を行い、トム・ディクソンの指導を仰ぎながら表現のブラッシュアップに努めました。
顔の表情や向け方、目線の使い方など、演技の完成度がかなり高まりました。
私がとくに感じたのは腕の動きに明確な意味が込められたことです。

⇒2019年1月28日「紀平梨花は視線がうつろに泳ぐ瞬間がある」はこちら。

ただし、演技の熟成と引き換えにシーズン当初の「ビューティフル・ストーム」のいくらか粗っぽさの残った奔放な「生命力」は若干弱まりました。
やむをえないことです。

⇒2018年12月9日「紀平梨花、ビューティフル・ストームの生命力」はこちら。

紀平梨花は今月末にオランダで行われる「チャレンジカップ」を経て、3月にさいたまで行われる「世界選手権」へ挑みます。
今シーズンは全7試合でFSは1位の得点を記録してきました。
つまずくことの多かったSPをクリアしたうえで最高のパフォーマンスで最終戦を締めくくってくれるでしょう。

category:紀平梨花ブログはこちら。

◇◆◇

紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年2月14日「紀平梨花はそれでもSPでトリプルアクセルを跳ぶのか」はこちら。

⇒2019年2月13日「紀平梨花、慈愛が息づく深くて静かな華」はこちら。

⇒2019年2月11日「紀平梨花がやばい、リングを嵌める左手薬指関節が腫れる」はこちら。

⇒2019年2月11日「紀平梨花と宇野昌磨はけがも金メダルも仲よし」はこちら。

⇒2019年2月10日「逆転優勝の紀平梨花、結果オーライで喜べない」はこちら。

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紀平梨花はそれでもSPでトリプルアクセルを跳ぶのか

無傷の5連勝、結果だけ見れば敵なし
3Aを跳ばなければだれにも負けない

四大陸フィギュアスケート選手権2019で優勝を収めた紀平梨花が、3月20日にさいたまで開幕する世界フィギュアスケート選手権2019に出場します。
シニア1年目の国際大会は無傷の5連勝を飾っており、結果だけ見れば敵なしの状態です。

しかし、3戦が逆転優勝であり、ショートプログラム(SP)で出遅れ、フリースケーティング(FS)で巻き返すパターンです。
会場でもテレビでも盛りあがりますので、SPの失敗がかき消されます。

ちなみに、FSは全試合で1位と圧倒的な強さを誇っています。

⇒2019年2月10日「逆転優勝の紀平梨花、結果オーライで喜べない」はこちら。

紀平梨花は全試合のSPで冒頭に代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳んでいますが、きちんと着氷して基礎点8点以上を得たのはグランプリ(GP)ファイナルの1試合に留まります。
(ルール改定後の世界最高を記録したSPです。)
GPシリーズ第6戦「フランス杯」と四大陸選手権ではシングルアクセルになって「0点」でした。

四大陸選手権では開幕直前に左手薬指関節を亜脱臼し、欠場も検討したほどです。
それも響いてSPで5位に沈みましたが、FSでトリプルアクセルを1本に絞り込んで成功させ、2位に大差をつけて逆転しています。

FSでの「修正力」が光りますが、強豪が出場する大舞台になるほどSPでの失敗を挽回するのは容易でありません。

⇒2019年2月9日「紀平梨花はSPのトリプルアクセルが敗因」はこちら。

SPスタートポーズで足ががくがく?

トリプルアクセルの成功率がここまで低いのは、精神的な状態に左右されるからです。
翌日に行われたFSであっさりと跳んでいるところを見ても、技術的な問題といえません。

紀平梨花は「試合で緊張しない」と語っています。
それがほんとうだとすれば、集中できていないのでしょう。
(むろん本人も気づかない緊張があるのかもしれません。)

四大陸選手権のSPではスタートポーズで左足ががくがくしていました。
震えのようにも見え、専門家が緊張と指摘していましたが、おそらく無意識で左のスケート靴の感触を確かめていました。
(スタートポーズにつく前に、左のスケート靴を気にする仕草をしていました。)
拳(こぶし)を握れない状態で踏み切るトリプルアクセルのことが頭にあり、集中できていなかったのです。

紀平梨花は「総合力」が際立ちますが、本人のなかでは高難度のジャンプが得意との気持ちがどこかに残っているのでしょう。
SPでは3本しか跳ぶことを許されず、1本の失敗、まして最大の得点源となる冒頭のトリプルアクセルにプレッシャーを感じて当然です。
これをしくじった瞬間にSPの首位は遠のきますから。
プレッシャーも感じないとして、少なくとも「神経質」になって集中力を欠いているのは確かです。

SPでの失敗はFSでの成功の踏み台

紀平梨花のトリプルアクセルに対するスタンスは競技人生をかけたといっても過言でない浅田真央と異なります。
本人はリアリストの側面もあり、そこまでの「こだわり」を持っていません。
私は逆転優勝が続くとしたら、SPでトリプルアクセルを跳ぶ必要があるのか疑問に思います。

