先日のブログで、人手と人材の違いについて述べた。
作業をこなす人、仕事を行う人。
目をおおう営業活動の実態それは「考える」要素の多寡で決まる。
大多数は慣れ親しんだ作業に携わりたがる。

さて、この人手と人材を「営業」に則して考えると、前者が「御用聞き」となり、後者が「提案営業」コンサルティングセールス」「ソリューションセールス」となる。
私が長らく研修などで指導してきたのが後者。
経営教本0398ソリューションは注文の創出が趣旨。
したがってそれを実践できるなら、顧客からの引き合いが減っても、売り上げへの影響は軽微である。
社員の立場からすれば、売れない時代に売れる営業が職場を追われることはない。
また、社長の観点からすれば、景気に左右されない会社になれる。
ちなみに、注文の創出とは予算の創造(手当て)のこと。

経営教本0399私は以前、運送会社で提案営業研修を行った。
創注の前提として、受講者に「買ってください」という営業活動を禁止した。
すると、直後の休憩時間に30代の男性が話しかけてきた。
「買ってくださいという営業活動はありえまん。
私たちが飛び込んで買ってくれ(運ばせてくれ)とやると、お客の反応は一つしかありません。
どこそこはいくらいくらだけど、お宅ならいくらで運んでくれるの?
そんな営業活動をやっていたら、会社も自分も持ちません。いい給料なんか取れません」。
企業研修メニュー
さらに、別グループの研修で頭をかち割られた(血を流したわけでない、念のため)。
やはり直後の休憩時間に30代の男性が話しかけてきた。
「私が営業としてもっとも力を入れているのは、先生がおっしゃった創注です」。
私の主張を繰り返しただけだったので、初めは軽い気持ちで応じていた。

経営教本0400ところが、やがて分かったのだが「創注」の中身が違った。
私が述べたのは、運ぶ仕事をつくる。
彼が語ったのは、運ぶモノをつくる。
「運ぶ仕事をつくる必要はありません。
私はお客さまに運ぶモノと、それが売れる仕組みを提案しています。
そうすれば、黙っていても運ぶ仕事はついてきますから」。
例えば、商品の開発とネットによる受注システムの構築。

経営教本0401ショック!
私と彼では提案営業が別次元。
参りました…。
私が研修の冒頭で言い切っているのは、「顧客満足を実現すれば、結果として自社利益はついてくる」。
それを見事に裏付ける事例でもあった。
ソリューションの威力を実感していただけただろう。

経営教本0402結局、提案営業の導入により、労働時間における作業の割合を減らし、仕事の割合を増やしていく。
年齢、経験、地位が異なるのに、皆が同じレベルの営業活動に留まることは、企業にとり大きな損失である。
また、それでは若い世代が営業としての目標を持てず、成長を遂げられない。
私が見るところ、担当者も管理者も人材がさっぱり育たない職場はきわめて多い。

経営教本0403経営トップや営業幹部は理解しなければならない。
好況期には作業をこなす「人手」で売り上げは立つ。
そう、顔を出し、御用を聞き、見積書を出す。
しかし、ひとたび不況期に転じると仕事を行う「人材」でないと会社が回っていかない。

さらに、社員も理解しなければならない。
経営教本0404提案営業を身につけるとは、営業分野における人手から人材に変わろうとの決意である。
つまり自分と家族の生活を守る。
年金が破綻し長くなるばかりの職業人生を展望し、力強く自己実現を図っていただきたい。

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