コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

2010年05月

和田創ブログ 2010年5月タイトル一覧

◇2010年5月31日(月) 「ブログ依存症」と自己診断を下す
◇2010年5月30日(日) ふすま一枚の地獄…ゲゲゲの女房
◇2010年5月29日(土) 「営業講師の大ベテラン」にショック!
◇2010年5月28日(金) 完璧なコメント…提案営業セミナー
◇2010年5月28日(金) 営業部門の動機づけ個別相談会(再録)
◇2010年5月27日(木) 講師とは自己否定である…プロ養成塾
◇2010年5月26日(水) チャリンコホステス大増殖…博多中洲
◇2010年5月26日(水) 面白さと恐さを知る…営業の仕事
◇2010年5月25日(火) 孫子の兵法…決死の覚悟で戦う
◇2010年5月25日(火) モチベーションアップ…現場&組織革新
◇2010年5月24日(月) マムシに咬まれた! 原稿が終わった!
◇2010年5月24日(月) 営業刷新相談会…丸の内サロン(再録)
◇2010年5月21日(金) ドラッカーの言葉が持つ真理と普遍性
◇2010年5月20日(木) ゲゲゲの女房、小銭入れが空っぽの極貧
◇2010年5月20日(木) 旧来営業を全否定する…管理者養成講座
◇2010年5月20日(木) 営業強化・収益伸長個別相談会(再録)
◇2010年5月19日(水) 松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する
◇2010年5月18日(火) 魚津の蜃気楼に壮大なロマンを感じる
◇2010年5月18日(火) 有言実行と退路遮断で人生を変える
◇2010年5月17日(月) 21世紀は覚悟の時代…変化への挑戦
◇2010年5月17日(月) 御社の名刺を働き者に変える(再録)
◇2010年5月16日(日) コンサルタントとペットセラピー
◇2010年5月16日(日) 生き方に迷ったときの名言集(再録)
◇2010年5月15日(土) 商売繁盛・人生好転…開運名刺セミナー
◇2010年5月15日(土) 社長と幹部の丸の内個別相談会(再録)
◇2010年5月14日(金) 教えたら育たない…「教育」を解釈する
◇2010年5月14日(金) 部下とのコミュニケーション(再録)
◇2010年5月13日(木) 知識の多寡で人の価値を判断する
◇2010年5月13日(木) プロ講師の心得…講義の内容と表現の評価
◇2010年5月12日(水) 正しい読書法…本は読後勝負である
◇2010年5月12日(水) セミナーアンケート…プロ講師の常識
◇2010年5月12日(水) 社長の右腕…丸の内経営サロン(再録)
◇2010年5月11日(火) 著者と出版社のカモ…ご愁傷さま
◇2010年5月11日(火) 次世代が育たない…プロ講師養成塾
◇2010年5月11日(火) サーブコープのサービス評価(再録)
◇2010年5月10日(月) 因果関係の追究…職能強化の基本
◇2010年5月10日(月) 削る睡眠時間がない…ギブアップ
◇2010年5月10日(月) 営業ストレスを軽減する名刺(再録)
◇2010年5月9日(日) 人気、丸の内経営サロン相談会(再録)
◇2010年5月8日(土) ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート
◇2010年5月7日(金) 地域社会を支える若者ボランティア
◇2010年5月7日(金) 自社の営業に悩む社長・役員は多い
◇2010年5月7日(金) 値引き漬け・値引き頼みの営業(再録)
◇2010年5月6日(木) 鳩山首相、自ら内閣総辞職へ道筋
◇2010年5月6日(木) 売れる営業のナゾ解き…なるほど講演
◇2010年5月5日(水) 人生の出陣の御守…受験・就活・婚活
◇2010年5月5日(水) 社長の営業見直し無料個別相談(再録)
◇2010年5月4日(火) アンジェラ・アキと浅田真央の失敗
◇2010年5月4日(火) 倉科カナ級オッパイ…新横浜クラブマナ
◇2010年5月4日(火) 部下の動かし方…悩む上司へ(再録)
◇2010年5月3日(月) 倉科カナ・ウェルかめ総集編スペシャル
◇2010年5月2日(日) わが家は渋滞知らず…GWの過ごし方
◇2010年5月2日(日) 器用な人は大成しにくい
◇2010年5月1日(土) 尾花高夫、横浜ベイスターズを再生
◇2010年5月1日(土) 鱈めしと磯の漁火は名作駅弁…直江津
◇2010年5月1日(土) 丸の内サロン・営業再建相談会(再録)

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だれだってイチローになれる。

基本ほど気づきにくい。
基本ほどやり抜けない。

それができれば、
だれだってイチローになれる。

基本はもっとも厳しい。
なぜなら、シンプルなので、
ごまかしが利かない、逃げを打てない。

やるか。
やらないか。
いずれかしかない。

営業、仕事、経営、人生…。
これらで成果を上げようとしたら、
高度な知識や特別な手法がいるわけでない。
愚直なまでに基本をやり抜く。

ちなみに、基本とは子どもでも分かることだ。
それゆえ、ウソをつきにくい。

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「ブログ依存症」と自己診断を下す

私がブログを始めて3年以上が過ぎた。
この2年間ほどは自分にブログの更新を課してきた。
半生の振り返り、現在の見直しによい機会になると考えた。
人は、自分と向かい合う時間をなかなか持てないものだ。

私は可能なときに書き溜めるようにしているが、仕事に追われるとストックが底を突き、大慌てで当日分を記している。
筆が極端に遅いため、睡眠時間を大幅に削ることになる。
また、新幹線の移動時間も費やしており、極端に悪い目が悲鳴をあげる。
ブログの更新でへろへろという状態も珍しくない。

ふと思った。
初めは苦痛だった。
いつのまにか満更でなくなっていた。
いまやブログを更新することに夢中になっている。
しかも、それに満足している自分に気づかされた。
最近、MBAから“起業本(共著)”を出すため、十年ぶりくらいに原稿を執筆したことがきっかけである。

人は満たされると、それに流されやすい。
この2年間ほどは仕事で成果を出せないまま、あっという間に終わってしまった。
本の執筆を誓い、ジョイントベンチャーの立ち上げを誓い、自分商品の開発・導入を誓ったのに…。
私は何一つやり遂げていない。
例えば、ブログに注いだエネルギーを本に振り向けていたら、何とか2〜3冊は出せたはずだ。

むろん、ブログの記事を講演や公開セミナー、企業研修の内容にどんどん取り入れてきた。
記事そのものをテキストとして用いることもあった。
しかし、それで終えてはもったいない。
単行本の原稿の土台くらいにはなりそうだ…。

私はブログの更新が“好き”になり、それに飲まれていた。
実際、まれに途切れると悔しいだけでなく寂しい。
ケータイを忘れて外出したときの気分に近い。
体のパーツを失った感覚だ。
ブログの更新は日常の一部になり、いつしか主要な部分を占めるに至った。

私はこのたび「ブログ依存症」という自己診断を下した。
それが仕事の成果に明らかに響いており、ならば悪しき習慣と考えるしかない。

3つの誓いを一気に実現するのは難しいが、とりあえずできそうなことから片付けていきたい。
すべて途中で止まっている。

こうした事情に加え、還暦前年の私は2010年4月から1年がかかりでサードキャリアに挑戦している。
いわば就活中の身分である。
私は頑張っているが、目標とする2011年3月までに成功していると限らない。

過去十余年、長期間かつ長時間の企業研修は最大の収入源だった。
業種や規模を問わず、多くの企業で採用された「和田創方式提案営業研修」である。
“基礎コース”が8日間であり、受講する側からすれば非常に重い。
中級・上級コースへ進むと24日間に及ぶ。
それはしばしば合宿をともなう。
体調と体力が急に衰えた私は激務に耐えられなくなった。

私はおもに企業研修の講師から短時間の講演の講師へ転職を試みているのだ。
前者は企業で受託するが、後者は個人で請け負う。
社員でも行えるビジネスと私しかできない個人商売の違いだ。
それも著名人が行うのが普通であり、これ一本で私が食べていくのは至難と覚悟している。
一般人の講演料は耳を疑う金額である。

私は3つの誓いと転職の実現のために、ブログに注ぐエネルギーを大幅に減らすことにした。



私は、頑張って原稿を書く以上はなるべく大勢に読んでいただきたいと思っていた。
私がおおよそ念頭に置いたのは、次世代のリーダーである。
日本の凋落、経済の衰退が加速する現在、それは「変革リーダー」になるだろう。
挫折と遠回りの末につかんだ私なりの仕事・経営・人生・社会の立て直しのキモを綴ることを目指した。

そこで、ライブドア「和田創 講演講師の引き出し」を基本とし、これをアメーバ「もっとあなたへ 和田創」、FC2「経営コンサル和田創の講演メモ」、ヤフー「変革リーダーの条件」に展開してきた。
いわゆるミラーサイト。
1日に合計で5百人〜千人のユニークユーザーが訪れる。
このところ、私がブログに割ける時間が減り、読者が減ってきた。
それでもかなりの固定読者がついている。
1日数千名に達したこともある。
感謝したい。

ブログのアップは予約機能も使いながら、たいてい社員や家族にやってもらった。
再録込みで1日1〜3本。
かなり手を煩わせてきた。
今後、時間の制約によりブログは駄文が中心になろう。
幸い、書きかけの素材が2〜3百本くらい残っており、これを仕上げながら1日1本を守っていきたい。
が、考えを深められそうもない。
わざわざブログを展開する価値を見出せず、本日をもって3本のミラーサイトを休止する。

2〜3年後、気合いの入ったブログを書けるようになれば復活させることがあるかもしれない。
アメーバ、FC2、ヤフーの読者に心より感謝したい。
ご愛読、まことにありがとうございました。

なお、ライブドアでは細々と更新しており、よろしければこちらをご登録くださればうれしい。

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ふすま一枚の地獄…ゲゲゲの女房

きょうのブログはかなり前にNHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」を見て走り書きした素材(パソコン上のメモ)を仕上げた。
この間、番組は進行し、面白さを増した。
とくに父親が島根から突然上京して勃発した大騒ぎは感動的だった。
私には両方の気持ちが分かる。

番組に描かれているのは、私の結婚後の極貧生活と酷似していた。
駆け出しのフリーランスで収入がほとんどなく、しかも安定しない。
最悪だった。
困っていたのは事実だが、私たちに暗さはなかった。
案じたところでどうにもならなかったので、あっけらかんとしていた。
私を知ったうえでパートナーに選んだ妻は腹を括っていた。
調布に暮らす村井茂(水木しげる)が都心へ出て必死に営業活動をかけるシーンも当時の自分とダブる。

妻(前妻)は社員が2〜3人の零細企業(音楽系の雑誌社)で働いていた。
国電飯田橋駅の近く。
やがて子どもを授かり、出産を機会に退職した。
それ以来、専業主婦だった。

私がもっとも思い出したのは、ふすま一枚で隔てられた2つの小さな和室という住環境。
アイデアを納める仕事はいくらかあったが、安くて食べられなかった。
私は能力の限界まで知恵を絞った。
金額を超える満足を与えること、つまり発注者の期待水準を上回ることしか考えなかった。
そうでなくては、二度と仕事の依頼は来ない。
これがフリーランスのプランナーとしてやっていけるかどうかの分かれ目だと強く肝に銘じていた。
1日18〜20時間の労働が延々と続いた。
無休。

ゲゲゲの女房では、やはりふすま一枚を隔てて夫の茂(向井理)が連日徹夜で漫画を描いており、妻の布美枝(松下奈緒)はおちおち眠れなかったろう。
私たちの生活そのものだ。

ただし、布美枝と異なり、妻は体が強いわけでなかったので、普通の睡眠時間が必要になる。
夫が家族を支えるために死に物狂いで働いているのに、隣の部屋で呑気に休むのは辛かったろう。
眠りが浅く、頻繁に目が覚めたに違いない。

妻は東京女子大学時代の友人などによく、私が早死にすると言っていた。
むろん、私がいる場で…。
恐らく本気だ。
私に対する褒め言葉、驚嘆と感謝の念でもあった。
我ながらクレージーだった。
“戦闘”という形容がぴったり。
私は何も案じなかったと記したが、正確にはその時間や余力がなかった。
仕事の手が動かなくなると、布団に倒れ込んだ。

私は仕事の量もさることながら単価を上げないと生活が厳しいと悟り、大日本印刷、凸版印刷、共同印刷の“御三家”に飛び込んだ。
凸版印刷から自宅に戻ると同時に電話が鳴り、私は即座に引き返した。
最初の仕事だった。
口笛を吹きたい気分だった。
私の何かを認めてくれた証拠である。
妻の顔がぱっと輝いたのが忘れられない。

3社ともOKをもらえたが、共同印刷はこちらから辞退し、大日本印刷はしばらくつきあった後に疎遠になった。
私が営業活動に力を入れなかったのだ。
アイデアやプランといったソフトを重視し、それを正当に評価してくれる印刷会社はトッパンアイデアセンターしかないと確信した。
少しずつ収入が増えていった。