が、これまでの試合を振り返ると、話はそれほど単純でありません。
紀平梨花は、SPでの失敗をFSでの成功の“踏み台”にしている節があります。
つまり、前者を肥やしにして、後者を咲かせるという因果関係です。
ならば、SPでのトリプルアクセルは成否にかかわらず必須となります。

しかも、紀平梨花は決して失敗を引きずらず、すぐに気持ちを切り替えられます。
(悔しくないはずがありませんが、自信の裏返しなのか、けろっとしています。)
そのうえで、自分の調子やリンクとの相性なども含めて冷静・緻密に失敗を分析し、具体的で明確な対処を行えます。
16歳にして、頭も心(メンタル)も第一級の選手です。

⇒2019年1月20日「紀平梨花は反省しない(本田真凜と大差がついたわけ)」はこちら。

紀平梨花はもちろんSPでつまずこうなどとは考えていません。
世界選手権へ向けて「SPから集中力を出せるようにし、SPとFSを揃えたい」と繰り返し語っています。

この選手はどのような国際大会でもライバルの存在さえ気にする必要がないほど強い。
戦う相手は、自分のほかにいないのです。
「完璧」を求める繊細さが過剰になり、まま集中力を奪っています。

トリプルアクセルを大切にしてほしい

最後に私の率直な気持ちを記します。
紀平梨花には日本女子の「お家芸」をかならず入れてほしいと思っています。
浅田真央のようにかならず挑んでほしい。
もっと得点力の大きい「4回転ジャンプ」をプログラムに組み込むようになってもトリプルアクセルを大切にしてほしい。

しかし、コンディションの問題も関わりますから、大舞台では勝負に徹してください。
四大陸選手権ではSPはダブルアクセルで十分でした。
大事なのは、最終組の後半3人のなかに入ることです。
文句のつけようのないチャンピオンとして、ここで滑ることに自分自身を慣らしたほうがいい。
残念ながら滑走順は選べませんが、SPで首位に立ち、FSで最後を締めて圧勝を収めるイメージを膨らませてください。

それこそが世界女王の紀平梨花にふさわしい。

category:紀平梨花ブログはこちら。

◇◆◇

紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年2月13日「紀平梨花、慈愛が息づく深くて静かな華」はこちら。

⇒2019年2月11日「紀平梨花がやばい、リングを嵌める左手薬指関節が腫れる」はこちら。

⇒2019年2月11日「紀平梨花と宇野昌磨はけがも金メダルも仲よし」はこちら。

⇒2019年2月10日「逆転優勝の紀平梨花、結果オーライで喜べない」はこちら。

⇒2019年2月9日「紀平梨花はSPのトリプルアクセルが敗因」はこちら。

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紀平梨花、慈愛が息づく「深くて静かな華」

紀平梨花に「スーパーヒロイン」の素質
わざわざ逆転してテレビ視聴率を高める

四大陸フィギュアスケート選手権2019の女子シングル。
開幕前に左手薬指を負傷した紀平梨花が出場しました。

ショートプログラム(SP)でダブルアクセルに変えれば普通に勝てたのに、大きく出遅れてフリースケーティング(FS)で逆転してみせるというドラマチックな筋書きを自ら描き、四大陸選手権をおおいに盛りあげてくれました。
この子は「スーパーヒロイン」の素質も十分です。
おかげで私は優勝の喜びが数倍になりました。

普段は冷静沈着な濱田美栄コーチでさえ、この演出にすっかり乗せられ、紀平梨花をやさしく抱き締めています。
頑張った演技直後とはいえ、あんなにほめるとは意外です。
「勇気のあるライオンがおりたな」と訳の分からないことを口走っています。
これだと世界選手権はライオンのぬいぐるみだらけになり、クマが可愛そうです。
(ちなみに、私は自室で徳島のくまを飼っています。)

⇒2015年8月10日「徳島のクマを飼う(写真付き)」はこちら。

そして、ファン以上に喜んだのは地上波で放送した「フジテレビ」でしょう。
おそらくですが、おいおい泣いています。
男子シングルでは宇野昌磨が逆転していますから、2日連続で視聴率が高まったはずです。

⇒2018年12月11日「紀平梨花TV視聴率はスターの証、女・羽生結弦へ」はこちら。

オリンピックシーズン以外の四大陸選手権は関心が高くありません。
私はゴールデンタイムのテレビ放送はないかもしれないと思っていたくらいです。

瞬間最高視聴率は女子シングルが紀平梨花のFSのリプレイ終了の18.8%、男子シングルが宇野昌磨の表彰式後のFSのリプレイ途中の14.9%です(ビデオリサーチ調べ。関東地区)。
結果が知れ渡った後での録画放送ですから相当な数字です。

⇒2019年2月11日「紀平梨花と宇野昌磨はけがも金メダルも仲よし」はこちら。

エキシビションでフェイデッドを舞う!

