和田創研は「提案営業研修」を引き受ける際、経営トップに冒頭の挨拶をお願いしている。
原則は社長。もしくは専務、常務などの取締役。
さらに、経営トップに第1回2日間(導入講座)を一緒に受講していただく。これは企業規模を問わない。
提案営業の学習に留まらず、この研修を契機として「営業発の全社改革」を引き起こし、それにより生き残りでなく勝ち残りを目指す以上、当然だろう。
私どもの最大の特徴は、経営トップがかならず受講する営業研修ということ。

実際、研修会場には営業管理者と営業担当者はもとより、営業アシスタントや営業支援スタッフが集まる。
さらに、営業と関わりのあるサービススタッフや技術スタッフ、マーケティングスタッフに加え、研究・開発スタッフ、工場など生産・製造スタッフの主要メンバーが揃う。
経営トップを含め、すべての営業関係者が第1回2日間(導入講座)に集結する。
大手企業では、これを何回かに分けて実施することになる。
ちなみに、一会場での最多受講者は千百名。小さめのコンサートホール。このときは壮観だった。
数百名はざら。
また、十年以上前、いまは勝ちっ放しの海外企業からグループ十五万人を対象とした提案営業研修の依頼が舞い込んだ。
野球場か広大なイベントホールを手当てし、数回から十数回に分けて実施したいとのこと。
私は日本語しか話せないので、むろん通訳がつく。
当時はスケジュールが1年以上先まで埋まっており、実現しなかった。それとヒコーキが…。
話が横道にそれた。本題に戻そう。

いわば社運を賭けた研修なのだから、経営トップに所信を述べてもらわなくてはならない。
まもなく1部上場企業で提案営業研修を行うが、開発・技術・製造スタッフに受講者を限っている。
今後の成長持続を目指し、営業部門が死に物狂いで取り組む「営業変革」について、社長が社内に共通認識を形成したいと考えた結果だ。
先行して営業は受講している。
全役員、全社員のベクトルを主役である「顧客」にぴたっと合わせる機会。

さて、先日の社長挨拶で私が予期しない衝撃的な言葉が飛び出した。
「この研修の終了後に思い切ったリストラを行います」。
華やいでいた会場が一瞬にして凍りついた。
私もドキッ!
つまり、研修の成果が認められない人は会社を辞めてもらうという内容。
言い換えれば、これまでの営業スタイルを変えられない人は職場を去りなさい。
リストラ予告。
すでに企業はここまで追い詰められているのだ。
今回の不況は始まったばかり。実体経済はとことん悪化するのだろうか。

…私は後味の悪い出来事を思い出した。
バブル後のどん底期、外資系企業で提案営業研修を行った。
終了後、経営トップが受講者の提案書に目を通し、出来の悪い人を解雇した。
全体の3分の1。
私がこの件を知ったのは、ずっと後日。
いまでも心が痛む。

Copyright ©2008 by Sou Wada

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