や取締役、営業幹部などの「個別経営相談」に応じる機会が増えている。
むろんボランティア、無料。
1社ずつ1〜2時間じっくりと面談するスタイル。
テーマは、不況期の営業のテコ入れ

さて、名刺交換の段階で、経営が切羽詰まっていることが伝わってくる。
今回の景気後退があまりにも急激だったので、何ら手立てを講じられなかったようだ。
皆一様に呆然としている。
かなり深刻なところが多く、なかには「営業再建屋」より弁護士に相談したほうがよいケースも…。

私は個別経営相談では彼らの生き残りを願って真剣にアドバイスを与えているが、その場で問題が解決するなら業績不振に陥るなどありえない。
自社の商品を磨くのに長い歳月を要したように、自社の営業を強くするにはそれなりの日数がかかる。
「売上=商品力(売りモノ)×営業力(売り方・売り手)」なのだから。
経営トップは両者に同等のエネルギーを割いて当たり前。

個別経営相談に応じての私の率直な感想―。
それにしても、なぜこれまでもう少し営業に愛情を注ぎ、彼らに教育を施さなかったのだろう。
飽和市場で顧客開発や収益向上を図るうえで絶対に知っておかなければならない基本中の基本さえ分かっていない。
失礼ながら「無知」という表現がぴったり。
昨今の市場環境の厳しさを考えると、営業と呼べるレベルに達していない。

2003年〜2007年。5年近くの好況期に経営トップが浮かれ、自社の業績の検証を怠ったとしか思えない。
“追い風”のせいで売れているにすぎないという簡単なことにどうして気づかなかったのか。
この時期はよくて当たり前。
営業力で売ったわけでも何でもない。
これでは一たび景気が悪くなり、顧客の引き合いが減ると経営が回っていかない。
社員をリストラで放り出すか、自社をどこかに買ってもらうか…。

とくに深刻なのが首都圏の外縁部の地場企業、それも製造業である。
栃木県や茨城県、群馬県、山梨県といった辺り。千葉県や埼玉県も然り。
バブル後のどん底期を何とか持ち堪えたメーカーが、どうにもならない販売不振、受注低下に陥っている。
となると、生産ラインへの人材派遣業も真っ逆さま。

ところで、私は個別経営相談に乗り、名古屋での数年来のトップセミナー提案営業セミナーを思い出した。
営業強化の必要性、そして重要性を懸命に訴える私に対し、休憩時間でくつろぐ彼らは「トヨタの進出先についていくだけで大きな売り上げが落ちてきますから…」。
しかも、そう語るのが驚くなかれ、営業役員や営業管理者、営業担当者である。
これは営業の自己否定だが、それすら気づかない。
結局、彼らの言葉を私なりに翻訳すると、こういうこと。
「トヨタに命を預ける」。

トヨタが苦しむいま、トヨタに命を預けた太っ腹の部品メーカーや素材メーカー、人材派遣会社が立ち行かなくなりつつある。

Copyright ©2008 by Sou Wada

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