明日へのヒント コロッケ☆☆☆☆☆LESSON9

ソフト型人材を育成せよ!
研修企画の愉しみ

立郎◇登場人物
立郎 螢献礇櫂縫商事 人事部研修課課長
守山 螢献礇櫂縫商事 人事部部長 研修委員会顧問
守山甲野 螢献礇櫂縫教育システム 社員

この章では、立郎氏が勤務する「螢献礇櫂縫商事」の若手社員研修に自ら監修者として携わる過程を通じて、研修企画の立て方を学びます。
甲野
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経営と人生の名言0196初めての遠征研修

●監修チームの編成
守 山 いよいよだねぇ、期待してるよ。
立 郎 有難うございます。
守 山 君が研修課の課長になって初めての講座監修だからね。今まで蓄積してきたものを全部吐き出してもらうよ。
立 郎 まぁ、伝統と歴史のある研修会ですから、それなりに慎重にはやりますが、多少、好き放題やらせてください。
守 山 どんどんやってくれ。ところで、こちらがジャポニカ教育システムの甲野さん。実務面を手伝ってくれる。
甲野甲 野 ジャポニカ教育システムの甲野と申します。
●遠征研修の意義
守 山 さて、君も知っている通り、今回初めての試みとして遠征研修を実施してみたいんだがどうだろう。
立 郎 あ、それはいい。実は、私も鹿島灘のセミナーハウスを使ってみたいと思っていたんです。
守 山 おぉ。あれは古いぜ。甲野さん、実は大正の終りに建てられた先々代の社長の別荘だったところでね。洋館建築なんだけど、それをセミナーハウスに改造したんだよ。
甲 野 素敵ですねぇ。
立 郎 参加する連中は、普段時間に追われてる者ばかりですから、まぁ、のんびり休養がてら研修を受けてもらおうと思うんですが、いいですね?
経営◇勝ち残りの条件2
柔らかい頭を育てる

●研修の課題
守 山 まぁ、今期の社員研修の課題が「ソフト型人材の育成」っていうことなんだけど…。
立 郎 えぇ、存じてます。うちは総合商社としてそれなりの地位にいるわけですが、どうも新事業の開拓という点で他社に及ばないところが多い。それで、将来のリーダーとして有望な若手社員に、柔らかい頭になってもらいたいということですね。
立郎●弱点の洗い出し
守 山 そうなんだよ。新素材の活用とか新業態の提案とか、特に柔軟な思考を必要とするところが弱いんだ。
立 郎 そうですねぇ。やはり、柔軟な企画力のある人材が必要ですね。今うちは、例えば素材や商品や流通経路などで新しい可能性を切り拓くチャンスをみすみす逃しているように思うんです。ありきたりの常識や既成概念に捉われ過ぎる傾向がある。私の見る限りですがね。
●将来の構想
守 山 なるほどね。それにここだけの話なんだが、うちの会社は将来、モノを売る部門とアイデアを売る部門とを切り離す構想があるんだ。
立 郎 それは初耳です。これからの時代を生き抜くために、ソフトの提案力を強化しようという狙いですね。
月刊トップセミナー
イメージが見えるまで…

●講座テーマ1
守 山 まぁ、そういう事情があるわけだ。
立 郎 分かりました。そうなると、まず研修に盛り込む内容では、発想の柔軟化がありますね。
守 山 いろいろな角度から物事を考えるということだね。
立 郎 物真似でないオリジナルな視点を育てます。
守 山 そうして新事業のヒントやきっかけをつかむわけだ。
入門講座 企画の愉しみ―おもしろく覚える企画書作法●講座テーマ2
立 郎 しかし、それらのユニークな着想も、コンセプチュアルにまとめあげる能力がないと生きてきません。
守 山 可能性を束ねて、一本筋を通すということか…。
立 郎 そのためには市場や自社が抱える問題点をチェックし、課題をしっかり把握できることが前提となります。
守 山 シーズやニーズなどの諸条件を踏まえたうえで、新事業としての独創的な切り口を提示するというわけだね。
●講座テーマ3
立 郎 それから、当然ながらコンセプトを実際にどう展開するか、具体構想として描写する能力が必要になります。ヒトやカネやモノ、さらに情報などの経営資源を大胆に活用することも求められます。
守 山 うむ。新事業への取り組みが、ようやく具体的なイメージとして見えてくるわけか…。

経営と人生の名言0197難解なカリキュラム?

