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景気が回復局面を迎えた頃から注目を浴びるようになった概念に「ワーク・ライフ・バランス」がある。
そう、仕事と生活を両立させるという考え方。
男女平等の社会、共働きの時代で、これを大切にしない男はパートナーを得られない。
運よく見つけたとしても、結婚生活や家庭生活がすぐに破綻してしまう。

川柳20070117-02以前から、長期的な人手不足が指摘されてきた。
一段と出生率が低下し、労働人口が減少することに…。
企業経営に深刻なダメージを与えかねない。

そこで、トップはそうしたトレンドに応えようと、重い腰を上げはじめた。
要は、社員をなるべく早く退社させる。
ところが、職場の風土や空気がそれを許さない。
頭が凝り固まった管理者やベテランの存在である。
彼らは、長く働くことが頑張りの証と思い込む。
また、それは、部下や後輩の自分への忠誠心の現れと受け止める。
結果として、長く働く順にかわいがる。

営業実践大学に招いたゲストが、笑い話みたいな事実を明かしてくれた。
早々と帰る彼は、上司や同僚から白い目で見られた。
職場の規律と結束が乱れるとの理由で邪魔者として扱われ、ついに会社を追われた。
断トツのトップセールスパーソンなのに…。
周囲はつまらないことにこだわる前に、なぜ彼のやり方を取り入れようとしなかったのか。
とくに営業系では、「定時に帰るのは命がけ」という会社や職場が少なくない。
いつでも辞表を叩きつける覚悟がないと不可能。

最近になり、企業は制度そのものを、社員が早く退社せざるをえないように改めつつある。
例えば、人事考課では、成果から残業分を差し引く。
なるほど合理的だ。

しかし、私は能力のなさを労働時間の長さでカバーするタイプなので、非常に厳しい査定方法といえる。
これまでを振り返り、知的生産性の極端な低さが家族や知人とのふれあいの時間を失わせた主因だったろう。
また、私が社員なら、早く帰りにくい雰囲気をつくった張本人だったろう(実際は就職経験がない)。

ワーク・ライフ・バランス。
新聞などでこの文字を目にするたび、私は冷や汗が出る。

Copyright ©2008 by Sou Wada

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