最終日にエキシビションが行われました。
私は昼間にテレビ放送でなく、夜間に動画で視聴しました。

紀平梨花が黒と紫の衣装に身を包み、アラン・ウォーカーの「フェイデッド」を滑っています。
滑るというより「舞う」といった形容がぴったりです。
シックな衣装がよく似合っており、彼女の優雅さと知性が引き立ちます。
エキシビションに限りませんが、日本人の観客がとても多くてホームのような雰囲気です。
(羽生結弦が出場する大会がそうだということは知っていましたが・・・。)

彼女が最初に大きな注目を集めたグランプリ(GP)シリーズ第4戦「NHK杯」でエキシビションを見たときにも感動しましたが、それから一段と自信をつけ、全身から女王のオーラそして風格が漂っていました。

⇒2018年11月12日「紀平梨花はエキシビションで女王のオーラ」はこちら。

慈愛が息づく「深くて静かな華」がある

しなやかでのびやかな身のこなしに加え、四肢の繊細な動きが溶け込んだ演技は絶品です。
エキシビションといいながらスピードの速さ、動きの大きさと切れ味も失われていません。
3回転サルコウ、ダブルアクセル、3回転サルコウを鮮やかに決めています。

エキシビションを見て、紀平梨花にはこれまでのスターと違った「華」があることに気づきました。
いかなるトップスケーターにも感じたことのない、慈愛が息づく「深くて静かな華」です。
(このブログで後日取り上げる、紀平梨花が広田神社に奉納した絵馬に記した驚愕の「願い」に通じます。)
滑りに「魂の救済」を感じるのはそれと無関係でないでしょう。
(浅田真央にも感じたことがありますが、スケーティングというより存在に対してです。)

⇒2019年1月19日「魂が救済される滑り・・・紀平梨花は美しい」はこちら。

この選手のスケーティングにはスキルを超越した「精神性」が宿ります。
おおらかできれいな心が投影されているからだと思います。

フィギュアスケートが大好きな私は女子シングルの荒川静香や安藤美姫、浅田真央、男子シングルの高橋大輔や羽生結弦、宇野昌磨の演技にわくわく・ぞくぞくしてきましたが、スケーティングそのものにふるえたのは紀平梨花が初めてです。

なお、四大陸選手権3位の三原舞依はエキシビションの「シンデレラ」で5連続ジャンプをはさむという大サービスです。
彼女もFSでおおいに盛りあげてくれました。

日本選手を応援する私にとり男女ともにほぼ最高の結果でした。
(いまでも三原舞依は2位、坂本花織は3位と思っています。)

category:紀平梨花ブログはこちら。

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紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年2月11日「紀平梨花がやばい、リングを嵌める左手薬指関節が腫れる」はこちら。

⇒2019年2月11日「紀平梨花と宇野昌磨はけがも金メダルも仲よし」はこちら。

⇒2019年2月10日「逆転優勝の紀平梨花、結果オーライで喜べない」はこちら。

⇒2019年2月9日「紀平梨花はSPのトリプルアクセルが敗因」はこちら。

⇒2019年2月8日「紀平梨花はOKジャンプで勝ち運を取り戻す」はこちら。

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来季は世界と戦えない、コロラド合宿は宮原知子にこそ必要

宮原知子は精神面を含め立て直しの時期
ババリアン1位から世界選手権表彰台へ

フィギュアスケートの「ババリアンオープン」は女子シングルのフリースケーティング(FS)が行われ、ショートプログラム(SP)で2位に留まった宮原知子が合計204.56点で逆転優勝を収めています。
世界選手権へ向けての調整の機会とはいえ、2位ではさすがに格好がつきません。
(審判員の訓練や養成の機会なのか、滑る選手が気の毒なほど採点が乱れます。)

⇒2019年1月18日「20歳の宮原知子はもうババリアンなのか?」はこちら。

冒頭の3回転サルコウの着地で乱れ、終盤の3連続ジャンプの3つ目で軽く転んでいます。
ジャンプの見直しを進めているせいでしょうか、調子はいま一つでした。
というか、精彩を欠いています。

この選手の課題といえば、得点源の高難度ジャンプの「回転不足」の克服に尽きます。
(来シーズンからオリンピックまでを見据えると、合わせてジャンプ構成の基礎点を引き上げなければなりません。)

選手のポイントによる世界ランキングに関わるくらいの知識しか持たない私は、すでに世界のトップスケーターになり、女子シングルではベテランの部類に入る宮原知子がこうした大会に出場する意義がぴんと来ません。
(観客のほとんどいない会場で滑るとモチベーションが下がってしまうことはないのでしょうか。)

宮原知子は破壊的変革なくして成長なし

宮原知子は「試合に出ないから」と、さぼるはずがありません。
国内でみっちりと練習を積んだほうがいいのではと思いました。
あるいは紀平梨花のように海外で短期間の合宿を行うとかです。
集中して取り組まないと自分に染みついたジャンプを変えるのは不可能です。

成功体験(実績)を持つ選手こそ「破壊的変革」を成し遂げないと先の成長はありません。
数回のコロラド強化合宿が必要なのは宮原知子のほうです。
高地の力を借り、ジャンプの跳躍から着氷までの感覚を体に覚え込ませてほしい。
(私は素人ですが、1シーズンを棒に振るくらいの覚悟がないと世界の頂点で戦えなくなるということはないのでしょうか。)