●視点の多角化
守 山 そろそろカリキュラムを提出しなきゃならないんだ。
立 郎 えぇ。カリキュラムは3科目を予定しています。まず、発想の転換を促し発見力を強化するための「視点の多角化」という講座です。ここでは言葉が与える既成概念に捉われるな、という啓蒙も行なうつもりです。
●概念の統合化
立 郎 次は、コンセプチュアルな思考習慣を身に付けるための「概念の統合化」という講座です。ここでは錯綜する概念をいったん解体し整理して、新たなキーワードのもとに再編成するノウハウを学びます。
守山守 山 どうも難解そうで、現実味がないが…。
立 郎 その点はご心配なく。実際に当社が抱える問題点を洗い出して、解決の方向性を探る場を設けるつもりです。
甲 野 リアリティが湧いてきて、いいですね。
●論理の図解化
立 郎 そして、最後に現実的な展開構想として結実させる「論理の図解化」という講座をやろうと思います。
甲 野 複雑な概念や情報を文章ではなく、図形によって論理的に表現するわけですね。
守 山 なるほど。新事業の展開イメージが構想化されて明確になるということだな。
社長セミナー2
理論編と実践編

●科目の構成
甲 野 ところで、科目ごとの構成はどうなりますか。
立 郎 どの科目も、前半は理論講座、後半は実践講座の2部構成とするつもりです。
●理論講座
守 山 理論講座というと、決まって居眠り組が出るそうだ。
立 郎 えぇ。単調にならないよう配慮はしています。学習効果を高めるためにも…。具体的には、ベーシックなテキストを用いて、さらっと概論に触わります。そのうえでVTR教材を使用して、特に重要となるポイントだけを突っ込んで理解させます。
実例に学ぶ提案営業成功の極意守 山 なるほど。実際に見れば分かりやすいし、印象に残る。
●実践講座
立 郎 それらの理解段階を経て、いよいよ実践的な講座に移ります。特に今回は、発想や思考や表現の技術的な部分の修得に重点を置こうと思っています。
守 山 確かにこういったものは頭だけで理解していても、実際には役立たないケースが多いからな。
立 郎 まず、ゲスト講師による実習スタイルのセミナーがあって、その後グループごとに集まり、ワークシートで共同作業をしてもらいます。頭と手を存分に使って…。
甲 野 体感的に学ぶというのは、大賛成です。
拡販キャンペーン型・提案営業研修
1日目・開眼する

●姿勢づくり
立 郎 これが、3日間のプログラムです。
守 山 いつもなら、すぐに1回目の講義だが…。
立 郎 グループ編成の必要もありますし、研修の目的を自覚させるためにも、ぜひ開講式はやりたいですね。
守 山 ほう。続いて90分間の合同昼食会と休憩かぁ。これで仕事の感覚をオフにしてもらおうというわけだな。
立 郎 講義は例外を除いて、すべて90分になっています。合間の休憩は長過ぎるとかえってペースを崩したりしますから、15分設定です。立郎
●講義の内容
甲 野 1日目は、「視点の多角化」ですね。
立 郎 研修の始めに、まず新しい眼を開いてもらうことが狙いです。テキストとVTRによるオーソドックスな講義があって、その後は「言葉からの解放」をテーマとした実習セミナーをやります。そして、夜の講義ではゲームを取り入れてみようと思っています。
甲 野 例えば、「連想ゲーム」とか「ジェスチャー」とか…。
立 郎 えぇ。キーワードは、ある事象や新素材ですがね。
守 山 確かに今回のテーマからして、いかにも研修っぽい内容は向いてないだろうな。まぁ、遊び感覚で気軽に学んでもらえばいいわけだ。