妻はこうした毎日に愚痴をこぼしたことがない。
しかし、私はその辛さを感じ取っていた。
「この状態を解消しないと、妻は気の休まる暇がない」。

私は焦っていた。
三鷹の間借りでは、増えてきた仕事をこなすうえで限界と支障が出ていた。
締め切りに間に合わず、知人をときどき呼んで手伝ってもらったりした。
狭い部屋が人の熱とタバコの煙でむせ返った。
仕事と生活がごちゃ混ぜになっていた。
家族がやり切れない。

私は勝負をかけるしかないと決意し、千代田区岩本町に仕事場を借りた。
地下鉄日比谷線小伝馬町駅のそばだ。
30歳を回った頃だったか(曖昧)。
妻はほっとした表情を浮かべた。
“地獄”だったのだ。
総戸数の少ない古いマンションは、都心に近い立地のせいで、住居より仕事場に使われていた。

私がこの場所を選んだのは、すでに収入を依存していた秋葉原の凸版印刷株式会社本社、トッパンアイデアセンターが何とか歩いていける範囲にあったからだ。
すぐに徹夜の連続になった。
私は外食になり、自宅と合わせて支出がかさんだ。
オフィスの家賃や水道光熱費、機器のリース料なども払わなくてならず、必死だった。
仕事場に泊まり込むことになり、自宅に戻ってこられなくなった。
一段と仕事漬けの日々を過ごした。

後年、都心の仕事場の近くに自宅を移そうと妻に2〜3回切り出し、きっぱりと断られた。
妻は、結婚当初の私の仕事振りとそれにかく乱された時代を忘れていなかった。
職場のなかで寝起きする気分だったのでないか。
心底、懲りたのだ。

狭い2部屋の内、1部屋が仕事に占領される。
ふすま一枚を隔てるゲゲゲの女房は、当時の妻の姿である。

後年、妻はガンで亡くなる直前、「お父さんの言うとおり、都心に引っ越せばよかった」と口にした。
本人もこの件を引きずっていたのだ。

◇◆◇

ゲゲゲの女房に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。

⇒2010年5月19日「松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する」はこちら。

⇒2010年5月20日「ゲゲゲの女房、小銭入れが空っぽの極貧」はこちら。

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「営業講師の大ベテラン」にショック!

私は営業分野の講師として大ベテランの域に達した。
職業人生が過ぎるのはあっという間だなぁ…。

実は、メガバンクのシンクタンクが主催するビジネスセミナーで、事務局から冒頭にそう紹介された。
ベテランはともかく、「大ベテラン」という言葉を使われたのは初めて。
私はショックを受けたが、わが身を振り返れば確かに“老人”である。
マユもヒゲも白い。むろんアソコも…。
ヘビースモーカーだから、歯は黄色い。

しかも、セミナーの終了時に「これだけの先生にじっくりと質問できる機会はないかもしれませんから、ぜひ…」。
会場全体に響き渡る大声だった。
私はくたばりかけた老人に見えるらしい。
事務局は無数のセミナーを企画し、会場の最後列で立ち会っている。
講義内容を含め、講師について“横並び”でシビアな評価を下せる立場にいる。
こんなことを大勢の参加者の前で言ってしまって後で問題にならないのかと、私が心配するほどの絶賛だった。
ありがたい。

私は再建・変革系なので嫌われる宿命だが、長く頑張ってきた甲斐があった。
この仕事は捨てたものでない。



還暦前の私は数年前から次第に言葉が出にくくなってきた。
妻に「あれ」と言い、「あれじゃ分からない」とよく叱られている。
老いることは悲しい。

いま言葉が出てきた。
アソコとは「髪(カミ)」である。
うん。



和田創「提案営業公開セミナー」のアンケート結果は以下のとおり。

⇒2010年5月26日「面白さと恐さを知る…営業の仕事」はこちら。

⇒2010年5月28日「完璧なコメント…提案営業セミナー」はこちら。

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完璧なコメント…提案営業セミナー

私は先頃、福岡などで「提案営業セミナー」の講師を務めた。
受講者からアンケートが寄せられているので、一部を紹介したい。
基本はそのまま載せているが、文字や用語などを若干変えていることがある。
また、丸1日のセミナーの参加者に加え、シリーズセミナーの参加者の感想や意見が含まれている。

⇒2010年5月26日「面白さと恐さを知る…営業の仕事」の続き。

◆30代・男性、製造業、営業。
「日々のルーティンをこなすことで仕事をしている気分になっていた自分に気がつきました。
実際に自分の状況を思い浮かべながら受講しました。
可能であれば、期間を置いて再度受講したいと思いました」。
一番印象に残った言葉は「顧客の要望やニーズに応えるな」。

⇒和田創:完璧なコメントです。時間を開けると、また違った、もしくはより深い学びが得られるのでないでしょうか。
そもそも私の講義は“即興”の要素が大きいので、内容そのものが変わるかもしれません。

◆男性、サービス業、所長。
「印象に残る言葉がたくさんあり、わが社、わが部署はもちろんですが、私自身の今後の仕事に対する取り組みへおおいに参考にさせていただきたいと思います」。
一番印象に残った言葉は「商品を買う顧客はいない。いかなる顧客も効用を買っている」。

⇒和田創:御用(顕在ニーズ)の向こう側に、顧客が抱える背景や意図、顧客が望む効用や目的が隠れています。
これを探り出すことが潜在ニーズの掘り起こしにつながります。
小さな注文に終わらせず、大きな案件に育ててください。

◆40代・男性、システムソリューション、営業・マネージャー。
「営業の思想について、いままでになかったものを得ることができました。
時間が限られ、踏み込んだ具体策を聞けなかったので実践できるか分からないが、受講できてよかったと思う」。
一番印象に残った言葉は「営業は8割が度胸、2割が知恵」。

⇒和田創:わずか1日のセミナーですが、成績を伸ばすうえでの“キモ”はおおよそお伝えできたと考えます。
どうかテキストノートを最後まで読んでください。ソリューションの技術・手法のあらましは述べています。
また、『提案営業成功の極意』にソリューションのプロポーザル(提案書)の見本を収めています。
かなり参考になろうかと思います。
たったいまネットで調べたら、アマゾンで和田創は“1円”でした。
トホホッ。

◆50代・男性、営業。
「提案営業の本質が分かりやすく理解できた」。
一番印象に残った言葉は「頑張るより変わろう!」。

⇒和田創:日本の営業はとりわけバブル崩壊後、かなり頑張ってきました。
頑張った結果がこれまでの成績であり業績です。
ですから、いい加減頑張るのはやめ、思い切って変わりましょう。
それが「本物の提案営業」です。

以上。
受講してくださった皆さま、まことにありがとうございました。
その場で名刺を頂戴した方にメールで配信した『月刊トップセミナー』の講演映像は、コンサルティングセールスとソリューションセールスに対する理解を深めるうえでおおいに参考になるはずです。
とくに4月号(新年度特大号)「モノ売り営業の脱却」はかならず視聴してください。
「御用聞き営業」から「案件育成営業」へ転換する急所をきわめて明確に述べています。
営業のキモをつかみ、行うなら、売り上げは劇的に伸びます。
不況を吹き飛ばせ!

セミナーアンケートの続きは、来週火曜日。

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講師とは自己否定である…プロ養成塾

長期出張と原稿執筆などに追われ、しばらく中休みがあったが、一連の記事を復活させる。

日本の学校教育が知識の習得を偏重した結果、そうした風潮が職業教育にまで広がった。
成果は“行う”ことによってしかついてこないのに、“知る”ことに関心が向かいやすい。
弊害は参加者に留まらず、講師に及んだ。
“教える”ことに重きを置いてしまう。

ただし、参加者はその限界をわりと早く感じ取った。
ところが、講師はいまだに気づいていない。
すでに述べたように有力なプロ講師があまり育っていないが、その最大の理由であろう。
とりわけ営業分野は次世代がほとんど現れないため、私を含めて顔ぶれは昔のままだ。
その結果、高額な受講料を払っても参加したいと思う、新しいセミナーが減っている。
このマーケットは近年じり貧が鮮明である。

私は、職業人に教えることがまったく無駄というつもりはない。
しかし、知識は本やeラーニングでもっと効率的に得られる。
教えることを主眼としたセミナーでは魅力が乏しく、参加者を呼び寄せるのが難しい。

社会人教育の本質は「革命」である。
参加者に意識や行動の変革・革新をもたらすものでなくてならない。
まして環境変化が加速し、企業も個人も生き残りが至難となった今日、業務や仕事の抜本的な見直しが必須だ。
それも悠長に取り組んでいられない。
講師は硬直した考え方、固定したやり方を叩き壊さなくてならない。

となると、新人向けを除き、講師の仕事の基本は参加者に対する“ダメ出し”である。
いや、新人も学生気分から脱却してもらわなくてなるまい。
が、だれも否定されることは好まない。
さらに、変化することは二の足を踏む。
人は慣れ親しんだ世界にかならず戻ろうとする。
進んで変わろうとする人は一握りにすぎない。
あるいは、まったくいない。
「変革リーダー」とはこれだ。
人間の本質は「保身」である。

私は思う。
そもそも企業が進んで変われるなら、業績不振と無縁でないか。
ここにプロ講師が生きていける場所がある。

社員は変わりたがらない。
幹部も役員も社長も同じ。
市場や顧客はどんどん変化しているのに、業績を決定的に左右する企業文化も組織風土もほどんど変わらない道理である。
私が革命を促さなくてなるまい。

講師が真剣に使命を果たそうとするほど会場が張り詰め、参加者に煙たがられる。
したがって、アンケート評価は下がりやすい。
しかし、それはプロ講師の“宿命”である。
そうした現実を覚悟して受け入れないと、セミナーのあり方がゆがんでしまう。
実は、参加者に気に入られることで講師が得られる評価など高が知れている。
迎合では限界がある。
ちょっと長い目で見れば、プロとしてやっていけない。

使命を果たしてこその講師稼業。
これを第一とし、自らを律する。
こうした姿勢は、参加者の評価よりはるかに重大である。
プロ講師は己の存在価値がどこにあるか、片ときも忘れずに考え、それを高めるように努めなくてならない。

私は、プロ講師とは、変化を嫌う職業人に革命をもたらす仕事と考えてきた。
それに沿い、コンテンツやカリキュラムに磨きをかけてきた。
しかも、職業人には社長や役員や幹部が含まれ、企業が変わるうえではむしろこちらへの動機づけが重要になる。

ところで、これまでに述べた教育が真っ先に対象とすべきは“自分自身”である。
講師が発した言葉はかならず己に跳ね返らなくてならない。
変化を嫌い、革命を避ける講師はくそだ。

講師とは自己否定である。
すなわち、それは仕事でなく態度である。

◇◆◇

「和田創 プロ講師養成塾」シリーズは以下のとおり。

⇒2010年5月11日「次世代が育たない…プロ講師養成塾」はこちら。

⇒2010年5月12日「セミナーアンケート…プロ講師の常識」はこちら。

⇒2010年5月13日「プロ講師の心得…講義の内容と表現の評価」はこちら。

⇒2010年5月14日「教えたら育たない…教育を解釈する」はこちら。

きょう紹介する予定だったセミナーアンケート(受講者の声)はあすへ。

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チャリンコホステス大増殖…博多中洲

日本有数の繁華街、博多・中洲の放置自転車が大きな社会問題になっている。
夕刻は凄まじい台数に達し、歩行者など通行の妨げになる。
狭い範囲に千台以上。
原因は、クラブホステスの自転車通勤。

客数が減り、客単価が落ち、クラブやキャバクラは経営が厳しい。
その結果、ホステスは時給が下がり、時間が短くなった。
客が少ないと、すぐに上がらされる。
貧乏に…。

繁華街の夜を彩るクラブやキャバクラ。
それなりのホステスなら高給が取れた。
タクシーでの出勤はステータスというより当然だった。
が、いまや「タクシーに乗れない」。

日本は景気に明るさが見えてきたと思ったら、このところ株価が急落している。
持ち直した不動産も不透明だ。
浮いたカネが減ると、水商売は響く。

博多に限らず、主要都市の繁華街でチャリンコホステスが大増殖しているのでなかろうか。



クラブやキャバクラは生き残りのため、ママとチーママ、ナンバーワンホステスなど3〜4人に絞っているところが少なくない。
客がやって来てホステスが足りなくなると、慌てて“派遣”を呼ぶ。
客が引き揚げてホステスが余ると、すぐに帰す。
中洲の路上にホステスが乗り込んだバスが停まっている。
黒いガラスの向こうにぼんやりと姿が映る。
化粧に忙しそう。

が、一度も声がかからず自宅に戻ることも珍しくないようだ。
残酷な現実。
ホステスは収入が減り、しかも一段と不安定になっている。
稼ぎが読めず、生活が成り立ちにくい。

