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近い将来、本は自費出版へ。
4日のNHK「クローズアップ現代」によれば、ひどい出版不況らしい。
出版社の倒産が急増しているのだ。
今年初め「声に出して読みたい日本語」などのベストセラーで知られる草思社が経営破綻に追い込まれた。

書籍の購買行動に劇的な変化が起こっている。
読者が手に取って選ぶのでなく、ランキングに従って買う。
その結果、上位本に売れ行きが集中し、ランキングに入らない本は即座に返品される。
書店に並ぶ日数はごくわずか。
出版社は新刊勝負となり、出版点数を増やさざるをえない。
いまや1日当たり 220点、本の寿命が短くなる。
当然、著者も苦しくなる。

私は久し振りに著書を出そうとしたが、仕事に追われて執筆が止まったまま…。
それもこれも1冊分の原稿を仕上げるのに膨大な日数がかかるためである。
ビジネス書については、本職の合い間に手がける人が大半だろう。
もともと印税は微々たるもので、当てにしていない。
とはいえ、販売不振がさらに進むと、筆が遅い人は本を諦めることになる。
例えば、正味6カ月を費やし、数十万円しか得られないのだから…。
アルバイトの時給の半分に達しない。

今後、よほどの著名人でないと、本を出せないのでないか。
あるいは、執筆を本職とするプロの著者。
となると、私も本を出せない。
カネを払ってでもという人が自費出版に踏み切る。

知人が苦心の原稿を出版社に順番に持ち込んだところ、それぞれが何らかの条件をつけてきた。
内容は市販本のレベルに達しているとの判断である。
しかし、本が売れないので、著者もリスクを負ってほしいということ。
出版社の経営はそこまで追い詰められている。

「売れ行きに従えば、それほど間違いはなかろう」。
商品購入時のランキング依存は、モノ(ハード)から情報(ソフト)に及んだ。
それは思考停止の追従消費である。

Copyright ©2008 by Sou Wada

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