先頃設立されたベンチャー「グリーンジャングル」の役員会の終了後…。
私はその場に残り、東大卒の20代のベンチャー経営者と雑談を交わした。和田創研が9月にスタートさせたジョイントベンチャーの相方でもある。
彼は、現役の理系の東大生を組織化し、IT関連の事業を運営している。
同時に、大学生の硬直した職業観を打破しようと、精力的に活動している。頭のよさに加え、志の高さが際立つ。
会社に勤めて職能の開発やキャリアの形成を図っていく道もある。
しかし、彼は後輩たちに「起業」による自己実現を目指すように勧めている。
職場次第だが、前者はひどく遠回りであり、そのうえ確実性が低い。
「まずは下積みから…」。
回転寿司が普及する前の、寿司職人の口ぐせがまかり通る。
いまや、スピードが命だ。そんな悠長なことを言っていたら、職業人生の日が暮れる。
結局、前者は運不運の世界に身を投じるのに等しい。
ちなみに、彼は大学院を出て著名企業に入り、4カ月後に辞している。
旧態依然の文化や風土に失望したためだ。
さて、彼の話に、私は衝撃を受けた。
東大生らが今年から来年にかけ、それぞれの会社をつくろうと動いているとのこと。
それも、やがて直面する“就活”を睨んで…。
確かに、起業は、1円の資本金でよい。
また、起業は、波乱万丈の職業人生を乗り切るうえで、きわめて貴重な教訓をもたらす。学ぶものの大きさと深さは、大学の授業の比でない。
そして、就職先は、この会社で推し進めた事業との関わりから絞り込む。
彼は力強く主張する。
「新卒は、自分がやってきた会社を買い取ってもらうかたちで就職しよう」。
業績で左右されるにしろ、それなりの“支度金”を手にすることになる。高額も夢でない。
また、入社後についてもプロジェクトチーム、新部門や新会社としての活動を認めさせ、リーダーに収まる。
交渉の成り行きでは、数人の仲間と一緒に飲み込んでもらう。
私はブログで、サラリーマンは働く部署と携わる仕事を、自分が主導権を持って指し示すべきだと述べた。
「会社に決めさせてはならない」。
だが、それを入社時に叶える新卒が現れはじめた!
となると、「他責」にする余地を絶つことになる。
職業人生で一番大事なのは、働く姿勢だから、これにより成功を半ばつかんだも同然である。
私は長らく、サラリーマンとは自分の会社をつくれない人が就く職業と思い込んでいたが、そうと言い切れないようだ。
もとより、経営にメドがついている場合には、好んで不自由な職場に身を置く必要はないから、そのまま社長業を続ける。
時代は変わり、学生は変わった。
とくに東大生が変わった。
…世の中に、有為の人材は決して多くない。
彼らが日本経済の活性化に寄与することは、権利でなく義務である。
そう、私は考える。
元気な学生たちが、働き方と生き方にまつわる固定観念や既成概念を叩き壊し、社会に風穴をこじ開けようとしている。
頼もしいではないか。

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