私が講師やコンサルタントとして一番多く訪れた地方都市が福岡である。
多い年で30日弱。少ない年で10日強。
だが、一度も中洲に足を運んだことがない。
正確に述べれば、十余年に及ぶ講師生活で出張中に繁華街に繰り出したことがない。
事情が許すなら、将来、中州のクラブに行ってみたい。

私の地元、新横浜やたまプラーザのキャバクラはどうなっているだろうか…。
クラブに通う40代の知人によれば、“お持ち帰り可能”なホステスが増えた。

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面白さと恐さを知る…営業の仕事

私は先頃、福岡などで「提案営業セミナー」の講師を務めた。
受講者からアンケートが寄せられているので、一部を紹介したい。
基本はそのまま載せているが、文字や用語などを若干変えていることがある。
また、丸1日のセミナーの参加者に加え、シリーズセミナーの参加者の感想や意見が含まれている。

◆40代・男性、サービス業、管理職。
「市場環境の悪化にともない、どう戦うか、どう勝つかのヒントになりました。
まず、自分自身がどう変われるのかを十分に考えていきたいと思いました(知恵を出す)」。
一番印象に残った言葉は「顧客志向、顧客理解、課題解決」。

⇒和田創:完璧なコメントです。どうか力強く勝ち残ってください。

◆50代・男性、サービス業、所長。
「顧客ベネフィット重視の価値提供型営業をより深く理解し、確実に実践で生かしていきたいと思います!」。
一番印象に残った言葉は「お客さまは商品でなく効用を買っている(顧客志向の考え方ができそうです)」。

⇒和田創:顧客が効用を買っていると理解するなら、表面的な御用にYESと答えなくなります。
すると潜在ニーズの掘り起こしにつながり、結果として収益の伸長をもたらします。

◆30代・男性、運輸業、営業・主任。
「メリハリのある講義で大変参考になりました」。
一番印象に残った言葉は「営業では失敗をする自分を受け入れよ」。

⇒和田創:物流業界は価格競争がシビアであり、それだけにソリューションが重要になります。この業界の営業は概してレベルが高いですね。
トップダウンアプローチ、案件進捗、プレゼンテーション…。ルーティンをはみ出し、たくさん失敗してください。
営業としての自己実現を願っています。

◆50代・男性、建設業。
「営業でないため半分内容が合っていない気がしたが、セールスの面白さと恐さを感じることができました。
現状の仕事に甘んじていることを痛感しました」。
一番印象に残った言葉は「顧客の立場で課題を探索し、解決策を提案する」。

⇒和田創:営業でないのにセールスの面白さと恐さを感じられるのは凄いことです。
「イマジネーション」が優れているからです。
「現状の仕事に甘んじて…」のコメントも、畑違いの内容を自分の業務に引き寄せて受講しうるイマジネーションをお持ちだからです。

◆40代・男性、情報サービス業、マネージャー。
「課題の明確化、そして解決策の立案…。
顧客にまったく踏み込んでいない自分を強く感じた」。
一番印象に残った言葉は「踏み込む」。

⇒和田創:そうです、「踏み込み」がきわめて大事です。自社の立場をいったん忘れ、顧客の観点でとことん探る、考える。

◆30代・男性、IT業、SE・副主任。
「講義の内容が自分の考え、会社のやり方と“真逆”だったのが衝撃的でした。
宿題は大変ですが、次回も楽しみです」。
一番印象に残った言葉は「売上不振の最大の理由は顧客への愛情不足である」。

⇒和田創:来月は都市ホテルに缶詰め、パソコンを持ち込んでの合宿講座です。地獄を楽しみにしてください。

以上。
受講してくださった皆さま、まことにありがとうございました。
その場で名刺を頂戴した方にメールで配信した『月刊トップセミナー』の講演映像は、コンサルティングセールスとソリューションセールスに対する理解を深めるうえでおおいに参考になるはずです。
とくに4月号(新年度特大号)「モノ売り営業の脱却」はかならず視聴してください。
「御用聞き営業」から「案件育成営業」へ転換する急所をきわめて明確に述べています。
営業のキモをつかみ、行うなら、売り上げは劇的に伸びます。
不況を吹き飛ばせ!

セミナーアンケートの続きは、あした。

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孫子の兵法…決死の覚悟で戦う

私のブログ「有言実行と退路遮断で人生を変える」にメールが寄せられた。
私が敬意を払う、若き友人「誠(まこと)」氏から。
「行動力」の塊!
東京大学とその大学院を卒業した理工系のエリートだ。
メールは以下。

ブログを読みました。
私も不言実行というより有言実行のほうです。
自分の名前のせいでしょうか「誠」は「言って成す」と書き、「有言実行」という意味になります。
「退路遮断」についても同感です。
実は、人がもっとも力を発揮するのが、死地(退路がない決死の覚悟で戦う地)と孫子の兵法にあります。
私も「イノベーションは死地からしか産まれないのでは?」とつねづね感じます。
ゆえに、企業はイノベーションが苦手です。
「リスクテイク」という言葉がありますが、真の意味でリスクを取っている人(死地において戦う人)はきわめて少ないのでないでしょうか。
この言葉を好んで使う経営者がいます。
しかし、方便や言い訳にすぎず、実態をともなっていないように思います。

以上。
私が7月下旬にMBAから“起業本(共著)”を出すと言ったら、書名を尋ねられた。
すぐに買うつもりなのだ。
私が差しあげよう。
実は、リスクを取る働き方・生き方について述べている。
人が持てる力をもっとも発揮するのは、自己実現の最高峰“起業”に挑むときだ。
それゆえ、力がもっとも伸長することになる。
覚悟の褒美だ。

サラリーマンの時代が終わり、「一億総自営業者」の時代に入った。
私の起業本の内容の核心は、彼のメールと通じている。

以下に「有言実行と退路遮断で人生を変える」と題する2010年5月18日のブログを収める。

                      ◇◆◇

私は仕事柄、経営者などと相対し、その凄さにうなることがある。
一代で会社を大きくした創業社長はとくにそうだ。
また、学ぶべき知人が周辺にいる。
彼らと大きな差をいくつか感じるが、その一つは自分の意志の弱さである。
いまではすっかり諦めている。

そんな私だから、これまでを振り返って「不言実行」はうまくいったためしがない。
やり遂げられなくても周りに分からないので呑気だ。
いつ頃からか「有言実行」を心がけるようになった。
ほとんどうまくいかなかったが、まれにやり遂げられた。

しかし、有言実行という気持ちでは自分の意志の弱さを克服できないと悟った。
そこで確実性を高めるため、後戻りできないように追い込むことにした。
何も考えずに「退路遮断」に踏み切る。

例えば、いまの仕事で食べていけるが、新しい仕事に就きたいとしよう。
かなり困難な挑戦である。
意志が強い人は食べながら、新しい仕事へシフトしていく。
だが、私は食べられると、新しい仕事へシフトできない。
自分の意志を貫けず、楽なほうに流されてしまう。

ところで、私は「変化」が億劫だ。
変わらずにやっていけるなら、変わりたくない。
変化は自己否定をともなうのでつらい。
が、人間の、そして生命の本質は保守だと思うので、変化を嫌う自分にコンプレックスは感じない。
だれしもそんなものだろう。
ところが、現実問題として変わらないとやっていけない。
あるいは、よりよい今後を楽しむには思い切って変わるしかない。
長い人生ではそんな局面に幾度か差しかかる。

私は40歳にセカンドキャリアに挑戦した。
プランナーから著者・講師・コンサルタントへの転職を目論んだのだ。
真っ先にやったのは、企画の仕事を断つことだった。
収入源を捨てたので、軌道に乗るまでの数年は大変だった。
どん底期は口に入れるものに困った。
私はいつのまにかチェンジコンサルティング一筋になっていた。
なかでも営業部門のテコ入れを足掛かりに組織全体の風土刷新を目指した。
「営業発の全社改革」。
その成果は業績の上昇に現れ、わくわくした。
決算書が劇的に変わったと、社長から喜ばれもした。

あれから20年、私は来年に還暦を迎える。
これを機にサードキャリアに挑戦する。
今年1年はその橋渡し期間と位置づけている。
恐らく職業人生のラストステージになるはず。
すでに最大の収入源である企業研修を絶った。
もう後戻りできない。
高齢期は悲惨か至福か…。

私は仕事に限らず、やっていけると何一つ変えられない。
意志が強かったなら、もっと違った領域や次元で人生を謳歌できたのでなかろうか。
さみしさが身にしみる。

                      ◇◆◇

サラリーマンの時代の終焉に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年4月18日「一億総自営業の時代…柳井正×村上龍」はこちら。

ユニクロ柳井正の勇気に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年5月17日「21世紀は覚悟の時代…変化への挑戦」はこちら。

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モチベーションアップ…現場&組織革新

私が理事長を務める「NPO法人営業実践大学」では 第168回公開講座を行う。
実は、本大学は現在のスタイルでの運営を2011年3月に終了する。
ついては、2010年1月〜9月を過去の好評セミナーのアンコール企画とした。
長らくのご支援に対し、心より感謝する。

第6弾の案内文は以下のとおり。

就労形態の多様化などを背景に衰退の一途にあった朝礼が、再び脚光を浴びています。
モチベーションの向上やコミュニケーションの円滑化に有効という理由からですが、実際には“逆効果”になっていることも珍しくありません。
継続的な機会だからこそ、成果の上がるやり方を踏まえることが条件といえます。
人や組織の活性化に長らく取り組んできたゲストガ、試行錯誤の末に確立した朝礼のノウハウが“見える化”と“コーチング”の融合でした。
たった5分の積み重ねで人、現場、会社に劇的な変化をもたらす「アヅミ式朝礼」の実践方法とポイントを学びます。

概要は以下のとおり。

アヅミ式朝礼ハンドブック日 程◆2010年6月15日(火)
時 間◆午後7時40分〜9時20分(1時間40分)
会 場◆ジェイック(地下鉄神保町駅至近)
演 題◆やる気を高める 朝礼セミナー
副 題◆部門や拠点を活気づけ、会社を変えよう!
ゲスト◆安海将広(コミュニケーション道場「以心伝心」主宰)

講師略歴は以下のとおり。

1961年生まれ。損害保険・生命保険の代理店を経営しながら、プロのコーチとして活躍中。
やる気を継続させる仕組みとして独自の「アヅミ式朝礼」を開発し、多くの組織の活性化に貢献。
国際コーチ連盟マスター認定コーチ、(財)生涯学習開発財団認定マスターコーチとして講演や研修も多数。
著作に『アヅミ式朝礼ハンドブック』がある。

ゲストの安海将広氏は、朝礼の重要性を説き、その活性化に取り組んでいる、いわば朝礼コンサルタント。
昔は、とくに営業系の職場では朝礼が当たり前だった。それが年々すたれ、仮に行っているとしてもすっかり形骸化してしまった。
だが、正しく朝礼を行うなら、社員や部下の動機づけが可能になる。
それも効果は当日に留まらない。
粘り強い継続により部門や拠点、さらに会社全体の変革につながる。
今回は、氏の経営者とコンサルタントとしての経験を踏まえ、「アヅミ式朝礼」のエッセンスを披露していただく。

「売り上げが低迷して職場に元気がない…」。
そう感じる中堅・中小・零細企業の社長や役員、営業部・課長、営業マネジャー、営業所長などにぜひご参加いただきたい。

⇒詳しいパンフレット(案内状)はこちら。

私・和田創は前座として、「社長スクール」で講演を行う。
演題は、「[急所講演会] 営業とは暴走である」
時間は、午後6時50分〜7時20分(30分間)。

時間は30分と限られるが、私は剛速球を投げ込む。
成果を上げられない会社や部門、拠点にはびこる誤解は、「営業はうまくやらなければならない」である。
ゆえに、社員も部下も顧客から拒絶を食らう前に自分でブレーキを踏んでしまう。
営業は小難しい知識や技術、手法など持たなくても、「上」に会うだけで売り上げを伸ばせるというのに…。
今回は、営業の仕事の特性について理解を深めていただく。
それが営業の強化・再建に不可欠だからだ。

当日の受講料は一般4千円、会員2千円。
NPO法人なので、収益事業でなく社会貢献事業。
ぜひお気軽にご参加ください。
初めての方、営業未経験者、学生、大歓迎です。

なお、途中の20分間はフリータイム(名刺交換会&休憩)。
毎回、ゲストと参加者、参加者同士で大盛りあがり。
どうか名刺をお忘れなく。
お持ちでない方は、手書きなどでも結構。

では、会場でお目にかかりましょう。

公開型の「営業研修」としてもご利用ください。

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マムシに咬まれた! 原稿が終わった!

