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何を好き好んで借金まみれの大阪府へ乗り込んだのか。
テレビ番組に出演する人気弁護士として、この先悠々と食べていけるだろうに…。
その人は、橋下徹大阪府知事
若干38歳、政治と行政の未経験者が地方自治体の再建という、もっとも損な役回りを買って出た。
財政は火の車!
だが、危機感を共有すべく、定時前に朝礼をやろうとするだけで天地がひっくり返るほどの大騒ぎになる職場である。

テレビで顔と名前が売れると、政界へ転身するタレントが少なくない。
その多くは、政党が選挙事情で担ぎ出したわけだが、当人に出馬意向がなければ話はまとまらない。
こうして多くの国会議員、とりわけ参議院議員が生まれた。
しかし、橋下徹はあえて地方自治体の長に就いた。
国会議員に収まって政治をかじるのと、行政に携わるのでは負担の重さが別物である。
職員に命令や指示を与え、結果責任を一身に負わなくてはならない。

先だっての報道番組で、橋下徹知事が府内の市町村長から「壊すだけならだれでもできる」と罵られていた。
これは、うそ。
ならば、ここまで財政を悪化させることはなかった。
破綻しかかっている親に対し、子がいままでどおりの仕送りを求めるようでは先が思いやられる。
赤字の垂れ流しに神経がマヒした状態…。

私は思う。
長年のツケが回り、瀕死の重症に陥る大阪府。
このどうにもならない状態を壊せたら十分でないか。
「どげんかせんといかん」
停滞を打破すればいい宮崎県とは、置かれた状況の厳しさがまったく違う。
橋下徹知事が単なる壊し屋かどうか、現時点では分からない。
しかし、非常事態ではそれにも意味がある。
次に知事に就任する政治と行政のプロは、ずいぶんと仕事がやりやすくなろう。

悪しき慣習や利権を突き崩せるのは、しがらみのないタレント政治家だからこそ。
過去を引きずる知事では、倒産寸前の大阪府を救うことはできない。
とくに財政の建て直しでは、真っ先に出血を止めなければならない。
民間のように比較的短期間で入りを増やせない以上、出を抑えるしかない。
カルロス・ゴーンを例に引くまでもなく、心を鬼にして“削る”のが手筋である。
およそ再建役は周りから恨まれるだけなので、賢い人は引き受けない。
橋下徹は府知事の仕事を甘く見たのか、それとも大阪府に炎のような愛情を持っているのか。

大阪府議会大阪府庁では四面楚歌だから、彼はマスコミと大阪府民を味方につけて戦うほかに勝ち目がない。
改革の推進には、ときにタレントの強みを生かした効果的なパフォーマンスが求められる。
人気という得体の知れないものを失ったとき、タレント政治家はやっていけない。
橋下徹の出馬が無謀か蛮勇か、一定の評価が下されるまで時間はかかるまい。
それが世論。
若さと情熱を前面に押し出し、どうか大阪府の再生を図ってほしい(泣くのはやめてね)。

私が以前、研修で訪れたとき、タクシーの運転者が「大阪はただの地方都市になってしまった」と吐き捨てた言葉が、いまだに耳の奥に残っている。
頑張れ、大阪!

おっと、私の地元は大丈夫だろうか?

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