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景気が明らかな回復局面に入った数年前から「人手不足」が取り沙汰されてきた。
その懸念が的中し、企業は労働力の確保に苦戦を強いられている。
とくに中小企業や零細企業は深刻で、新卒はもちろん、中途もなかなか採用できない。
昨秋から景気に減速傾向が見られるが、現時点ではそうした状況に変化は現れていない。

ところで、日本はまもなく総人口が激しく減少しはじめる。
当然、生産年齢人口も著しく減少する。
これは事実だ。
有名なシンクタンクや経済評論家が長期にわたる人手不足を予測している。
それを前提にして私はこのブログを書いたり、営業に関する講演などで述べたりしているが、実は半信半疑である。
先読みする力がなく、ほんとうのところが分からないのだ。
申し訳ない。

日本が不景気になれば、労働市場は需給関係が一変する可能性はないのだろうか。
求職が求人を上回る。
1990年代後半から21世紀初頭のように、新卒も中途も仕事を見つけられない状態…。
当時は有効求人倍率が非常に低く、世の中に失業者があふれていた。

現象面では確かに人手不足である。
それを切り取るマスコミ報道が一層のリアリティを与える。
面接の場では、あなたが欲しいと訴え、気持ちは分かったとかわす光景が繰り返されている。
だが、私にはそうした状態がいつまでも続くと思えない。
雇う側も雇われる側も頭を冷やし、心を静めて考える必要がある。

最近の雇用環境の狂乱に覆われ、問題の本質が見えにくくなっている。
企業は人手をかき集めてどうするのか。それでこの先、勝っていけると踏んでいるのか。
個人は人手に甘んじていてよいのか。それでこの先、やっていけると踏んでいるのか。
双方とも刹那的な反応に留まり、将来を見据える戦略的な視点を欠いている。
あまり人手、人手と空騒ぎしないこと。

足らないのは人材。
憂慮すべきは、人手不足でなく人材不足である。
とくに知識社会での競争優位の源泉となるクリエイティブクラスが乏しい。
すなわち、「人財不足」。
人手は利益を縮ませ、人材は利益を伸ばす。

先行きに対する楽観的な見方があることも事実だが、いつ奈落の底に突き落とされるとも限らない。
私たちは労働市場の活況に踊らされることなく、問題の本質に思いを馳せるべきである。

そして、この人材不足はすでに日本の衰退を招いている。
続きは、あすのブログで…。

Copyright ©2008 by Sou Wada

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