私はきのう、おととい、ブログを更新できなかった。
自分に課しているので、とても悔しい。
金曜日から日曜日(正確には月曜日)まで、仮眠を取るくらいで仕事に追われっ放しだった。

実は、「実践営業論」の講師を務めるSBI大学院大学(MBA)の依頼で、東洋経済新報社から出版される“起業本”の原稿を執筆していた。
同校の北尾吉孝学長や教授陣など総勢12名による共著であり、私は30ページを割り当てられていた。
このブログに掲載した記事を選択・編集・加工して原稿に仕立てればよいのだが、私一人が大幅に遅れていた。
締め切りは5月6日であり、全体の進捗管理を行う同校の事務局に多大な迷惑をかけていた。

それがついに完了!
即、事務局にメール添付送信。
原稿が終わりホッ。
怠け者の私は、こうした機会でもなければ永久に本を出せなかった。
周囲から強制され、なおかつ締め切りに追い立てられないと頑張れない。
我ながら情けない。

想像していたより大変だったのは、原稿のボリュームのせいだった。
共著にしばしば見られるが、1ページの文字数がかなり多く設定されていた。
通常の単行本の3分の1に相当すると、書き終えてから分かった。
私は70ページ分を受け持ったことになる。

初体験の共著に、競争心が猛烈に刺激された。
自分のなかに負けず嫌いなところがあると気づかされた。
他の先生の原稿は見られないものの、一番の出来になるように気合いを入れた(実際は不明。気持ちの問題)。
私に“共著”は合っている。

何よりもうれしいのは、このブログの記事が本に変わること。
書店に並ぶのは7月中旬、59歳の誕生日の前後だろうか(不確か)。
自分へのバースデープレゼントである。

もう一つ気づいたのは、このブログの記事で8冊分くらいの本を仕立てられることだ。
営業本2〜3冊、経営本、起業本、創造(企画)本、仕事本、学習(教育)本、講師本。
もっとも、だれかが私の尻をビシビシ引っぱたいてくれればの話だが…。



知人の福田剛大氏と先週、NPO法人営業実践大学の公開セミナーでお会いした。
“名刺”に特化した営業コンサルタント。
「原稿が終わりました。名刺本が7月か8月に出ます」。
声が弾んでいた。
彼にとり初の著作だ。
おめでとう!
一通り書き終えてから仕上がるまで長い月日がかかった。
出版社のOKが出たのだ。

氏を営業実践大学のゲストに招いたのはだいぶ前だ。
失礼ながら、こわごわ講義を行っていた。
これがきっかけになり営業雑誌で連載を行った。
それがきっかけになり営業本(名刺本)を出す。
私は感慨深いものがある。
次世代の営業講師や営業コンサルタントが育ってほしい。



やはり初の著作を出そうと頑張っている知人を励ましたくて電話をかけた。
直江津(新潟県上越市)の池田秀敏氏。
“図解”に特化した業務改革コンサルタント。
やはり営業実践大学のゲストに招いた。
さらに会報『月刊営業人(えいぎょうびと)』にボランティアで1年間計11回の大連載をやっていただいた。
毎号かなりのページ数だ。
文字数は単行本1冊分を優に超える。
それを仕上げ、出版社から刊行したいと奮闘している。

実は、4月下旬に直江津駅前のホテルセンチュリーイカヤで歓談の機会を持ったばかり。
ところが、電話の向こうの声が冴えない。
聞けば、退院したばかりという。
何と氏の実家がある上越市大島区(長野県寄り)の山合いに山菜採りに行き、マムシに咬まれて入院していた。
人が少ないところへ分け入った。
命に別条はなかったが、重症だった。
小さなお子さんがおり、奥さまは心配されたのでは…。

氏からゴールデンウィークに自生のウドが届けられた。
信じられないくらい立派だ。
早速炊き込みご飯などにしていただいたが、香りが素晴らしい。
過去にも2回いただき、そのたびに天然のうまさに感動してきた。
店頭で売られているものとまったく比べられない。

しかし、このウドは大島区で採ったものだった。
今回の件を知ってしまった以上、来年からは辞退したい。
早く元気になり、原稿へ向かってほしい。

私は半世紀近く前まで旧直江津市に住んでいたが、市内で山菜を採った記憶がない。
そうした場所がなく、「変だなぁ」と思っていた。
謎が解けた。
氏は旧大島村に足を運んでいたのだ。
ありがとう、わざわざ。

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ドラッカーの言葉が持つ真理と普遍性

私は以前、テレビ番組で知った。
「マネジメントの父」「現代社会の哲人」と呼ばれるピーター・ドラッカーの関連図書がブームになっていた。

火付け役は異色のビジネス書。
書名は、もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら。
恐ろしく長い。
ドラッカーの代表作『マネジメント』を平易に解説した入門書らしく、大ヒットを記録した。
高校の野球部の女子マネージャーがドラッカーの言葉と出合い、それを教えに弱小チームを甲子園へ導く青春小説。
ドラッカーの魅力をだれにも分かりやすく伝えた。
ビジネスパーソンはもとより主婦や学生など幅広い層に読まれている。

ところで、私は先日のブログから、職業人の学び方、仕事に関わる読書などについて述べている。
厳密なシリーズでないが、一連の記事である。
きょうは第5回。

⇒第1回/2010年5月10日「因果関係の追究…職能強化の基本」はこちら。

⇒第2回/2010年5月11日「著者と出版社のカモ…ご愁傷さま」はこちら。

⇒第3回/2010年5月12日「正しい読書法…本は読後勝負である」はこちら。

⇒第4回/2010年5月13日「知識の多寡で人の価値を判断する」はこちら。

以下に、「あなたはドラッカーから学んだか?」と題する記事を収める。
NPO法人営業実践大学が発行する『月刊営業人(えいぎょうびと)』2007年7月号の巻頭言2である。
その原稿に思い切って手を加えた。

◇◆◇

経営学者「ドラッカー」の著作はほとんどがベストセラーやロングセラーになっている(本人は社会生態学者と名乗る)。
世界中の経営者やエグゼクティブに愛読されてきた。
日本にも“信奉者”が少なくない。
学者の著作だから、読むには相当な理解力が必要だろう。
売れやすい本とは思えない。
にもかかわらずダイヤモンド社から刊行された単行本や選書だけで4百万部を超えるとか…。

私は不勉強だから一冊も読んでいない。
したがって、その思想・学説・人物に関して不明だ。
しかし、若い頃に頭と心に深く刻まれたドラッカーの言葉がある。
いつ頃か、何の雑誌か、まるで記憶にない。
うろ覚えなので不正確。
「企業の内部にはコストしかない。プロフィットはすべて企業の外部にある」。

ドラッカーに無知の私が一節を取りあげて言及するのは不適切かもしれない。
だが、今日に至るまでこの言葉を引きずっている。
実際、私の仕事と人生を変えた最大の教えである。

誤解が生じないように説明を補いたい。
この言葉が“気づき”のきっかけになったという意味である。
私はフリーランスのプランナーだったので、職場で上司や先輩などから教わる機会がなかった。
この言葉に照らして働き方や生き方を問い、考え、定め、律していった。
したがって、自分の解釈が妥当だと主張しているわけでない。

さて、私がこの言葉から学んだこと。
「自らは放っておけ。周りに尽くせ」。
自分や自社に向かう時間を減らし、周囲や世間、顧客に向かう時間を増やす。
とくに自らに関する堂々巡りの思考を排する。
例えば、仕事では顧客の繁栄や幸福を案じ、それを追い求めることに徹する。
私が講演などで強調する「顧客志向」とはこれ。

「得ることを考えるな。与えることを行え」。
私は昔、キャリアプランやライフプランなどをつくった。
が、まったくズレていた。
勉強でも仕事でも人生でも自分が得る目標を定め、得る計画を立てていた。
愚の骨頂。
個人も企業も周りに与える目標を定め、与える計画を立てればよい。
そしてひたすら行う。
人間社会ではどの道、得ようとしても得られない。
皆が得たいと望んでいるのだから。
得ようとして得られるなら、私たちはとっくに豊かさと幸せをつかんでいる。
自分や自社が周囲や世間、顧客に何を与えられるかを追い求めることに徹する。
私が講演などで強調する「価値提供」とはこれ。

「商談をやめよ。相談に乗れ」。
私は、顧客が欲する商品を売らない。顧客に役立つ商品を売っている。
販売や受注に興味がなく、貢献にしか関心がないのだ。
当然、顧客の要望やニーズをしばしば拒む。
自社の営業担当者の立場を離れ、顧客の購買コンサルタントの役割に徹する。
したがって、商談はやらない。相談に乗るだけだ。
それにより、大勢のなかの一業者と見なされず、かけがえのないパートナーと認められる。
営業活動の苦労が消える。

私が学んだことは際限がない。
こうした気づきの結果の一つが、1995年2月に立ちあげた「営業実践大学(後にNPO法人化)」である。
今日まで公開セミナーを継続してきた。
社長など経営層を含めた営業関係者の能力開発を通じて営業の地位向上に寄与したいとの一念だった。

私の憶測にすぎないが、この言葉は頑張っているのに恵まれない職業人、儲からない経営者に対するドラッカーの忠告でないのか。
「いい加減、目を覚ませ」。
何が凄いといって、先の短い言葉に包含された真理の大きさと深さ、そして普遍性だ。

著名な学者や経営者などの名言はすでに大勢に行き渡っている。
それを知っていても優位に立てるわけでない。
しかし、それに学べたならば豊かさや幸せに近づける。
自分の仕事や人生が一変するだろう。

私は、ドラッカーの一節と巡り合うことで百冊分は学んだ気がしている。
膨大に授かった。
運命が別物に…。
40歳からコンサルタントを目指したのも、私のどこかにドラッカーへの憧れがあったせいでないか。
そうした経験はなく、勝算はなかった…。

人は平坦な道ばかり歩めるわけでない。
わが身を顧みて、見晴らしのいい丘に立てたことはほとんどない。
たいていが谷伝いだった。
幾度かどん底を味わった。
とても苦しいとき、さらにひどくつらいときがあった。
働き方や生き方に揺れる私を支え、迷いを振り払う拠りどころとなったのが先の言葉である。

小銭を数えながら考えたことがある。
「かすみを食べて生きていけたらどんなにいいだろう」。
だが、現実には住む家、着る服、食べる物が必要になる。
これはどうにもならない。

結局、人は周りによってしか生かされない。
自分が苦しいとき、つらいときでさえ、周囲や世間、顧客の幸せと豊かさに尽くしていく気持ちを忘れないようにしたい。

それにしてもドラッカーの教えはがっかりするほどシンプルである。
だれも突けない核心をずばり突いているからだろう。
無限の知恵が込められており、それらは私たちの気づきをいまかいまかと待っているかのようだ。

あやふやな記憶に基づいて書き進めてきて、ふと思った。
先の言葉がドラッカーでないとしたら、私は大バカである。
あるいは、ドラッカーの一節に接し、勝手にそう受け取っただけかもしてない。
そのときはどうか笑ってください。
そして許してください。

「ドラッカー学会」が存在するらしい。
うかつなことを書くと、大目玉を食らいそうだ。

◇◆◇

なお、最初の原稿(ブログ)は以下のとおり。

⇒2007年6月11日「職業人生を変えたドラッカーの言葉」はこちら。

⇒2007年6月12日「あなたはドラッカーから学んだか?」はこちら。

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ゲゲゲの女房、小銭入れが空っぽの極貧

私はNHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が気になって仕方がない。
仕事に追われっ放しなので、時間をずらしたりチャンネルを変えたり、さらに週末の一括放送を織り交ぜながら、なるべく見逃さないようにしている。

番組で描かれているのは、私が35年近く前に経験した結婚生活に酷似していた。
村井茂(水木しげる)は生活を支えるために必死で働く。
貯金は1円もなし。
札入れは画面に登場しない。
頼みの小銭入れにもろくなカネが入っていない。
そういえば、空っぽのシーンがあった。
愕然とする村井布美枝…。
ゼロだと、妻はやり繰りしようがない。
口に入れるものを買えないわけで、どのように凌いだのか不思議である。

私との決定的な違いは、漫画家は連載やシリーズなどで仕事がそれなりに継続したことだ。
フリーランスは収入が保障されず、しかもわずかだ。
いくらか安定していたのが救いである。
ところが、プランナーの私は一本一本の勝負だった。
しかも、アイデアを売ること自体が社会的に認知されておらず、食べていけるはずがなかった。
嫌いでないが、好きでない。
ほかに自分がやれそうな仕事が見つからなかったのだ。

私は結婚当初は共働きだったので、小銭もない生活はなかったろう(不確か)。
それ以前の、長い同棲期間も含めて…。
ときどき二人で外食したくらいだ。
といっても近所…。

しかし、子どもが生まれてからは私一人の稼ぎになり、極貧状態に陥ったのでないか。
昨年、消えた年金を調べるうちに、この頃に国民年金が払われていないことを知った。
妻(前妻)が猶予申請を出していた。
払えればかならず払っている。