宮原知子は全日本選手権で5連覇を阻まれ、「日本女王」の座から陥落しました。
4年にわたって日本女子を支えてきた重圧から解放されたともいえ、張り詰めていた気持ちが一度は緩んだはずです。
精神面を含め、フィギュアスケーターとして立て直しの時期に差しかかりました。

宮原知子は当然ながら母国開催の世界選手権で表彰台を目指しています。
心情として日本女王の坂本花織より上に行きたいはずです。
(紀平梨花にアクシデントがないかぎり、上回るのは不可能です。)

横浜清風高校・青木祐奈シニアデビュー

なお、ババリアンオープンで17歳、SPで1位に立った青木祐奈がFS2位、合計182.90点で2位というシニアデビューを果たしています。
この選手は私が暮らす横浜市にある横浜清風高校という私立高校に通っています。
フィギュアスケートの有力選手を抱える地域が名古屋・大阪・神戸と西へシフトしていますが、東京・神奈川でも五輪で活躍する選手が出てきてほしい。

category:宮原知子ブログはこちら。

◆書き加え(3月7日)

宮原知子もコロラドで万全の調整を積む

宮原知子が米国でコロラド合宿を行っていることを知りました。
濱田美栄コーチが紀平梨花に同行しているのに、宮原知子が行かないことが不思議でした。

ワールドアリーナアイスホールで二人が振付師のトム・ディクソンを挟む3ショットが公開されました。
(私が単に見落としていただけかもしれませんが、ウェブで今回の宮原知子のコロラド合宿は取り上げられていなかったように思います。)

私は宮原知子が回転不足を克服できれば世界選手権で表彰台に上ると考えていましたので、ようやく納得できました。
万全の調整を積み、さいたまで最高の笑顔を見せてほしい。

◇◆◇

宮原知子に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年1月18日「20歳の宮原知子はもうババリアンなのか?」はこちら。

⇒2018年12月14日「濱田美栄コーチ、同門対決の心労とプライド」はこちら。

⇒2018年12月13日「宮原知子、全日本選手権4連覇は勝ちすぎ」はこちら。

⇒2018年12月12日「宮原知子から努力を取ったら何も残らない」はこちら。

⇒2018年12月3日「フィギュアGPファイナル2018優勝予想・順位予想」はこちら。

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紀平梨花がやばい、リングを嵌める左手薬指関節が腫れる

いま気づきました。
四大陸選手権で圧勝が当然と考えていた女子シングルの紀平梨花がアクシデントに見舞われ、私まで動揺したのでしょう。
2019年2月8日(金)付けでなぜか2本の記事を書いていました。
大会は終わって結果が出ていますが、以下にアップします。



回転軸を保てない? 突き指のアクシデント
四大陸選手権でトリプルアクセルを跳べない

「四大陸フィギュアスケート選手権2019」が米国・アナハイムで行われています。
女子シングルは初出場の紀平梨花が優勝候補の筆頭とされています。
シニア1年目にグランプリ(GP)シリーズ2戦とGPファイナルで3連勝を果たした演技が世界中のファンと関係者の注目を集めました。

紀平梨花はルール改定後の世界2位の高得点を誇り、本大会の出場選手では自己ベストが一番です。
10日間のコロラド強化合宿で振付師のトム・ディクソンの指導を仰ぎながら、フリースケーティング(FS)のプログラムの見直しとブラッシュアップを図りました。
表現力も一段と増したことでしょう。

紀平梨花は現地で精力的に練習を行い、代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めるなど好調振りを示していました。
ところが、アクシデントが起こりました。
公式練習の終了直前に3回転ルッツで転び、左手を着きました。

紀平梨花は青く腫れあがった薬指の関節をじっと見詰めました。
将来、リングが嵌まらなくなることを案じたというわけでないようです。
濱田美栄コーチのもとへ向かい、アイシングとテーピングの応急措置を施されました。

紀平梨花は報道陣に「やばい」と状況を説明しました。
それによれば、氷に開いていたくぼみに左手の薬指が引っかかり、「ぐにゃぐにゃ」になりました。
笑顔を絶やしませんが、痛みがじんじん出ており、歩くだけでも患部に響くという深刻さです。

「何とか間に合うかなという感じ」と、これから突き指の治療を受けると語りました。

フィギュア選手はジャンプを跳ぶときに、体を締めるために手をきつく握ります。
とくに高難度ジャンプを得点源とする紀平梨花はそうです。
体を締めないと、回転軸を真っ直ぐに保てなくなる恐れがあります。

紀平梨花は指に力を入れない空中姿勢も検討していますが、トリプルアクセルなどの成功は厳しいでしょう。

きのうのブログでも記しましたが、紀平梨花は現地で左のスケート靴だけをサブに替えました。
そのせいで右は金のエッジ、左は銀のエッジという色違いです。
全日本選手権後に新調したばかりですがコロラドでも猛練習を積んでおり、トリプルアクセルを踏み切る左が軟らかくなったようです。
練習では左のスケート靴の感触を確かめる仕草も見せています。

紀平梨花は非常事態に直面していますが、ショートプログラム(SP)とFSを揃えられるなら初制覇は当然として、アリーナ・ザギトワが持つ世界最高得点も更新できます。
(私自身は世界選手権の楽しみに取っておきたい気がします。)

