自動車メーカー、家電メーカーなど、名立たる大手企業が軒並み大幅減益、大幅減産を発表…。
製造業が想像を絶する大不況に突入しつつある。
バブル後のどん底期よりはるかに深刻な非常事態!
しかも、いまは入口にすぎない。
数年の好況に恵まれたお陰でいくらか余裕があり、実態の悪さをかろうじて飲み込んでいる状態。
だが、体力はみるみる衰え、限界が近い。

欧米の金融危機に端を発した今回の不況では輸出型企業が先行し、いまや内需型企業も壊滅。
製造業はピラミッド構造が顕著である。
大手企業、中堅企業、中小企業、零細企業と悪化。
組立メーカー、部品メーカー、素材メーカーと悪化。
は下期入りしてから、中堅・準大手企業の社長を対象とした個別経営相談に力を入れているが、相談者の多くがこうしたところ。従業員数百名クラスが一番苦しい。経営が崖っぷち。
モノづくり日本の製造業が大打撃を受けている。戦後最大の試練といってよい。

実際、製造現場ではどうにもならないほど稼働率が落ちている。
操業時間の短縮、操業日数の削減、生産ラインの停止、生産設備の廃棄…。
そして、ついに工場の閉鎖が現実味を帯びてきた。
まもなくこの影響は生産ラインや生産設備に関わるメーカーや商社、メンテナンス会社などに及ぶ。

一部の企業における派遣社員や期間従業員の契約打ち切りがニュース番組で連日のように取り上げられている。
だが、この動きが本格化するのは年明け。どこもかしこも…。
さらに正社員のリストラが加わる。
企業はこうした手続きが間に合わなくなるか煩わしくなると、工場ごと畳んでしまうのでないか。
また、内定取り消しがこれだけ社会問題化すると、新卒の採用を極端に絞り込む。再び就職の大氷河期へ。

年の瀬に職を失い、寮を放り出される人の心中は察するに余りある。
しかし、私は今後、大不況はたびたび繰り返されると思う。
一生の間に少なくとも数回は猛烈な嵐に見舞われるはず。
そうしたことを前提に職業人生を設計していくほかに、自分と家族の生活を守り抜くことはできないのでないか。
もとより会社や政府は当てにならない。
景気が悪くなったからといって、職能は短期間で高められるものでない。
強固な意志と継続的な努力が不可欠である。

Copyright ©2008 by Sou Wada

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