バブル後のどん底期でさえ、新規分野を中心にどこかしら好調な業種があった。
あるいは輸出で健闘した業種や企業があった。
今回の不況の際立った特徴は、全業種・全企業が土砂降りということ。
57歳の私が記憶する範囲で、もっとも景気が悪い。
しかも恐らく入口にすぎない。本番は年明け、そして年度明け。
いったいどこまで落ち込むのか、底がまったく見えない怖さがある。
おびただしい数の企業が倒産に追い込まれそう。

私はいま中堅・準大手企業の経営トップ「個別経営相談」に都心で応じている。
北関東はもちろん全国各地からわざわざ社長がやってくる。まして資金繰りが大変な12月。
それくらい経営が切羽詰まっているのだ。
販売や受注が不振どころか半減という状態も珍しくない。
「会社が回らない」。
「社員を支えられない」。
相談の途中で涙をにじませる方も…。
しかし、営業の建て直しは一朝一夕にできない。
時間との戦いになる。

私はこうした経営相談と並んで「営業変革トップセミナー」に力を入れている。
やはり遠方から中堅・準大手企業の社長や取締役がやってくる。
テキストにマーカーを引いたりメモを書き込んだり、受講態度は真剣そのもの。
営業強化のヒントを何とか持ち帰ろうという気持ちが伝わってくる。
私も力が入りすぎてしまい、声がガラガラ。
きのうも終了時に名刺交換に見えた大手企業の専務が「凄い迫力ですね」と…。
褒めてくださったのでなく呆れ返ったのでないか。
主催者による座席指定のせいでの真ん前。運が悪かったと諦めていただくしかない。

さて、先ほど全業種・全企業が土砂降りだと述べた。
主要なところについてはその通り。
だが、私は多くの経営トップと接するなかで、ごくまれに「絶好調」という声を聞く。
ほんの一握りの中小・中堅企業。
実は、その理由がみごとに同じなのだ。
そう、「ライバルがつぶれて…」。
残存者利益!

この返事に今回の不況の深刻さが表れている。
空前絶後の景気後退である。

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