余談。
紀平梨花は宇野昌磨に続き、チャレンジカップを欠場するはずです。

⇒2019年1月23日「宇野昌磨と紀平梨花はチャレンジカップで仲よしになれ」はこちら。

⇒2019年2月1日「宇野昌磨は世界選手権で男女同時金メダルを叶えよ」はこちら。

宇野昌磨が女子シングルでも滑るという意味でありません。

category:紀平梨花ブログはこちら。

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紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年2月11日「紀平梨花と宇野昌磨はけがも金メダルも仲よし」はこちら。

⇒2019年2月10日「逆転優勝の紀平梨花、結果オーライで喜べない」はこちら。

⇒2019年2月9日「紀平梨花はSPのトリプルアクセルが敗因」はこちら。

⇒2019年2月8日「紀平梨花はOKジャンプで勝ち運を取り戻す」はこちら。

⇒2019年2月7日「紀平梨花に金と銀の不安、スケート靴を左だけ取り替え」はこちら。

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紀平梨花と宇野昌磨はけがも金メダルも仲よし

紀平梨花は演技のクオリティが別格
話し声、笑い声はかわいい女の子!

四大陸フィギュアスケート選手権の女子シングル。
フリースケーティング(FS)が行われ、ショートプログラム(SP)5位と出遅れた紀平梨花が1位の153.14点を記録し、合計221.99点で逆転優勝を収めています。
けがの影響をほとんど感じさせない完璧な演技でした。
グランプリ(GP)シリーズ第4戦「NHK杯」で記録した自己ベスト154.72点に迫る高得点です。

あらかじめ公表された予定演技構成表には冒頭のコンビネーションと直後の単発で「トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)」を置いています。
しかし、本番でこのとおり跳ぶ必要はありません。
紀平梨花は前日、直前の6分間練習で決めるとし、入れても1本になると語っていました。

紀平梨花はSPで冒頭のトリプルアクセルがシングルアクセル(1回転半)になり、規定違反で0点に終わりました。
大会前に左手薬指を負傷し、練習でスケート靴の紐の調節などに手間取り、トリプルアクセルを跳ぶ回数が激減したことを主因の一つとして挙げました。
この経験を踏まえ、FS当日の公式練習では跳ぶ回数を増やし、4本連続を含む7本を決めました。
万全な調子にほど遠いとしても、いくらか感触と手応えはつかんでいました。

7つのジャンプすべてでGOE加点

紀平梨花は冒頭のトリプルアクセルをクリーンに着氷しました。
2.51点の出来栄え点(GOE)を引き出しました。
この選手は失敗を成功へ生かす力がきわめて優れています。

⇒2019年1月20日「紀平梨花は反省しない(本田真凜と大差がついたわけ)」はこちら。

続くダブルアクセル(2回転半)−3回転トウループも決め、流れに乗りました。
(トリプルアクセルから落としました。)
そして、難度の高い3回転ルッツとのコンビネーションを2回転トウループから3回転トウループに変えて点数を上積みしました。
7つのジャンプすべてでGOEを得ています。
スピンやステップでもレベル4としたうえで加点を得ています。

おもに表現力を示す演技演技点(PCS)でも5項目のうちの4項目で8点台でした。
音の解釈の項目で9点台に乗せており、技術要素点(TES)と合わせてライバルを圧倒しました。
とにかく強い。

演技構成点(PCS)はまだ伸びる

今シーズンの全試合で1位となっているFS「ビューティフル・ストーム」は1月に行ったコロラドでの10日間合宿で振付師のトム・ディクソンとブラッシュアップを図りました。
四肢の使い方、顔の表情などに磨きがかかり、PCSに反映されました。

⇒2019年1月28日「紀平梨花は視線がうつろに泳ぐ瞬間がある」はこちら。

私は紀平梨花の演技全体を通じた繊細な美しさとともに、群を抜く運動量が素晴らしいと思います。
クオリティの高さは別格、世界一といえます。
PCSはまだ伸びていくのでないでしょうか。

⇒2019年1月19日「魂が救済される滑り・・・紀平梨花は美しい」はこちら。

⇒2019年1月21日「紀平梨花の運動量のすごさに圧倒される」はこちら。

滑り切るとガッツポーズが飛び出し、会場はスタンディングオベーションに包まれました。
濱田美栄コーチがやさしい笑みで出迎え、ねぎらいの言葉をかけました。
(厳しいだけではないのです。)
そのやり取りが一部漏れ聞こえてきます。
話し声、とくに笑い声はかわいい女の子です。
話し方にあどけなさが残ります。
大人びた意思とのギャップが不思議です。

安全にいい成績を残せるよう考える

紀平梨花は試合後の会見で「ミスは許されない」と、高い集中力を持って臨んだと振り返りました。
6分間練習が終わったときに「無理することなく、安全にいい成績を残せるように考えて1本と決めました」と明かしました。
彼女は冷静で賢明な判断を行えますが、ならばSPの演技前に「無理することなく、安全にいい成績を残せるように考えてダブルアクセルに変えました」と言ってほしかった。

