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私は先週、都心の都市ホテルに泊まった。
部屋のテーブルの上に「日経ビジネス」の最新号が置かれていた。
定宿だが、そうしたことは過去になかった。
書籍に限らず、雑誌も部数減少に苦しんでいるようだ。
いわゆるサンプリング。
出版社は現物を手に取らせ、定期購読につなげる。
客室稼働率低下に悩む都市ホテルはCS向上につなげる。
両者の思惑が一致した結果である。

しかし、肝心のエグゼクティブはノートパソコンをインターネットにつなぐくせに、雑誌はめくろうともしない。
なぜなら、情報は雑誌では一方的に与えられるのに対し、インターネットでは主体的に得られる。
決定的な違い!

編集者が差し出す情報はまとまりがよく、信用度も高いかもしれない。
だが、私たちは自分がほしい情報がほしい。
この価値こそ、知識社会の住人が最重視するものだ。
しかも、雑誌の所有は有料だが、インターネットの利用は無料である。
さらに、利用は資源を消費せず、スペースを占有しない。
雑誌の劣勢は否めない。

勝ち組の日経グループでさえ、経営にそれほど余裕はない。
1名の読者を獲得するため、これまでのように膨大なコストをかけて広告やダイレクトメールを打つことができない。

業界は出版不況を声高に叫ぶが、それは始まったばかり。
従来のビジネスモデルにしがみつくのでは、よくなる要素が一つもない。
底なし沼と知るべし。

Copyright ©2008 by Sou Wada

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