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先進国と比べ、日本では「営業」の社会地位、さらに社内地位が非常に低い。
それが災いしているのか、「営業職」を希望する学生はきわめて少ない。
営業コンサルタントの私としてはさみしい限り。
また、己の力不足を痛感する。
私が理事長を務めるNPO法人営業実践大学を含め、和田創研は十余年いったい何をやっていたのだろう。

さて、問題の本質は、営業の仕事に対する世間の偏見にあるのでなく、当事者の誤解にある。
だから、厄介なのだ。
戦後長らく続いた売り手優位の市場環境下での営業思想を引きずり、その営業手法から抜け出すことができない。
「売る」のが目的というより、「売りつける」のが使命だと勘違いする人がいまだに大勢いる。
この仕事に価値と誇りを見出しにくくしている張本人は、残念ながら営業自身である。

そこで、こうした頑固な思い込みを根絶やしにすることが、営業の社会地位と社内地位を向上させ、ひいては若者の営業志願を増加させる出発点となる。
実は、私が提案営業研修で最重視してきたのは、当事者に営業の仕事を正しく理解してもらうことだった。
それなしに世間の間違った認識を改められるはずがない。
気の遠くなる戦い…。

                      ◇

とはいえ、営業職を希望する学生が皆無というわけでない。
そこで、からの提案―。
「大学は営業を教えよ」。
経営学部などの授業に「営業」を組み込むべきである。
それも営業を狭い概念に閉じ込めるのでなく、学生が実社会へ出てから活路を切り開く基礎的な行為と位置づけて…。

実際、職業人生とは自分という商品の営業活動の歴史であり、その結果にほかならない。
就職や転職、昇進や昇給、独立や起業など、私たちのステップアップの局面で深く関わる。
私は、営業力の有無が当人の成功をもっとも左右するのではないかと考えている。
燃えるような向上意欲や自己実現欲求を持つ学生にはどうしても身につけておいてほしい。
また、それはビジネスがグローバル化するなかで、日本の経済と企業が勝ち抜いていくうえで不可欠のインフラになると思うのだが…。

大学で「営業」が正規の課程として認められ、4単位が与えられるのはいつの日か。
なお、起業家育成の最高峰機関「SBI大学院大学」では一足早く採用されている。
実学を重んじるMBAならでは。

Copyright ©2008 by Sou Wada

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