⇒2019年2月10日(日)「逆転優勝の紀平梨花、結果オーライで喜べない」はこちら。

自らの代名詞となったトリプルアクセルですが、出場選手の顔触れや調子、試合の展開によっては跳ばなくても問題なく勝てるということです。
すべての要素でGOEを稼げ、ナチュラルスケーティングを土台としたPCSも高い。
今シーズンについてはライバルが見当たりません。

紀平梨花はシニアデビューシーズンの国際スケート連盟(ISU)公認の国際大会で5戦5勝と連勝を伸ばしました。
3月には今シーズン最大のイベントとなる世界選手権が行われます。
母国開催となり、日本女子の実質エースとして平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワらロシア勢を迎え撃つことになります。
スケート靴を含め、ベストコンディションで臨み、圧勝を収めてほしい。
トリプルアクセルを3本決められれば、おのずとSPとFSが揃います。

爆笑で会心の演技の余韻が台無しに

私がFSで一番ほっとしたのは、フィニッシュポーズの直前で上体を反らしたときに、後ろに引っ繰り返らなかったことです。
おそらく氷についた右膝が滑ったのでしょう。
(へろへろだったようには見えません。)
爆笑が起こり、会心の演技の余韻が台無しになるところでした。
アナハイムのホンダセンターに名を刻んだかもしれません。

紀平梨花は魂が震えるような感動を与えてくれました。
この選手は異次元です。

category:紀平梨花ブログはこちら。

◆書き加え(2月10日)

けがも仲よし、金メダルも仲よし!

男子シングルの宇野昌磨がFSを気迫で滑り切り、主要国際大会で初となる優勝を収めました。
オイラーを挟んだ3回転フリップをステップアウトしましたが、ほぼ完璧な出来です。
ルール改定後の今シーズンのFS最高得点を記録しました。
フィニッシュポーズを取った後にリンクに崩れ落ちました。
精も根も尽き、立っていられなかったのでしょう。

宇野昌磨は全日本選手権でのウオーミングアップを含めて右足首を3度捻挫し、本格的な練習の再開は現地入り後だったようです。

四大陸選手権で紀平梨花と宇野昌磨はけがも仲よし、金メダルも仲よしです。
(宇野昌磨は前日に紀平梨花にあれだけの演技をされたら、頑張らないわけにいかなかったでしょう。)

酷寒の3連休でしたが、私は心がとても温まりました。
文句のつけようのないFSを見せてくれた二人に感謝するとともに「おめでとう」と言いたい。

⇒2019年1月23日「宇野昌磨と紀平梨花はチャレンジカップで仲よしになれ」はこちら。

⇒2019年2月1日「宇野昌磨は世界選手権で男女同時金メダルを叶えよ」はこちら。

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⇒2019年2月5日「紀平梨花が早速練習・・・アナハイム四大陸選手権」はこちら。

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逆転優勝の紀平梨花、結果オーライで喜べない

ミスを引きずらない精神力が凄まじい
が、接戦では判断ミスが命取りになる

四大陸フィギュアスケート選手権2019の女子シングル。
優勝候補筆頭の紀平梨花は練習中に左手薬指を亜脱臼し、薬指と小指を固定し、痛み止めの薬を服用してショートプログラム(SP)に臨みました。
そして、直前の6分間練習後にトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑むと決断を下しました。
しかし、踏み切った直後に体を締められず、空中で回転がほどけてしまいました。

岡崎真は紀平梨花がいつもよりトリプルアクセルを跳びにいこうとしすぎていたと指摘しています。
突き指の影響で体を締めきれないと思ったのか、あるいは助走のスピードが足りなかったのか、無理に高さを出そうとして余分な動作が増え、軸が外れてばらけたように見えたと述べています。
専門家の分析です。

紀平梨花は冒頭のトリプルアクセルがシングルアクセルに抜けて0点になってからの演技が見事でした。
慌てず、落胆せず、落ち着いて丁寧に滑り終えました。
何事もなかったようで、ミスを決して引きずりません。
16歳と思えない凄まじい「精神力」です。
紀平梨花は 68.85点で5位発進となりました。

自分を信じ、データを重んじてほしい

紀平梨花はトリプルアクセルが代名詞とはいえ、演技構成点を含めた総合力で戦える選手です。
進化を遂げた自分をもっと信じるべきでした。
SPで大幅に出遅れると上位選手にプレッシャーをかけられず、戦ううえで不利です。

真のチャンピオンは、最終グループの後半の3人のなかで滑って勝利を収めます。
紀平梨花は今シーズンに滑ったフリースケーティング(FS)すべてで一番ですので、この事実を踏まえればSPで無難に滑るだけで勝てるのです。
客観的なデータをもっと重んじるべきでした。

SPで1位と僅差につけておけば十分

紀平梨花は負傷した状態で一か八かの勝負に出るのなら、FSにしたほうがよかった。
彼女にしては珍しく「冷静さ」を欠きました。
SPで1位と僅差につけておけば、安心して単発のトリプルアクセルに絞れます。
すべての要素での出来栄え点(GOE)、美しいスケーティングを土台とした演技構成点で不足分は十分に補えます。

