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営業実践大学で原稿執筆やシステム関係のボランティアを引き受けてくださっている浅田哲臣さんからメールが寄せられた。
20代でIT企業の役員を務める。
彼は、考えることが好きで、四六時中頭を動かしている。
以下に紹介しよう。
                    ◇
ご無沙汰しております。
最近、和田先生がおっしゃっていた「気づき」の意味が少し分かったと感じる経験がありました。
本などを読んでいて、感じたことや分かったことが気づきと思っていましたが、どうやらそうではないようです。
気づきとは、表現の異なるいろいろな言葉が、私のなかで一つの意味としてつながって感じることだと思いました。
そして、それが自分の行動におのずと現れはじめる…。
それこそが、真に気づいた証なのではないでしょうか。
この経験に衝撃を受けたので、メールさせていただきました。
                    ◇
以上。
ありがとうございます。
今後とも営業実践大学の諸活動への協力をよろしくお願いします。

さて、ちょうどいいきっかけをいただいたので、私なりに「気づき」について考察してみたい。
…私たちは、何かを「分かった」と感じる瞬間がある。
しかし、その圧倒的大部分は「知った」に留まり、それが行われることはない。
例えば、大型書店ではいわゆる成功者が著したノウハウ本があふれている。
その内容が信頼に値するものだとして、読者がそのように行ったなら幸や富をつかんでいるはずだ。
こうした本を数冊読んだにもかかわらず成功していないとすれば、それはノウハウを知ったにすぎないからだ。
結局、それは知識、したがって投資(本代)が、自分を素通りしてしまったということ。
ゆえに、貧しいまま。
よっ、ご苦労さん!
あなたは、もっとも成功に遠い人である。
血にも肉にもならなかった…。
こうした読書を「自己投資」と呼ぶべきでない。
「自己満足」。
イッておしまいのオナニーと同じ。

何らかの知識を得たとき、それが自分の体験や他人の事例と深く交わり、しっかりと結びついた状態が、気づきである。
当然、自分の脳には、過去の事実に根差した「知恵」が蓄えられている。
気づきとは、知識という“異物”が進入した際に、知恵が一斉に取り囲み、やがて飲み込んでしまうこと。
そこでは、刺激へのアレルギー反応に似た、凄まじい「格闘」が繰り広げられる。
実際、本を嬉しそうに読む人がいる一方、苦しそうに読む人がいる。
前者は「親しむ」ので、趣味の癒しが得られる。
後者は「戦う」ので、苦行の喜びが得られる。
レビューは書けないが、成功を収めやすいのが後者だ。

話を戻そう。
したがって、気づきでは、新しい知恵の連鎖が生じ、それが引き金となって古い知恵の体系が再構築される。
「組み込み、完了!」。
そう、知恵の破壊と創造のダイナミズムにこそ、気づきの本質がある。
知識の受容でなく、知識との衝突。
陳腐で低位の知恵を叩きのめし、斬新で高度な知恵を生み出すという、脳のなかの戦いである。
現象としては、多用な表現がなされたバラバラの知識が、気づきを中心に1つの「認識」に収斂されよう。

知るは水平方向への拡散、気づくは垂直方向への深化…。
納得として、自分の腑に落ちた状態にほかならない。
その結果、摂取した知識が、行動や習慣につながる認識に変換される。
それは、学習というより習得、習得というより会得、会得というより「体得」に近い。

念を押したい。
分かったと気づいたとでは、大きく違う。
まして、知ったと気づいたとでは、まるで違う。
両者は、異次元!
「知識が人を変えるわけでない」。
人を変えるのは、気づきレベルに達した認識だけである。
知識でなく気づきが人間の行動を変える。
実際、私たちは知っていることだらけだ…。
知識が人生を幸せにするとか、職業人生を豊かにすることは、ほとんど期待できない。
それでは、本を読む冊数により、成功が決定づけられる。
だが、現実はそうなっていない。
知らないより知っていたほうがマシといった程度…。
とくに職業人生では、行動につながらない知識に価値はない。
なぜなら、仕事の成果はもっぱら行動によってもたらされるからである。

平たく言おう。
気づきとは、行動の知恵である。
なかでも行動へいざなう知恵、行動を引き起こす知恵…。
きょうのテーマに関して、土光敏夫の言葉が大きな示唆を与えてくれる。
「行動となって現れないような思考は無用であり、時には有害でさえある」。
まったく同感!
浅い知識をたくさん持ったところで不要な迷いを抱え込み、立ち往生するだけだ。

私は思う。
「千の知識より一の気づき」。
職業人生で成功したいと願う人は、読書にふけっている場合でない。

皆さまにお礼―。
ここ1週間ほど、和田創ブログが社長部門で、営業実践大学ブログ経営部門で、ランキングの1枚目にコンスタントに入ることができました。
30〜40位辺りで踏ん張っています。
読者もいくらか増えたようです。
まことにありがとうございます。
私はブログの執筆では全人格を投影したいと考えています。
小島よしおをネタにした他愛のないブログ、きょうの火の出るようなブログ、そして和田創教本和田創営業川柳…。
いずれも私そのものです。
ただし、クラブ通いはしていません。
これからも応援をよろしくお願いします。

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