厳しい生活を強いられていたのは疑いようがないが、記憶がまるでない。
人は苦しいことを案外、忘れてしまう。
妻はときどき粉ミルクを使っていた。
一度、ミルク代がバカにならないと言ったことは覚えている。
このときは小さい粉ミルクを買ってきた。
やはりぎりぎりだった。

ゲゲゲの女房で描かれているのは、社会の底辺で懸命に生きる新婚まもない夫婦の姿だ。
が、二人に暗さはみじんもない。
仕事に精魂を込める夫と、それに敬意を払う妻の信頼のきずなが固いからだろう。
互いにプライドを忘れない。
人は覚悟を決められるなら困難を乗り越えていける。
また、日本は経済が右肩上がりで、国民が将来に希望を持っていたことも関係しているのでは…。
貧しさのなかにも明るさがあった。

私の新婚生活についても同じだ。
失うものがなく、前へ突き進むしかなかった。
何も考えず、何も案じず、ひたすら働いた。
つきあいと同棲が長く、私を理解していたこともあり、妻は腹が据わっていた。
何も嘆かず、何も騒がず、黙ってついてきた。

ささやかな幸福でおおいに満たされた時代である。

◇◆◇

ゲゲゲの女房に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。

⇒2010年5月19日「松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する」はこちら。

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旧来営業を全否定する…管理者養成講座

先週、九州生産性大学で2010年度の「提案営業マネージャー養成コース」が実質的なスタートを切った。
4月の開講式と12月の閉講式(修了式)を除けば、2日×7カ月の14日間。
営業分野の公開セミナーとしては、おそらく日本でもっとも本格的なカリキュラムでなかろうか。
自ら提案営業を実践しうるスペシャリストを育てつつ、職場で提案営業を指導しうるマネージャーを育てる。
上司が行えなくては部下を導けないはずだ。
私は、21世紀の営業管理者は「ソリューションマネジャー」でなくてならないと考えている。

この不況下、今年度も30名近くが受講する。
先週は第1回の2日間、提案営業の導入講座だった。
提案営業の基本もさることながら、営業のイロハを叩き込んだ。
なぜなら、営業ができない人は、提案営業はもっとできないからだ。
本コース初の試みとして、派遣元の責任者に同席してもらった。
社長を含めた経営層などだ。
受講を命じる幹部が講義の特色さえ分からないとまずかろうという判断である。
激しいショックを受けたようだ。

提案営業は、営業関係者だけで完結できない。
多くの部門を巻き込む。
その導入は「営業発の全社改革」を引き起こす。
また、そうならなくては提案営業のレベルに達していない。
御用聞き営業や推奨営業(モノ売り営業)に留まっている。
それで勝ち残れるはずがない。

何せ私が指導しているのが「真逆営業」である。
営業の考え方と進め方をこれまでと引っ繰り返す。
そう、正反対に変えるのだ。
旧来営業をつくったのが経営トップや営業幹部なので、彼らの全否定につながる。
講師に気迫が欠かせない。

にもかかわらず、私はひどい腰痛と背筋痛に苦しめられ、思うとおりに声を発せられない。
熱心な受講者からセミナーアンケートなどが寄せられており、あす以降、このブログで紹介したい。



私は今夜、麹町のSMBCコンサルティングで開催される「変革リーダーの条件 講演会」に立ち会う。
経営層を対象としたこのセミナーは、講師とテーマの選定を含め、私がNPO法人営業実践大学の活動の延長線でコーディネートを行っている。
講師の株式会社エムアイエス(MIS)代表取締役の三原淳氏は知人である。
私が暮らすすぐそば、横浜・港北ニュータウンの北山田駅前にオフィスを構えている。
三原淳氏はビジネスが多忙を極めており、久し振りの再会だ。
講義がとても楽しみ。

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松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する

NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が面白い。
世の中は戦後の高度成長に沸き立っていたが、貸本漫画は斜陽になっていた。
村井茂(水木しげる)は仕事に精を出すが、二人の生活はどん底であり、むしろ苦しくなる。
その日の食事に困ることも珍しくなかった。
私は前妻との結婚直後の生活を思い起こさずにいられない。

漫画家は収入の保障がまったくない。
その暮らし振りは、私が経験したフリーランスの駆け出し時代に近かった。
といっても、ゲゲゲの女房は私より15年程さかのぼるので、もっと貧しい。
茂は持ち家ながらマッチ箱のような2階建てで、廃屋状態。

私は借家。
国電三鷹駅から玉川上水沿いに徒歩10分少々の武蔵野市関前1丁目。
辺りは一戸建ての住宅街で、60歳くらいの夫婦が1階の半分を貸していた。
玄関は別。
かつて子ども世帯が住んでいたのだろうか。
古い家屋だった。
が、ボロボロではない。

大家と賃借人の居住スペースの中間に浴室が置かれており、それぞれの扉に引っかけるだけのカギがつけられていた。
風呂に入るときには相手のカギをかけ、出るときには外す。
お湯を替えることはなかった。
茂は、漫画家志望の男に押しかけられ、収入不足もいくらか補えることから間借りを許した。
やはり同じお湯を使った。
おおらかな時代だった…。

主役の松下奈緒は、「ウェルかめ」の倉科カナと対照的である。
眉間にできる長く深いシワが神経質そうだ。
同時に、意志と知性を感じさせる。
とにかく背が高い。
ゲゲゲの女房はそれに強いコンプレックスを持っていたらしい。

村井布美枝は見合いから5日後に結婚し、即上京して結婚生活を始めた。
交際のない男女がいきなり一つ屋根の下に暮らす。
相手のことを何も知らない。
ゆえに、他人行儀…。
そのぎこちなさと戸惑いを、松下奈緒は時代背景も踏まえながら好演している。
番組では二人の距離が少しずつ縮まり、ようやく夫婦らしくなってきたところ。

素敵な女優だ。

◇◆◇

ゲゲゲの女房に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。

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魚津の蜃気楼に壮大なロマンを感じる

魚津の蜃気楼が連日凄い。
大勢のカメラマンが海岸に押し寄せている。
地元の人だけでない。
海上に富山市の街並みがくっきりと映し出される。
その様子がNHKの昼の番組で大きく報道された。
実は、NHKの昨夜のニュースでも報道されていた。
テレビ画面を通しても素晴らしい眺めだ。

富山県魚津市は「蜃気楼(しんきろう)」で町興しを行っている。
市役所だろうか、蜃気楼を見た人に証明書を発行している。
また、蜃気楼が出た合図に花火を打ち上げている。
蜃気楼の発生は、桜の開花と異なり、予測が非常に困難なはず。
魚津市商工観光課では「蜃気楼情報」というサイトを開設している。
そして、「蜃気楼出現予測」として7日先までの確率を掲載している。
どれくらい的中するのか。

蜃気楼は、上暖下冷の空気層の間で光が屈折して私たちの目に届く現象なのだとか…。
実像が伸びたり反転したりする。
魚津では春から初夏、3月下旬から6月初旬に短いと数分、長いと数時間にわたり、海上に幻想的な姿が立ち上る。
しかし、魚津に蜃気楼が発生するメカニズムは完全に解明されたわけでないようだ。
私が昔たまたま読んだ井上靖の小説に、魚津の蜃気楼に触れた件(くだり)があったと記憶している。
壮大なロマンだ。

私は3週間前に富山市で社長など経営層向けの講演会を行い、帰路にJR魚津駅のホームに降り立った。
富山県立魚津高校の出身であり、同校に1年半ほど通った。
当時は国鉄魚津駅だった。
その私は蜃気楼を一度も目撃したことがない。
級友も知らないと言っていた。
当時はそれほど騒いでいなかったのでは?



このブログがアップする頃、私は都心で夜間セミナーの真っ最中。
お陰さまで大盛況。
社長スクールで「超ルーティンを後押しせよ」の講演を行う。
新規開拓・既存深耕の取り組みの活発化は、飽和市場での収益伸長に欠かせない。
それを、営業担当者をサポートする「ユニーク名刺」の観点から述べる。
超ルーティンにまつわる彼らのストレスを和らげてやるのだ。

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有言実行と退路遮断で人生を変える

私は仕事柄、経営者などと相対し、その凄さにうなることがある。
一代で会社を大きくした創業社長はとくにそうだ。
また、学ぶべき知人が周辺にいる。
彼らと大きな差をいくつか感じるが、その一つは自分の意志の弱さである。
いまではすっかり諦めている。

そんな私だから、これまでを振り返って「不言実行」はうまくいったためしがない。
やり遂げられなくても周りに分からないので呑気だ。
いつ頃からか「有言実行」を心がけるようになった。
ほとんどうまくいかなかったが、まれにやり遂げられた。

しかし、有言実行という気持ちでは自分の意志の弱さを克服できないと悟った。
そこで確実性を高めるため、後戻りできないように追い込むことにした。
何も考えずに「退路遮断」に踏み切る。

例えば、いまの仕事で食べていけるが、新しい仕事に就きたいとしよう。
かなり困難な挑戦である。
意志が強い人は食べながら、新しい仕事へシフトしていく。
だが、私は食べられると、新しい仕事へシフトできない。
自分の意志を貫けず、楽なほうに流されてしまう。

ところで、私は「変化」が億劫だ。
変わらずにやっていけるなら、変わりたくない。
変化は自己否定をともなうのでつらい。
が、人間の、そして生命の本質は保守だと思うので、変化を嫌う自分にコンプレックスは感じない。
だれしもそんなものだろう。
ところが、現実問題として変わらないとやっていけない。
あるいは、よりよい今後を楽しむには思い切って変わるしかない。
長い人生ではそんな局面に幾度か差しかかる。

私は40歳にセカンドキャリアに挑戦した。
プランナーから著者・講師・コンサルタントへの転職を目論んだのだ。
真っ先にやったのは、企画の仕事を断つことだった。
収入源を捨てたので、軌道に乗るまでの数年は大変だった。
どん底期は口に入れるものに困った。
私はいつのまにかチェンジコンサルティング一筋になっていた。
なかでも営業部門のテコ入れを足掛かりに組織全体の風土刷新を目指した。
「営業発の全社改革」。
その成果は業績の上昇に現れ、わくわくした。
決算書が劇的に変わったと、社長から喜ばれもした。

あれから20年、私は来年に還暦を迎える。
これを機にサードキャリアに挑戦する。
今年1年はその橋渡し期間と位置づけている。
恐らく職業人生のラストステージになるはず。
すでに最大の収入源である企業研修を絶った。
もう後戻りできない。
高齢期は悲惨か至福か…。

私は仕事に限らず、やっていけると何一つ変えられない。
意志が強かったなら、もっと違った領域や次元で人生を謳歌できたのでなかろうか。
さみしさが身にしみる。

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21世紀は覚悟の時代…変化への挑戦

土曜日の深夜にNHKで「ユニクロは世界で勝てるのか」が放送された。
ファーストリテイリングを率いる柳井正会長兼社長へのインタビュー番組である。
私は仕事に追われていたが、会話がところどころ耳に飛び込んできた。
そして、自分なりに確信を得られた。
「21世紀は覚悟の時代である」。
私が変革系・再建系のコンサルタントとしてまま感じ、講師として折に触れて述べてきたことだ。

国内市場で一人勝ち、カジュアル衣料のユニクロが海外への出店を加速させようとしている。
短期間かつ大規模。
さながら決戦!
それを象徴するのが社内向けのスローガン「民族大移動」。
世界へ果敢に打って出られない社員は去ってほしいとのメッセージだろう。
柳井正代表の凄まじい危機感、そしてとてつもない勇気が伝わってくる。
世界一を掲げて戦略を練り、即座に実行へ移す。

柳井正は異色の経営者とされるが、番組では至極もっともな発言が相次いだ。
経済のグローバル化が進んで市場に国境が消えた。
内需と外需を区別することは意味がない。
われわれの前に大きなチャンスが開けている。
日本が強みとする品質とサービスを武器にして欧米企業と戦う。

柳井正はユニクロを通じ、引きこもりがちな日本企業に対し、思い切った海外進出の先例を示そうとしているのか。
目指すところは無謀なほど高い。
元気を失ってしまったこの国の先行きを憂慮しているように思えてきた。

勝つ自信があるかとのインタビュアーの問いに、そういう問題でなく、飛び出さなければ生き残れないときっぱり退けた。
きわめて明快だ。
言い古された言葉ながら、ピンチはチャンス。



日本は人口が急速に減少し、市場が劇的に縮小していく。
少なくとも半世紀以上はそうした状態が続きそうだ。
従来の延長では、企業は経営がじり貧になり、個人は生活が落ち込んでいく。
が、私たちは恐ろしく変化を嫌う。
凋落が決定的だ。

もう一度言おう。
21世紀は覚悟の時代である。
すなわち、変化へ挑む覚悟を決める。
国全体がすでに崖っぷちに追い詰められている。
凶暴な意思と行動がかろうじて日本を元気にできるはずだ。

