モノを買うときに、胸がときめくことがなくなった。
せいぜい自宅くらいか。
クルマに対してさえ、生活の道具以上の意味を見出せない人が増えた。新車のキズやヘコミは直さない。まして、日曜日に親子でうれしそうに洗車する光景は珍しい。
私は、横浜の港北ニュータウンに住んでいる。
この5年間ほどで急に姿を消したのは「シャコタン」。オプションパーツで着飾ったクルマも見かけない。
理由は簡単で、モノにカネをかける生き方は格好が悪いからである。若者は敏感だ。最近はクルマそのものに無関心というデータもある。
かつて、テレビや冷蔵庫、ステレオなどの家電製品の購入は、その家庭にとってエポックだった。
私が子どもの頃、近所の電気屋から白黒テレビが運び込まれたとき、家族が勢ぞろいして設置を見守った。
ところが、いまは個人が右手の人差し指で買う。ウェブで仕様と価格を比べ、カートに投げ込んで済ませる。
モノの購入は、イベントから作業になり、胸のときめきが失せた。
モノの所有に価値を見出せなくなりつつある。
…地元のセンター北からセンター南にかけ、大型のショッピングモールが続々と誕生しているが、廃墟と化すのにさほど時間はかかるまい。
私たちは未知の価値を探し求め、いったいどこへカネを使おうとしているのだろう。

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