人気ブログランキング←応援、よろしく!

先日、読売新聞を手にする機会があり、私はびっくりした。
本文の文字がバカでかい。
いまインターネットで調べたら、「メガ文字」

読売新聞に限らず、文字大型化はすでに何度か行われてきた。
今回は、高齢社会の本格化が最大の理由に挙げられている。
確かに、私は老眼と近眼、乱視が重なり、本文がかすんでしまう。
これを無理に読もうとすると、目と頭が痛くなる。
日常の接し方としては、見出しを拾うのがせいぜい。

しかし、従来の文字大型化との決定的な違いは、背景に急速な「新聞離れ」があることだろう。
部数が凄まじい勢いで減少しているのではないか。
インターネットが普及し、私たちはより速くより多くより手軽に情報を入手できるようになった。
しかも無料で…。
新聞社は、1文字の面積を何十パーセントか大きくしたというが、それは失った読者の割合だったりする。

この先、用紙価格は世界的な原材料需給の逼迫のなかで高騰する。
また、広告費用は多様なメディア間の争奪のなかで分散する。
現行の購読料ではやっていけない。

21世紀、環境が劇的に変化したにもかかわらず、なぜ本格的な「ウェブ新聞」が登場しないのか。
そもそも、私たちは新聞にしろ雑誌にしろ書籍にしろ、紙という器でなく、情報という中身を買ってきたのだ。
というと、当事者らは分かっていると笑うだろう。
しかし、それは違う。
真に気づいていたなら、とっくに変わっている。

商品の納入にともなう代金の請求など、経理の合理化に貢献してきた帳票メーカーがあった。
ところが、彼らは顧客が紙を買っていると誤解し、勘定奉行や大蔵大臣に市場を奪われた。
やっぱり分かっていない。
いち早くウェブ版を実現した新聞社が、次世代の勝者となることは明白だ。
まさか“横並び”を目論んでいるわけでは…。

私は思う。
長らく権力を握りつづけると、人も組織もかならず腐敗の道をたどる。
新聞社とて例外でない。
やることなすこと、すべてが自社都合で発想され、顧客志向がなおざりにされてきた。
読者不在!
最大の関心は、己の立場と権益の防衛。
社会的影響力をいかに保持するか。

もし、新聞販売店の経営を守るために、新聞社が紙にこだわるとしたら読者に背くことになる。
また、それでは「地球温暖化」という人類共通の課題に反することになる。
しかも、配達は自転車からバイクへ。

問われているのは、大げさに正義と知性を掲げてきた新聞社の、わずかばかりの良心と知恵にすぎない。
それとも、世の中の現象や動向を星の数ほど取材してきて、自分たちのビジネスモデル一つ創造できないというのか。
哀れ、マスコミ。

Copyright ©2008 by Sou Wada

人気ブログランキング←応援、よろしく!(1日1クリック)