変わればうまくいくという保証はないけれど、変わらないかぎり生き残れない。
私はそう断言する。

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コンサルタントとペットセラピー

重い体を引きずりながら久し振りに自宅に戻ると、玄関までフウが出迎えてくれた。
妻の居住エリアにいたようだ。
自宅は2世帯住宅のマンションであり、玄関のなかに私の部屋につながる玄関の扉がある。

フウは普段、その部屋に暮らすアメリカンショートヘアのメスである。
かなりの高齢。
もともと食事が少量・高頻度であり、マイペースを貫ける環境を好む。
わが家にはやはりアメショーのチビ(オス)とキイ(メス)がおり、妻の居住エリアで暮らしている。
私がいないとき、フウはさみしいせいか、この部屋に居ながらも妻の居住エリアと行き来している。
そのたびに「扉を開けてくださ〜い」とばかり鳴く。
対応する妻が大変だ。

今回は長期出張だったので、フウはとりわけうれしそう。
私にくっついて部屋のなかに入ってきて、そばから離れようとしない。
長いシッポをびゅんびゅん振っている。
最小限の雑務を片付けようとしたら、机に乗っかってきてすりすりしたり寝っ転がったり…。
私がほどなく疲労で横たわると、フウも寄り添うようにして眠った。

アニマルセラピーやペットセラピーという言葉がある。
動物とふれあうことで人間はストレスが軽減するとか、精神的な健康が回復するようだ。
癒やし効果が治療の補助に用いられている。

私は変革系・再建系の講師・コンサルタントとして神経が張り詰めている。
フウに接すると、自分のこわばった心が和んでいくのを感じる。

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商売繁盛・人生好転…開運名刺セミナー

世の中にらくな仕事などない。
私はそうした認識を持っている。

それでも現在の講師の仕事に転じ、あまりの大変さに驚いた。
以前のプランナーの仕事は締め切りに追われっ放しで、ろくに睡眠も取れなかった。
限界に近い生活が果てしなく続き、心身が痛んでいた。
40歳を過ぎ、セカンドキャリアへの挑戦を誓い、教育機軸のコンサルタントの道を歩みはじめたが、いくらかでもらくな仕事に就きたいという気持ちもあった。
しかし、甘い期待は見事に吹き飛んだ。

私の場合は変革系・再建系の講師なので大変さに輪をかけた。
結果を出せない人ほど行動を変えたがらない。
それ以前に行動を避けたがる。
限られた日数や時間で参加者を動機づけるのは並大抵の苦労でない。
それには当然、意識改革や発想転換も促さなくてならない。
講師は精神的な負荷もさることながら、肉体的な負担がきわめて重い。
体力の消耗と酸素の欠乏で、講義の終了後は顔面が白くなる。

私はたいていホテルの自室に戻り、ベッドに倒れ込む。
少し間を置き、ぬるいシャワーで全身の汗と老廃物を流す。
ここでようやく一息つける。

私はゴールデンウィークの前の2週間と明けの今週、講演やセミナーなどでほとんど出張だった。
しかも、ゴールデンウィークは原稿の執筆と雑務の処理で1日も休めなかった。

いまはのぞみの車中。
1カ月ほど蓄積疲労に加え、激しい腰痛と背筋痛に苦しめられた。
いったいどれくらいバンテリンを使っただろう。
貼りつづけたせいで、あちこちにかぶれが出た。
間隔を開けずに使用するのは、肌に好ましくないようだ。
私はずっと腰痛緩和ベルトを巻いていたが、幸い講義中は外すことができた。
そして何とか乗り切れた。

出張から戻り、火曜日夜間に「商売繁盛・人生好転…開運名刺セミナー」を行う。
社員が売り上げを増やすとか社長が業績を伸ばすとかに留まらず、キャリアアップや起業を叶える名刺についての30分講演である。
初のテーマであり、少なくとも丸3日は準備に割きたいところだが、物理的に不可能だ。
また、起業本の原稿のデッドラインが迫っている。
私は正念場が続く…。

このところ気温が激しく変動している。
体がついていけないせいか、講演・セミナー会場で風邪を引いている方が少なくない。
お気をつけください。

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教えたら育たない…「教育」を解釈する

ビジネスセミナーでは主催者が参加者にアンケートを記入してもらっている。
内容と講師に対する評価を切り分けて設けるところもある。
それにより内容の有益度、講師の人気度をより明確につかむ。

私はきのう、こうしたセミナーアンケートの実態と絡めながら、講師は講義の内容と表現、中身と伝え方、この両方に並々ならぬ情熱と手間を注がなくてはプロとしてやっていけないと結論づけた。

さて、きょうは評価の対象となる「内容」と「講師」とは何かについて述べたい。
先に結論を示す。

内容とは、知識でなく「知恵」。
学校や図書から与えられた知識でなく、自分の経験を通じてつかみ取った知恵である。
私が講師を務める営業の分野はとくに…。
なお、知識系のセミナーが成立しやすいジャンルがないわけでない。
が、競争が激しいし、講師料も安い。

講師とは、教えるのでなく「考えさせる」。
教育は、教えて育てるという意味でなく、教えたら育たないという略字である。
教育は、学ぶ人に不親切でなくてならない。
自ら考えられる人をつくりたくなければ、どんどん教えるに限る。
講師は仕事を長く保てるメリットが大きい。

HRDや自前の施設を持つ大手企業のなかに、これに近い状態のところが少なくない。
あれだけ社員を研修漬けにして業績が悪いのは、教育を取り違えているからだろう。
私がコンサルタントとして多くの企業を訪れた経験では、知識が増えると行動が減りやすい。
皆が細かな理屈ばかり言い合い、果敢な挑戦を止めている。
ジリ貧から永久に抜け出せまい。

話を戻す。
要は、講師は自らの知恵を伝え、参加者に自らの行動を考えさせること。
よりより行動への気づき、もしくはそのきっかけを持ち帰らせるのが講師の使命であり、プロの条件である。

社内講師は別にし、教える講師は食べていけなくなる。
決まりきった知識の習得は本を用いるのが断然効率的である。
話を聞くスピードは、講師が話すスピードになる。
本を読むスピードは、その数倍である。
しかも、話は内容が消えていくが、本は内容が記されている。
セミナーに参加するには、本の20倍前後の受講料を払ったうえ、仕事を休まなくてならない。
年々世知辛くなるなか、派遣する企業も参加する個人もためらう気持ちが強く働こう。
さらにeラーニングの普及が追い討ちをかける。
何せ教えるのを得意とする。
フェイス・トゥ・フェイスの講義の価値は何かを考えなくてなるまい。

講師を目指す人はとにかく行動を重んじ、経験を積むのが先決だろう。

◇◆◇

「和田創 プロ講師養成塾」シリーズは以下のとおり。

⇒2010年5月11日「次世代が育たない…プロ講師養成塾」はこちら。

⇒2010年5月12日「セミナーアンケート…プロ講師の常識」はこちら。

⇒2010年5月13日「プロ講師の心得…講義の内容と表現の評価」はこちら。

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知識の多寡で人の価値を判断する

私は腰と背中の激痛に苦しんでいる。
日常の動作がままならない。
すべてが恐る恐る…。
ここまで悪化すると、ホテルの自室に呼ぶ指圧マッサージでは苦しみが和らがない。
むしろ症状を悪化させる可能性がある。
出張中とあっては医者にもかかれない。
ひたすら耐えるのみ。

いまのところ講師を務めているときは腰痛ベルトを外している。
おそらくきょうも…。
見た目が悪いのはともかく、参加者に申し訳ない。
が、あすはどうだろう。

実は昨晩、博多で新鮮な料理をいただくはずだった。
しかし、どうにもならず予約をキャンセルした。
私の頭の中にあるのは、1週間の出張を何とか乗り切ること。
主催者に迷惑をかけられない。

ところで、私は先日のブログから、職業人の学び方、仕事に関わる読書などについて述べている。
厳密なシリーズでないが、一連の記事である。
きょうは第4回。

⇒第1回/2010年5月10日「因果関係の追究…職能強化の基本」はこちら。

⇒第2回/2010年5月11日「著者と出版社のカモ…ご愁傷さま」はこちら。

⇒第3回/2010年5月12日「正しい読書法…本は読後勝負である」はこちら。

以下に、「それで本から学んだと言えるか」と題する記事を収める。
NPO法人営業実践大学が発行する『月刊営業人(えいぎょうびと)』2007年6月号の巻頭言3である。
その原稿にいくらか手を加えた。

◇◆◇

私は講演などで「本は読み終えてからが勝負となる」と述べている。
仕事に関わる読書においては、読むことで満たされると、学ぶことから遠ざかりやすい。
また、読むことで満たされると、やがて読むことが学ぶことだという勘違いが起こりかねない。

きのう述べたのは私の流儀なので置いておくとして、職業人生でいくらかでも成功をつかもうとする人が肝に銘じたい読書に関する時間配分がある。
メドは、「読む」に1、「考える」に2〜3、「行う」に3〜9。

行うにはいろいろ含まれるが、ここではその一つの「まとめる」に絞り、分かりやすい話をしよう。
一冊、本を読む。
そうしたら、そのテーマなり内容なりについて引きずりつづける。
そもそも読書のきっかけは問題意識だったはずで、それを簡単に手放してならない。
なぜなら、成長の芽なので…。
そして、じっくり考える。
そのうえで、やおらまとめる。

さて、それが自分の考えをきちんと表していたら、本から学んだことになる。
著者の知識をおおよそなぞっていたら、本から知ったことになる。
知ったと学んだは次元が異なり、知ったを学んだと思うのは致命傷である。
それは、本を読んでいるわりに血にも肉にもならず、職業人生があまり代わり映えのしない人の共通項だ。

念を押したい。
本は“読後勝負”である。
考えること、まとめる(行う)ことにエネルギーを注げ。

読む、考える、行う。
このうち、もっとも楽なのは読むである。
本に逃げない。

誤解が生じないよう、説明を補いたい。
私は何も本を読むことを否定しているわけでない。
大事なのは、本とどうつきあうかだと主張している。
本をせっかく読むのだから、本からよりよく学んでほしいと願う。

ところで、本から正しく学べない人が犯しがちな最大の過ちは、持っている知識の多寡で人の価値を判断することである。
それは、持っているモノの多寡で人の価値を判断することと変わりがない。
どうです、皆さんの周りにいませんか?
そうした人はもっとも下品な部類に属する。

◇◆◇

なお、最初の原稿(ブログ)は以下のとおり。

⇒2007年5月31日「それで本から学んだと言えるか」はこちら。

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プロ講師の心得…講義の内容と表現の評価

私はプロ講師の道を歩んで15年以上になる。
この間、参加者のセミナーに対する評価が年々厳しくなってきた。
私自身は大歓迎である。
かなりの金額を払い、貴重な時間を費やしているのだから当然だろう。

さて、セミナーアンケートについて、きのうに続いて述べたい。
おもだったビジネスセミナー会社は参加者の満足度を把握し、その講義の改善に役立てたり継続を判断したりする材料としている。
ついては、内容に対する評価と講師に対する評価を区別しているところがある。
より厳密に行うためだ。
しかし、参加者の側はなかなか切り分けが難しい。
講師の側もいま一つピンと来ない。

そこで、私は一応こう考えることにした。
前者がコンテンツを対象とし、後者がコミュニケーションを対象とする。
すなわち、講義の内容と表現。
中身と伝え方というふうに…。

大学の教授などに目立つが、中身に力を入れたとしても、伝え方に注意が回らない。
学生はケータイを覗いていたり眠っていたりする。
いくらかでも伝わってこその教育である

私は40年前に明治大学経営学部に入学した。
5年間で授業に出席したのは数えるほどだが、あまりのつまらなさに呆れ返った。
とにかく退屈…。
高校の授業の延長にすぎず、胸がまったくときめかなかった(これと中退は無関係)。

実は、ビジネスセミナーにおいて中身と伝え方は講義の両輪である。
これがうまく回ったとき、参加者から高い評価が得られる。
むしろ、中身に注ぐより大きなエネルギーを伝え方に注ぐくらいの気持ちでのぞまなくてはプロとしてやっていけない。

話せば分かると考えるのは素人の証拠。
ならば、社長と社員、上司と部下、夫と妻、親と子、恋人や友人同士の意思疎通に破綻は生じない。
伝えて伝わるのはまれであり、しかも一部に留まる。
この認識がプロ講師の出発点である。
そのため、インストラクションのあり方にさまざまな創意を加え、工夫を施すことになる。

参加者のなかには両方の評価をしっかりと下せる人もいる。
多くのセミナーを受けていたり、冷静な判断力を有していたり…。
が、それは少数であり、概して両者は影響しあう。

また、全体的な感想や意見は、とくに講師の評価に引っ張られやすい。
正確に述べるなら、講師の印象に引っ張られやすい。
要は、人間的な好き嫌い。
失礼な言い方になるが、参加者のレベルが低いほど、当人の感情にアンケートが左右される傾向が強くなる。

