どのようにアイデアを発想すべきか?
「当該テーマに関わる通念や常識を疑ってかかれ」。
多くの本に書かれている発想のセオリーである。
つまり、既成概念に捉われるな、と。
その通りだが、私たちはそれでもなかなかアイデアを思いつかない。まして画期的なものは…。
では、どうすればよいか。
答は簡単―。
疑うのでなく、当該テーマに関わる事象や現実をことごとく否定してしまう。
そして、そのうえで考える。
そこから生み出されるアイデアは、前例のないものにならざるをえない。
ここが非常に重要なところ。
ただし、当該テーマに関して前例がないということ。世の中に前例がないことを考えるのは「発明」。
発想とは、すでに存在するアイデアの応用問題である。
例えば、組み合わせや横滑りだ。
                    ◇
ちなみに、私は、スタッフに当たり前だった企画力養成の研修を営業へ横滑りさせ、大きな評価と報酬を得た。
コンテンツを売るターゲットを変えただけの話。
同じ中身なのに、当時は「企画研修」が「提案営業研修」ともてはやされた。
マスコミの取材や寄稿依頼、顧客の注文をかなり受けたものである。
ミソは、対照的な分野・領域への横滑り―。
長らくもっとも無縁とされてきた営業に、私は「企画」を持ち込んだ。
講師として受講者へ「ソリューション」の必要性を力説しているが、企画では「課題解決」という考え方は基本中の基本。大昔からある。
                    ◇
…さて、アイデアの発想では、よさそうなことも悪そうなことも、いったんすべて捨てる。
いまあるモノやコトを片っ端から退けて行う。
これは、とりわけ商品や事業など、“開発系”の企画に有効である。
なかでも「起業」に打ってつけ!
「すでに世間にあるものと同じような会社をつくるのでは意味がない」。
私はそこまで言うつもりはないが、起業のワクワク感が小さいのは事実である。
どうせ大きなリスクを背負うわけだから、前例のないビジネスを展開したいではないか。
成功を収めれば、銀座のクラブで「自分が考えた」とホステスに威張れる(必須にあらず)。
…知恵比べの時代で、発想は最大の武器だ。
優れたアイデアは、それ自体に高額な値段がついたり、潤沢な資金が吸い寄せられたりする。
また、起業後は差別化の要因や競争優位の源泉となる。
ビジネスは、全否定からスタートするのが面白い。
面白いとは、むろん難しいということ。
それは起業のスピリットであり、起業家のプライドである。

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