経営と人生の名言01982日目・考える

●早朝講座
甲 野 普段の研修だと、5時頃起きてラジオ体操なんですが。
立 郎 6時30分でいいでしょう。あのセミナーハウスは海が見えますから、コーヒーでも飲みながら「波」をテーマにしたソフトな講義を組み込みましょう。
●昼間の講義
甲 野 2日目は、「概念の統合化」ですね。
立 郎 えぇ、午前中いっぱいは理論講座をみっちりやります。そして午後は実践講座に移りますが、ゲスト講師による禅問答めいた講義を予定しています。ここで粘り強い思考態度を鍛えます。徹底的にね。
甲野甲 野 それは面白い。
立 郎 十分に刺激を与えておいて、ワークショップではカードを利用して、当社の問題点の分析と課題の抽出をします。
守 山 うむ。なかなかのものだぞ、これは。
●深夜の討論会
甲 野 夜からは、「論理の図解化」の理論講座ですね。
立 郎 その後2時間の自由時間をはさんで、深夜0時からはゲスト講師を交えたエンドレスの討論会に入ります。ここでは課題の抽出を受けて、新事業のコンセプトを納得がいくまで詰めていきます。
守 山 こりゃ、「朝まで生テレビ」だ。くたくたになるぞ。
経営教本1
3日目・まとめる

●仕上げの講義
立 郎 朝はゆっくり8時に起床。午前中は「論理の図解化」の実践講座を行ない、ワークショップでは討論会で仮設定した新事業コンセプトに沿って、展開構想を図解表現で仕上げます。大きな模造紙をめいっぱい使ってです。
守 山 こういうものこそ、もっと時間が必要じゃないか。
立 郎 ですから、代わりに宿題を出します。
守山守 山 うっ。宿題?
●効果の測定
立 郎 これは従来の研修で欠けていたことですが、学習効果を具体的に測ることをしていなかったんですね。
守 山 いったい、どんな宿題になるんだろうか…。
立 郎 今回は企画書の提出を義務付けようと思っています。模造紙にまとめた展開構想の全体像を、さらに掘り下げブラッシュアップして企画書にまとめてもらいます。
守 山 うむ。みんな忙しいから、文句が出ると思うぜ。
立 郎 しかし、この研修は自分の意思で申し込んだ人が選抜試験で選ばれて始めて参加できるものなのだ、ということを十分に自覚してもらえば、納得するでしょう。
甲 野 確かに今回の学習効果を見るには、企画書が一番ですね。
立 郎 午後に研修委員会から会社の将来とか世界情勢についての講義があって、すべて終了です。

経営と人生の名言0199手配やら準備やら…

●講師の手配
守 山 ところで、今回のインストラクターとか講師の手配はどうする。かなり専門的な内容だが…。
立 郎 理論講座や実践講座のワークショップの進行には、腕の確かなインストラクターが必要になります。
甲 野 その点は、うちが優秀なスタッフを派遣しますので、ご心配はいりません。
立 郎 それと、ゲスト講師の選択や手配もお願いします。
甲 野 えぇ。講師はかなり豊富な陣容のなかから、自由に選んでいただくことができます。
入門講座 企画の愉しみ―おもしろく覚える企画書作法守 山 まぁ、もともと本社の研修企画部が独立してできた会社だし、大丈夫だろう。
立 郎 ひとつ気がかりなのは、最適の教材が果たして見付かるかどうかということです。
●教材の準備
甲 野 確かにかなりユニークな講座ですから、ぴったりの教材は既存のものでは無理かと思います。
守 山 ワークショップの方もいろいろと必要だろう。
立 郎 そうですね。基本テキストとかワークシートとか、オリジナルを準備しないといけないでしょうね。
甲 野 それについては課長に監修をお願いして、うちの方で作成しようと思いますが、いかがですか。

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研修企画書の完成はこちら。
次回はバースデー企画書。

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