世界的な景気後退による外需不振…。
長期的な人口減少による内需縮小…。
この2点から容易に推察されるのは、日本の経済がダウントレンドに突入するということ。

とりわけ深刻なのは疲弊と衰弱が進む地方。
県や商工会議所、商工会の職員が懸命に地場企業の支援を行っている。
しかし、取り組みの中身は「改善」が中心。
これでは時代の変化にまったく追いつけない。
つぶれるところがどんどん出てこよう。
何せ環境は刻々と変わり、日増しに険しくなっている。

以前、地元の名門企業の倒産を他人事みたいに語った職員がいたが、あなたが指導してきたのでは?
長らく改善に努めた結果が、今日の惨状である。
たいした成果は上がっていない。

それにしても…。
日本人はどうしてこんなに“改善好き”なのか。
紅白饅頭をありがたがるみたいに…。
これからは間違い。
改善がきわめて有効なのは、次の2つ。

1.右肩上がりの時代。
アップトレンドの経済をベースに、改善による収益伸長や企業成長を上乗せできた。
いまは違う。
私たちが立つ地盤そのものが急速に沈み込んでいる。
改善ではそれをカバーしきれない。
うまくいって維持止まり。

2.ハイレベルの企業。
要は、かなりの水準に達した勝ち組。
築きあげた優位性をベースに、改善によるブラッシュアップをかけられる。
例えば、トヨタ自動車
代名詞の「KAIZEN」は日本のみならず世界で有名。
だが、そのトヨタ自動車でさえ奥田碩は大ナタを振るった。
変革が不可欠との決断が低迷から甦らせた。
あるいは、CS日本一を極めたオリエンタルランド
改善の達人であり、サービスなどの完成度はピカイチ。
ここも果敢な事業展開を行うなど、守りより攻めの姿勢が目立つようになった。

会社の繁栄や社員の幸福を心から願う社長にとり必要なのは、死に体の経営や事業の再生の取り組み。
それは「再び生まれる」、したがって「生まれ変わる」ということであり、改善と別物。
本質は「革命」。

私は営業活動などを通じ、さまざまな企業の内情を垣間見てきた。
凋落する名門も少なくない。
そして、こうした結論を得た。
改善とは、思い切って変われない企業の言い訳であり、慰みにすぎない。
それはときに低迷どころか衰退をもたらす。

                       ◇

私は社長セミナーで「改善はもうやめよ」と力を込めている。
すると、決まって愚問が飛んでくる。
「和田さん、改善してはいけないのか」。
改善するに決まっている。

まったく。
少しは自分の頭で考えなさい。
あなた、会社を潰すよ。

続きはあすのブログで…。

                       ◇

ところで、11月11日(火)の午後6時50分より交通の要所、地下鉄神保町駅至近のジェイックにてNPO法人営業実践大学の公開講座を行う。
今回は「第150回 記念大会」として実施する。
1並びで縁起がいい。

社長スクールで講演を行う。
演題は、「閉塞感を打ち破れ! トップの企画力」
世界的な金融危機の影響により、多くの企業が厳しい経営を強いられている。
今年に入り、破綻件数も急増している。
社長と幹部は会社と社員を守り抜かなければならない。

業績下落、先行き不透明の環境下において、トップが行うべき「企画」とは何か、私が縦横に語る。
再生のヒントが得られよう。
悩める社長にお奨め。


どうか皆さまお誘い合わせのうえ、奮ってご参加ください。
会員資格をお持ちでない方もOKの夜間セミナーです。

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