マスコミは 73.91点で1位の米国女王、ブレイディ・テネルと5.06点差で逆転の射程圏内につけたと書き立てていますが、ナンセンスです。
私もそうですが坂本花織を2位と予想していたわけですから、フォーカスすべきは二人の点差です。
紀平梨花が勝利を収めたとしても、坂本花織がミスを犯すことが前提になる他力にすぎません。

私自身は四大陸選手権での「勝ち負け」にはそれほど興味がありません。
世界の頂点を狙える選手は調整と実戦感覚養成の機会と位置づけるべきです。
毎試合で勝とうとしていたら、けがのリスクが高まります。
いまやフィギュアスケートはもっとも過酷なスポーツの一つに変わりました。
男子シングルに数年遅れで4回転ジャンプ競争に突入しつつある女子シングルもそうです。

マスコミに逆転で本領発揮と書かれる

この原稿はFSが行われる前に、紀平梨花が敗れるという予想に基づいて書きました。

結局、紀平梨花は1位の153.14点を記録し、合計221.99点で逆転優勝を収めています。
私はこの結果にまったく驚きません。
230 点台が当然という実力の持ち主ですから。

指を痛めると日常生活さえ不便になることを考えれば、私は四大陸選手権での演技は立派だったと思います。
しかし、マスコミに「逆転で本領発揮」と書かれるのでは真のチャンピオンと呼べません。
「結果オーライ」で喜ぶというわけにいかないのです。
私は紀平梨花を荒川静香、羽生結弦というオリンピック金メダリストの流れを引き継げるアスリートと考えています。
強敵のいる接戦では判断ミスが命取りになります。

⇒2019年2月9日「紀平梨花はSPのトリプルアクセルが敗因」はこちら。

紀平梨花は「逆境に強い」とも書かれていました。
ことさら強調することもありません。
大舞台で勝利を収める選手は皆たいていそうです。
世界選手権ではぜひともクリーンな演技を見せてください。

ちなみに、私の印象では、四大陸選手権は1位が紀平梨花、2位が三原舞依、3位が坂本花織であり、日本勢が表彰台を独占していました。
三原舞依はもっと点数が出てもいい。

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紀平梨花はSPのトリプルアクセルが敗因

突き指で回転軸と回転速度をつくれず
ダブルアクセルに落としてほしかった

紀平梨花はシニア1年目に得点源のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の成功率を高めて自信をつけ、優れた資質を一気に開花させました。
グランプリ(GP)シリーズ第4戦「NHK杯」で日本勢として初出場・初優勝を飾ると、第6戦「フランス杯」でも優勝を飾っています。
勢いに乗って平昌五輪金メダリスト、ロシアのアリーナ・ザギトワを破り、日本勢として2013年の浅田真央以来となるGPファイナル制覇を成し遂げました。
今シーズンは国際大会で負けなしの快進撃を続けており、四大陸選手権では優勝候補本命と目されています。
3月にさいたまで行われる世界選手権に弾みをつけたいところです。

紀平梨花はコロラド強化合宿からいったん帰国して現地入りし、練習で好調振りを示していました。
ところが、ショートプログラム(SP)の前々日の公式練習で3回転ルッツで転倒して左手薬指を負傷し、暗雲が垂れ込めました。
昨年1月に骨折して完治に約3か月を要した古傷です。

病院で撮影したレントゲンをもとに、帯同するチームドクターが下した診断は左手薬指の亜脱臼でした。
濱田美栄コーチ、日本スケート連盟の小林芳子フィギュア強化部長などに相談し、自らの意志で出場を決断しました。
「痛いのは痛い。この状態でなんとかやろうと思う」と語りました。

フィギュアスケートでは、指はジャンプの際に拳を握り、体を締めて跳ぶための部位です。
とりわけ高難度のトリプルアクセルにおいては重要になります。
さらに、レイバックスピンでも片足のブレードを持ちます。
患部への負担を減らすには中指から小指まで3本を固定するのが理想的ですが、試行錯誤の末に薬指と小指の2本をテーピングすることにしました。

トリプルアクセルは0点でもSP5位

四大陸選手権は女子シングルのSPが行われ、紀平梨花は 68.85点で5位でした。
冒頭のトリプルアクセルがシングルアクセルになり、SPの要件を満たせません。
案の定、回転軸と回転速度をつくれませんでした。
それでも続く3回転フリップ―3回転トウループのコンビネーションは落ち着いて決めました。
後半の3回転ルッツもクリーンに降りました。
3つのスピンのうち、フライングシットスピンはレベル3になりました。
ステップはレベル4でした。

前向きにとらえれば、トリプルアクセルが抜けて痛恨の「0点」にもかかわらず、70点近い5位に踏み止まりました。
スケーティングの評価の高さ、得点力の大きさを示しています。
演技構成点は3番目の 33.03点です。

演技前に濱田美栄コーチからかけられた「真のチャンピオンになるにはこういう試練も必要だし、挑戦だと思って頑張って」という言葉が支えになりました。
英才教育モードですね。
ジャンプ構成の難度を落としてダブルアクセルにするという選択肢もありました。
(私はそうすべきだと思いました。)