それゆえ、講師が手っ取り早くスコアを上げるには、参加者に好かれればよい。
しかし、後日述べるとおり、こうしたものに一喜一憂するようではプロになれない。
この仕事を見くびってもらっては困る。

余談だが、社内講師へのアンケート評価は当てにならない。
同じ会社で働く身内に対し、辛辣な感想や意見は差し控える。
彼らが上司になるかもしれず、人事部に配属されるかもしれない。
社内講師は大勢いるが、プロ講師に転じて成功する人はほとんどいない。
例外として活躍している人はたいてい伝え方がうまくて成功しているが、いまは中身にも掘り下げが求められるようになった。
単なる“教え上手”では食べていけなくなりつつある。

内容と表現がともに一定の水準に達し、初めてプロ講師として第一歩を踏み出せると心得よ。

高額のビジネスセミナーに関しては、一度で打ち切られる講師が大半である。
ほとんどが消える。
プロへの道は想像を絶するほど険しい。
私は若い世代に頑張ってほしい。

◇◆◇

「和田創 プロ講師養成塾」シリーズは以下のとおり。

⇒2010年5月11日「次世代が育たない…プロ講師養成塾」はこちら。

⇒2010年5月12日「セミナーアンケート…プロ講師の常識」はこちら。

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正しい読書法…本は読後勝負である

私は忙しさに流されやすい。
片づけなければならないことがいっぱいあるというのは満更でもない。
貧乏性なので暇だと寂しいのだ。
が、自分で決めたことをなかなかやり遂げられない。
例えば、本を書こうと思いながら十年以上が経ってしまった。
私の最新刊は2001年3月発行の『提案営業成功の極意』。
しかし、これは月刊誌で1998年2月から1999年1月まで連載した原稿を単行本にしたものだ。

忙しいの「忙」は、心が滅ぶと書く。
漢字はうまくできている。
私は意志が弱く、周りから急き立てられたり追い詰められたりしないと、なかなか本気になれない。

今年に入り、私が「営業学」を指導するSBI大学院大学(MBA)から要請を受け、本の原稿を書くことになった。
ただし、教員12名による共著。
夏に東洋経済新報社から刊行される。
こうした機会を与えられなかったら、私は永久に本を出せなかったのでないか。
しかも、テーマは初となる「起業」。

このブログの記事を再編集するだけなのに、思うように時間を取れず、かつ頭の整理が難しく、原稿が大幅に遅れている。
恐らく私一人。
締め切りは5月6日だった。

同校の事務局から進捗の厳しいチェックが入っている。
私は、鬼みたいな形相で尻を叩いてくれる人が好きだ。
お陰で原稿のゴールがぼんやりと見えてきた。

書店に並んだ本を手に取れば、じわっと感慨が湧いてきそう。
7月中旬?
となると、59歳の誕生日の前後。
自分へのバースデープレゼント。
それを楽しみに原稿に精を出している。

ところで、私は一昨日のブログから、職業人の学び方、仕事に関わる読書などについて述べている。
厳密なシリーズでないが、一連の記事である。
きょうは第3回。

⇒第1回/2010年5月10日「因果関係の追究…職能強化の基本」はこちら。

⇒第2回/2010年5月11日「著者と出版社のカモ…ご愁傷さま」はこちら。

以下に、「本は読み終えてからが勝負となる」と題する記事を収める。
NPO法人営業実践大学が発行する『月刊営業人(えいぎょうびと)』2007年6月号の巻頭言2である。
思い切って手を加え、新たな原稿とした。

◇◆◇

会社経営者、NPO法人理事長、講師、コンサルタントを兼ねる私は、人と接する機会がきわめて多い。
とりわけ公開セミナーでは休憩時間などに参加者から話しかけられる。
そのなかで感じる疑問の一つは、「本をたくさん読んでいながら、どうしてこの程度なのだろう」である。

本を読むと言うからには、学ぶ意欲はあるはずだ。
それでもたいしたことがないとしたら、本との接し方が間違っているとしか思えない。

1冊を読んで百冊分も学べる人がいる。
かたや、百冊を読んで1冊分も学べない人がいる。

両者の決定的な差はどこでつくのか。
それは「考える」要素をどれくらい大切にしているかだだろう。

当然だが、本は“読後勝負”である。
なぜなら、売れない本でも千人や2千人は読んでいる。
したがって、読むこと自体にたいした優位性はない。
本のテーマや内容についてどれくらい掘り下げて考えられるかが、身につくかどうかの分かれ道となる。

めったに本を読まない私に、絶対というこだわりがある。
それは本に関わる時間配分だ。
「読む」に1を要したら、「考える」に10をかけている。そして、その後に「行う」に 100を費やすように努めている。

私が数年間で読んだ本は1冊にすぎない。
「ベンチャー創設」をテーマとしたビジネス書である。
読後の「考える」そして「行う」に、先に述べた配分よりはるかに大きな時間を割いた。
気が遠くなるくらいだ。
その結果が、IPOを目指して設立されたベンチャーへの参画だった(結局、私の出番が回って来る前に会社が消滅した)。
もう一つは、私とIT企業が協力して立ち上げる営業支援ベンチャーの準備である。

私は他人の本を1冊読めば、例えば自分の本を1冊出すとか自分の会社を1社つくるとかする。
知ったのでなく学んだという以上は、それをかならず何らかのカタチで表現するように戒めている。

座右の銘は「一冊一行(いっさついっこう)」。
仕事に関わる読書の約束事である。
なぜなら、「行う」には「考える」しかない。

行動は成功や失敗といった成果に直結するため、頭を使う度合いが読書と桁違い。
例えば、他人の起業本を読んで自分の起業に挑もうとすれば猛烈に考える。
ときに死に物狂いで…。

結局、「本をどれくらい読んだか」でなく「本でどれくらい考えたか」により、読書を通じた学びの成果が決定づけられる。
前者では本が目的となっているのに対し、後者では本が手段となっている。
「月とすっぽん」とはこのこと。
本は読んだらお仕舞いだ。

本は、私たちが考え、そして行うための素材やきっかけを提供してくれるにすぎない。
行動を前提とした読書は学びが大きい。
加えて、行動を通じて学びが得られる。
「行動読書」はいいこと尽くめ。
ならば、それなりに豊かで幸せな職業人生を謳歌できるのでなかろうか。

私はまもなく起業本を出す。
数年前に読んだ「ベンチャー創設」をテーマとしたビジネス書を今日まで引きずっていたことになる。
読むに要した時間の数百倍は考えるにかけたご褒美だ。
この間、他人の知識が自分の気づきに変わった。
ゆえに、自分の著作。

なお、「自己投資」という都合のいい言葉がある。
読書は出費にすぎず、投資と呼べない。
行動に変換しないかぎり元手を回収できない。

世の中、学んだ気分に浸りたくて本を読む人が少なくない。
知るを学ぶという欺瞞。
が、本を読めば、本に飲まれる。
正しい読書法とは「読後法」である。
つまり、読書法でなく読後法が自己実現の決め手となる。

◇◆◇

なお、最初の原稿(ブログ)は以下のとおり。

⇒2007年5月30日「本は読み終えてからが勝負となる」はこちら。

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セミナーアンケート…プロ講師の常識

「和田創 プロ講師養成塾」シリーズ第2回。
私はNPO法人営業実践大学に多くのゲストを招へいしてきた。
そして、会員や参加者とともに彼らのセミナーを受講してきた。
百数十名に及ぶ。
営業を学びたい、営業を究めたいとの一念である。
ゲストには、講師(コンサルタント)として独り立ちしようとする人も含まれる。
また、経営者や管理者、トップセールスパーソンとして企業で働きながら講師を引き受ける人も含まれる。

生意気な言い方になるが、私が納得すると彼らをビジネスセミナー会社になるべく紹介している。
私自身が運営を委託されているセミナーもあり、そうしたケースでは彼らを講師として積極的に起用している。
NPO法人営業実践大学はある意味で講師の経験を積んでもらう機会なのだが、さらにその先の登竜門をくぐれるように支援している。
次世代のプロ講師が育ってほしいとの一念である。

ところが、そうしたセミナーでは講師は参加者からシビアな評価にさらされる。
プロを目指す人の行く手に立ちふさがる第一の関門がアンケートなのである。
経験の浅い講師はその結果を気にしすぎる。
あまりの厳しさにショックを受け、人前で話すことが怖くなってしまう。
アンケートはそれなりに尊重しなくてならないが、その性格を理解しておくことが大事になる。
評価に遠慮が加わる社内講師と異なり、プロ講師は言いたい放題の状態に置かれる。
参加者は手加減してくれない。
なお、NPO法人営業実践大学ではゲストにボランティアで講師をお願いしているため、評価は行っていない。
参加者の当日の反応や後日の反響から、私がおおよその感触をつかんでいる。

公開セミナーでは参加者の属性がまちまちだ。
属する業種、扱う商品、当人の地位・経験・能力が異なる。
当然ながら、参加者は絞り込まれない。
講演でも同様。
例えば、私が4月に行った大盛況の提案営業セミナーでは、1社が新人研修として、1社が管理者研修として、相当数の参加者をまとめて送り込んできた。
講師として感謝しつつ、どちらを意識して講義を進めてよいか分からなくなる。
そもそも全員に役立つセミナーはない。
参加者により受け止め方が違ってくる。
それ以前に、派遣者の意図がまちまちだ。

また、公開セミナーには目的や趣旨も分からない参加者が混ざる。
自らの意思でなく、社長や上司など会社の命令によりやって来たのだ。
が、肝心の派遣者がセミナーの目的や趣旨を分かっていない。
例えば、私はソリューション系の営業に関する専門家であり、パンフレットに謳っている。
にもかかわらず、対極のリレーション系の営業に携わる人が珍しくない。
講師として感謝しつつ、困惑を隠せない。
講義が役に立たないのはもちろんである。

さらに、企業が手に負えなくて送り込んでくる参加者も少なくない。
もともと見込みがないのだ。
猫の手も借りたい好況期の採用者にありがち。
講義についてこられず、役に立てようがない。
いずれの場合にもセミナーへの評価が低くなる。

講師は、こうした公開セミナーの実情を知っておきたい。
そのうえでのアンケートだから神経質になっていけない。
ときおり示される極端な感想や意見は無視して構わない。
アンケートでは平均スコアが重要であり、それは参加者のおおよその満足度を表す。
これが一定の水準に達するよう全力を傾けよ。

後日に述べるが、アンケート結果に過敏になると講師の仕事を誤解し、方向を外しかねない。
まれにクレーマーまで紛れ込むのが公開セミナー。

一部の辛辣な言葉に自信をなくし、気持ちが落ち込む…。
これでは入口でくじける。
元も子もないことを言えば、その程度でプロ講師を目指していけないのかもしれない。
講義に自信を持っていれば笑い飛ばせる。
高額の受講料を頂戴する以上、そのテーマに関して参加者の十倍、百倍考え抜くのは必須だろう。
セミナーの準備で地獄を見ないから、本番で地獄を見るのだ。
険しい講師道を歩んだものだけがプロ講師としてやっていける。

念を押そう。
アベレージを重視し、それを引き上げよ。

◇◆◇

「和田創 プロ講師養成塾」シリーズは以下のとおり。

⇒2010年5月11日「次世代が育たない…プロ講師養成塾」はこちら。

Copyright (c)2010 by Sou Wada

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著者と出版社のカモ…ご愁傷さま

このブログがアップする頃には、私はベッドに倒れ込んでいるかもしれない。
セミナー会場の天神ビルから宿泊先の西鉄グランドホテルまでほんの数分。
それとも終了後に参加者から質問攻めにされているか。
毎年、熱心な受講者が多い。
やり甲斐はあるが、その分、講師が使うエネルギーも大きくなる。
還暦を控えたわが身に堪える。

しかし、あすの夕食に新鮮な魚介を楽しめると思うと、いくらか元気が出てくる。
博多は和食に限らず、料理が概しておいしい。

以下に、「本は読むものでない」と題する記事を収める。
NPO法人営業実践大学が発行する『月刊営業人(えいぎょうびと)』2007年6月号の巻頭言1である。
その原稿にかなり手を加えた。

◇◆◇

私は「本」をほとんど読まない。
自分で本を出しておいて、読者からひんしゅくを買うかもしれないが、事実である。
本に頼らず、自力で考えることを断固優先させている。

これに関しては、きのうのブログで「因果関係の追究…職能強化の基本」として述べた。
職業人が学習を進めるうえで大切にすべきポイントだ。
むろん、私自身が長らく実践してきた。
第1は、自分から学ぶ。
行動した体験を分析するのだ。
第2は、他人から学ぶ。
遭遇した事例を分析するのだ。
これらで頭のなかがいつも一杯になる。
第3は、書籍から学ぶ。
こちらへ時間をなかなか割けないでいる。