紀平梨花は直前の6分間練習を終えるまで迷い、しかも事前の練習がまるで不足した状態で挑みました。
氷の感触も十分につかめていなかったかもしれません。
(この選手はつねに完ぺきを求めています。)
そのうえ、踏み切る際のスピードがなくては、トリプルアクセルの失敗もやむをえません。

坂本花織は得意の最終滑走でノーミ

演技後にフリースケーティング(FS)の抽選が行われ、最終組3番目の19番滑走と決まりました。
GPシリーズNHK杯では5位のSPからFSで154.72点を記録し、6.58点差を引っ繰り返しています。
1位の全米女王のブレイディ・テネルと5.06点差であり、FSでの巻き返しを期待する声もありますが、私は上位選手に大きなミスでも出ないかぎり難しいと考えます。
僅差の2位につけ、FSで得意の最終滑走となる坂本花織はほぼノーミスの演技を見せるでしょう。

また、負傷出場の紀平梨花にパーフェクトな演技を望むのも酷です。
トリプルアクセルは入れたとしても1本です。
結果から眺めるとSPでトリプルアクセルに挑んだことが敗因になるかもしれません。
(他力になりますが、優勝にこだわるならダブルアクセルでGOE加点狙いの様子見でした。)

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⇒2019年1月22日「紀平梨花はまだまだ未熟、改善点がいっぱい」はこちら。

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紀平梨花はOKジャンプで勝ち運を取り戻す

優勝候補筆頭が大ピンチに陥った

紀平梨花は四大陸選手権で優勝候補筆頭です。
今シーズンの国際スケート連盟(ISU)の公認記録は四大陸選手権の出場選手で2番目の坂本花織に 19.22点という大差をつけています。
初出場・初優勝で3月にさいたまで行われる世界選手権へ弾みをつけようと狙っています。

紀平梨花は6日の練習終盤に3回転ルッツで転得し、左手薬指を痛めました。
激しい「突き指」です。
患部は昨年1月に骨折した古傷ですので、大ピンチに陥ったといえます。

フィギュアスケーターはジャンプを跳び、空中でぶれない回転軸を保つために両脇で体を締めます。
とくにトリプルアクセルを跳ぶ紀平梨花は力を込めて手を握ります。
それができないとジャンプが乱れやすくなります。

診断結果は左手薬指関節の亜脱臼

本番会場で公式練習が行われ、紀平梨花は約17分遅れで参加しています。
日本スケート連盟の小林芳子フィギュア強化部長によると、朝一番の6時に予約を取って病院へ行き、レントゲンを撮影しました。
負傷した左手は、中指、薬指、小指の3本をテーピングと添え木で固定していました。
ジャンプの踏み切りで体を締める動作を繰り返しています。
3回転サルコウと3回転フリップを計5本、ダブルアクセル(2回転半)を2度決めています。

午後の練習では、トリプルアクセル(3回転半)を降りたようです。
また、3回転ルッツからのコンビネーション、左手で片足を持つレイバックスピンも確かめたようです。

結局、帯同するチームドクターから「左手薬指関節の亜脱臼」と診断されました。
濱田美栄コーチはショートプログラム(SP)でジャンプの難度を落とさないと語りましたが、無理に跳ぶ必要はありません。

運気が下降、アクシデントが続く

今シーズンの中盤の全日本選手権から後半の四大陸選手権にかけて運気が下降気味なのかもしれません。
全日本選手権では寿命を迎えたスケート靴の調整に苦しみ、2位に甘んじました。
コロラド強化合宿でブラッシュアップを図り、今大会の練習でもトリプルアクセルを決めるなど好調振りが目立っていましたが、2試合連続のアクシデントです。
さらに、全日本選手権後に新調したスケート靴が軟らかくなり、左だけサブを急きょ投入したばかりでした。
紀平梨花は「この状態でどうにかしてやろうと思います」と前を向きました。

どのように体を締めるのか、いくつかの対処プランを練っています。
親指と人差し指だけを握るパターン、親指と人差し指と中指を握るパターン、5本の指を握らないパターンなどです。
素人の私には、親指と人差し指で輪っかをつくるのが力を入れやすく、しかも残りの3本指が動きにくい気がします。
これなら勝ち運も取り戻せそうですが、OKサインは国や地域により悪い意味になるとかで避けたほうが無難かもしれません。

これまでに述べたジャンプに留まらず、指を痛めると演技全般に相当な支障が出ます。
神経の行き届いた繊細な表現など絶望的です。
手の表情は演技構成点も左右します。
(痛み止めを飲むか打つかするのでしょうが、大変そうです。)

紀平梨花は一番よい方法を選んで何とかするはずです。
「絶対に間違わない」という言葉に決意と覚悟がにじんでいました。

世界選手権へ調整という位置づけ

しかし、こうなった以上、私は世界選手権への調整の機会という位置づけで臨めばいいと考えます。
優勝にしがみつくことはありません。
「日本勢の表彰台独占に貢献できればうれしい」くらいにトーンダウンすべきかな・・・。

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和田創

和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。クライアントとともに77歳までに百社の設立を目指す(内、自ら11社)。

その他の役職
面白くないジョークの会会長 

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