もう一つ、本を読まないのは視力も原因である。
強い近視と乱視に40代から老眼が加わった。
さらに50歳頃から利き目の右がダメになった(やがて信号が見えにくくなりクルマの運転をやめたほどだ)。
いまや本を読み切ることが難しくなり、ここでムリをすると仕事に重大な支障を来たしてしまう(新聞はもっと厳しい)。

その私がまれに本を読むことがある。
もともと本が嫌いでないようだ。
目がつらいから、ともすれば拾い読みになる。
それでも本の難易度により3時間や5時間、10時間を要する(学生時代にふけったのは小説なので単純な比較はできないが、読む速度もいやになるくらい落ちた)。

私がもっとも大切にするのは、読む時間の少なくとも10倍は頭を巡らすことである。
本のテーマや内容について数十時間や百時間は考えつづける。
期間でいえば、数週や数カ月はうだうだ引きずる。
だいぶ前から数年に1冊になり、したがって1年を超えて引きずることも…。

この間、テーマや内容が過去を含めた自分の体験や他人の事例と激しく交わる。
やがて、プラマン(簡易万年筆)の書き込みで本文が見えなくなり、本は原形を留めなくなる(製本が読む仕様になっていて、使う仕様になっていないため、たいてい壊れてしまう)。

こうしたプロセスを経て、他人の知識が自分の気づきに変わってくる。
したがって、自分の考えとして原稿や講演に仕立てられる。
あるいは、行動に移して成果を刈り取れる。
これが投資を回収した状態である。

以前、営業講師の私に対し、「営業本をたくさん読んでいる」と言ってきた人がいた。
自分は頭が悪いと、わざわざ相手に明かす必要はない。
恥ずかしいから黙っていよう。
それと、特定の分野やテーマの本をたくさん読んだら、少なくとも1冊は自分の考えを著さないとねぇ。
私は3冊も読んだら、自分の本を1冊は書くなぁ。
そんなに読むことはないが…。

実は、テレビ番組や新聞記事などについても本と同様にうだうだ引きずる。
見る時間よりも考える時間のほうがはるかに長い。
テレビはながら視聴、新聞は眺める程度なので…。
私のブログが放送日や発行日からかなり遅れて取りあげる理由の一つ。

ところで、まれに本を読むと述べた。
誤りにつき、訂正したい。
私は本を読まない、本で考える。
絶対に崩さないルールだ。
私に本を読むという発想はまったくない。

本を読む人は学びが限られ、したがって本を出せない。
著者と出版社のいいお客さん(専門用語で「餌食」と呼ぶ)になってお仕舞い。
ご愁傷さま。

極論すれば、本の中身はどうでもよく、プラマンの書き込みが大事である。
自分のものである気づきだから、当然。
学びの鉄則だ。

◇◆◇

なお、最初の原稿(ブログ)は以下のとおり。

⇒2007年5月10日「本は読むものでない」はこちら。

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次世代が育たない…プロ講師養成塾

先ごろ「驚異的評価…社長・取締役辛口講演会」と題するブログをしたためた。
そうしたら、“講師稼業”についてもう少し述べてみたいという気持ちが湧いてきた。
そこで「和田創 プロ講師養成塾」と題し、数回に分けて記事を載せる。

⇒2010年4月23日「驚異的評価…社長・取締役辛口講演会」はこちら。

私は講師として、ビジネスセミナーを開催する都市銀行系列のシンクタンクの事務局と会話を交わす機会が多い。
しばしば聞かされるのが、「自分たちにも責任があるが、このところ講師がほとんど育っていない」。
まったく同感。
「このままではビジネスセミナーがダメになる」とも…。
状況は非常に深刻だ。
私のような還暦間近の人間が一番目立っているようでは先が思いやられる。

若い世代がベテランを退場に追い込む勢いがなくては、ビジネスセミナー市場はどんどん縮む。
不況やeラーニング台頭の影響があるにしろ、集客がどんどん落ち込んでいる。
こうしたセミナーは効用が認められ、長らく社会人教育に寄与してきた。
なかでも自前で外部講師を呼べない中堅・中小企業の社員研修の役割を担ってきた。
これが消えるなら、職業人のレベルはかならず低下する。
「企業は人なり」。
経済の衰退がさらに深刻になる。
私はビジネスセミナー市場を残したいと考える。

とくに気がかりなのは、名高い公開セミナーが務まる講師が底を突いていること。
高い金額を払っても聞いてみたいという講師が新たに出てこない。
それゆえ、高齢化が進み、古い顔ぶればかり。

私は職業人生が残りわずかになった。
もともとカネに淡泊であり、社会貢献が大好きだ。
1995年2月からNPO法人営業実践大学(発足時は異業種交流勉強会)を主宰している。
私自身が営業を学びたいとの思いが強く、トップセールスパーソンなどのゲストを招いて公開講座を行ってきた。
だが、これにはもう一つ生意気な意図がある。
次世代のコンサルタントと講師の養成につながれば…。
彼らにデビューもしくは活躍の場を与えたかったのだ。

来年3月にNPO法人営業実践大学は十余年に及ぶ活動に幕を下ろす。
情熱とカネをつぎ込んできたので、正直寂しい。
心にぽっかり穴が空いたよう…。

先に述べたとおり、講師がほとんど育っていない。
「プロ講師養成塾」をつくり、ビシビシ鍛えあげる。
教育者の端くれとして血が騒がないわけでない。

が、老いて、しかも貧乏暇なしの私にそうした余力は残されていない。



講師が育たない最大の理由は、当人の講師稼業に対する初歩的な誤解でなかろうか。
これについは後日に述べる。
基本を勘違いしているので参加者の支持が得られず、講師として食べていけない。
すると、講師のなり手が減っていく。
悪循環…。

こうした誤解と関連するが、自らの体験を通じて考えるのでなく、学校や図書を通して教わろうとする人が増えた。
教わった人は講師になれない。
考えた人しか講師になれない。
若い世代は行動を起こす前に知識を持ちたがる。
効率的かもしれないが、実際に苦しまないと自分のものにならない。
概して掘り下げが足りないのだ。

私は老化と蓄積疲労により体力が衰え、体調が悪くなって、丸1日タイプの企業研修と公開セミナーができなくなった。
新規顧客については丁重にお断りしている。
ただし、既存顧客から強い要請があり、後3年くらいは頑張らなければと思っている。
長年食べさせていただいたことへの感謝の気持ちだ。

私は、私を押しのける次世代の講師が登場するのを心待ちにしている。
既存顧客がその講師を認めてくれるなら、喜んで仕事を譲ろう。

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因果関係の追究…職能強化の基本

私は福岡・西鉄グランドホテルに宿泊。
地元の名門だ。
毎年10泊前後はお世話になっている。
建物は古いが、館内・室内ともに快適であり、心が休まる。

今年も九州生産性本部が主催する「提案営業セミナー」で講師を務める。
ありがたい。
が、私はすっかり老けてしまった。
自分の体調と体力と相談しながらの進行になる。

博多は食べ物がおいしい。
それも楽しみの一つ。
生まれ故郷・直江津を除き、私がもっとも好きな地方都市である。
頑張らなくては…。

以下に、「職業学習の順序と方法」と題する記事を収める。
NPO法人営業実践大学が発行する『月刊営業人(えいぎょうびと)』2007年5月号の巻頭言である。
その原稿に思い切って手を加えた。

◇◆◇

年金が破たんし、職業人生はどんどん長くなりそうだ。
その職業人生も波瀾万丈になりそうだ。
終身雇用が崩れ、安定など望むべくもない。
私たちは自己防衛のためにも職能の強化に励まなくてならない。

では、職業人としてどのように学ぶことがもっとも効果的だろう。
学ぶ順序と方法の基本があるに違いない。
私が大切にしてきたやり方を述べたい。
ことさら勉強の時間を設けなくて済むところが一番のミソ。
ならば、不断に学べ、不断に伸びられる。
きのうよりわずかでも高みにいられること請け合い。
その積み重ねに人生を託すのだ。
横着で楽観的な私にぴったりのやり方。

第1は「自分」から学ぶ。
基本は行動、そして内省。
挑んだ体験から学ぶ。
身近な機会でありながら圧倒的に貴重である。
何かを試みたら、なぜうまくいったのか、なぜうまくいかなかったのかを納得できるまで振り返る。
通勤や休憩、風呂やトイレ、ながら視聴や散歩など、くつろげる時間や場所で…。
大都会では通勤は地獄だが、頭を巡らすことはできる。
あっ、ベッドに入ったら忘れよう。

私は、学ぶ場合にこれが最上位に位置すると信じる。
学ぶうえでの最大の不幸は、自分の体験から多くを気づくことのできない自分にある。
勉強に熱心なわりに仕事で成果を出せない人の共通項といえる。

第2は「他人」から学ぶ。
基本は観察、ときに比較。
観察に質問を加えるとさらに効果的だ。
優れた人から学ぶ。
劣った人を反面教師にするやり方もないわけでない。
だが、能力が要るし、効率も悪い。
劣った人からは、優れた人との比較において学ぶのが正解だろう。

私たちは人と接した瞬間に感じることがある。
例えば、「自分より豊かそう」「自分より幸せそう」。
そう思うとき、その人は相当に“上”である。
だれしも年に数回くらいは、そうした人に出会う。
名刺を交わし、懐に飛び込んで、その働き方や生き方に触れてみる。
学ぶうえでの最大の障害は、他人の優れている点に気づくことのできない自分にある。
勉強に熱心なわりに仕事で成果を出せない人の共通項といえる。

以上、私にとっての学ぶ順序と方法の基本である。
自分と他人から生きるうえで、働くうえで必要なことをほとんど学んでしまうのは、それほど容易でない。
これを実行できる人は、職業人生で多少いい思いを味わえるのでないか。
なお、自分から学ぶにしろ他人から学ぶにしろ「因果関係」を突き止める。
結果をもたらす原因を探り出すことに集中するのだ。
原因とは、意識や意欲、態度や姿勢、行動や習慣、あるいは過程である。
そして、就寝前に大学ノートに走り書きしておく。
粘り強く続けるなら、ちょっとした文章くらいは書ける。
訓練を積んでいけば、自分の本も出せよう。

私は講演やセミナー、研修で講師を務めてきたが、語っている内容(コンテンツ)は大学ノートから引っ張っている。
昨今はブログに書き留めることが多いが…。
夏に出す本(共著)はブログの記事を編集したものだ。

念を押せば、因果関係への肉薄が最重要。
そのためには、とことん考えるしかない。
しかし、それはつらく孤独な行為である。
どうしても本へ走りたくなる。
考えることから逃げてならない。
自分や他人を教材に考えることは、出来合いの教材(本)で知ることと比べて十倍や百倍は大変であり、したがって血となり肉となる。

第1と第2で精一杯のはずだが、もしも時間が余ったなら…。
第3は「書籍」から学ぶ。
ただし、よほどつきあい方に気をつけないと、考える力は確実に衰える。
第1と第2はタダということもあり、こちらを優先させるのが賢明だろう。
書籍に使うカネは、なるべく人との交流に回すのがよい。
むろん、それには家族や友人も含まれる。

これまで述べてきた趣旨は、知識よりも知恵のほうを大切にしようということ。
知識は他人のもの、知恵は自分のもの。
両者は決定的に違う。
知識は所詮、一時預かりにすぎない。
その証拠に、知識で本を書くと著作権侵害に問われやすい。

◇◆◇

なお、最初の原稿(ブログ)は以下のとおり。

⇒2007年4月20日「講座/職業学習の順序と方法(1)」はこちら。

⇒2007年4月21日「講座/職業学習の順序と方法(2)」はこちら。

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削る睡眠時間がない…ギブアップ

夏に東洋経済新報社から刊行されるSBI大学院大学(MBA)の起業本。
学長を含む12名の教員が執筆する共著である。
「営業学」の講師の私もその一人。
かなりのページを割り当てられているのだが、原稿がまったく間に合わない。
筆が極端に遅いところに、仕事が重なっている。

きのうついにブログが途絶えた。
アップするつもりがギブアップ。
寝不足と疲労、腰痛でへろへろ。
きょうから1週間、九州へ出張。
荷物で、愛用のパスファインダートロリーがはちきれそう。

実は、来週挑戦する「名刺セミナー」のコンテンツもできていない。
初のテーマなので、入念な準備が欠かせない。
私は、移動時間もフルに使って仕事をこなす。
自分に課したブログの更新はストップしそう。
悔しい…。
いつも睡眠時間を削って書いているが、いまは削る睡眠時間がない。

また、「月刊トップセミナー(講演映像)」2010年5月号の収録も下旬にずれ込む。
多くの企業や職場で視聴されており、いくら無料とはいえ、まことに申し訳なく思う。
私は目が回りそうな状態が続く…。

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なお、ブログによりぎりぎりのジョーク、成人向けの内容が含まれます。
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和田創

和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。

その他の役職
面白くないジョークの会会長 

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