マスコミによれば、きのう、痴漢事件について最高裁の判断が下された。
被告の大学教授に逆転無罪。
報道に接したのをきっかけに、私なりに思うところがあったので記したい。
むろん、この事件を取りあげたわけでなく、ましてその真相を探ったものでない。
また、世の中には痴漢に遭遇し、心に深い傷を負った女性がいるのも事実だろう。

さて、私は長らくフリーランスとして生計を立てていたため、通勤の経験がない。
仕事場を都心に移してからも年中無休、徹夜で働いていたので、泊まり込みが続いた。
また、いまの講師やコンサルタントの仕事に転じてからも会場や顧客の近くのホテルにあらかじめ泊まる。
何せつねに大きいキャリーバッグを引きずっている。

その私でも、まれに満員電車に乗り込むことがある。
はっきり言って、大嫌い。
そして、恐怖!
見知らぬ男女が衣服を隔てて貼りつく。
夏場は薄い生地を挟んでピタッ。
この空間だけを切り取れば、明らかに異様、絶対に変。
四方八方、女性ということも…。
私は片隅に身を寄せるか、座席の前に立つ。
とにかく世間に背を向ける。

しかし、それが不可能なときは、自分の手のありかをはっきりさせるように気をつけている。
例えば、多少ムリがあっても手すりや吊り革に手を伸ばす。
女性も大変だが、男も必死である。
朝夕の殺人的な通勤ラッシュでは、互いの足が交わり、横からの圧力で体が浮きあがる。
いつ勘違いや人違いの餌食になっても不思議でない。
となると、男は信用も仕事も失う。ときに人生も失う。
家族も辛い。



確か2〜3年前。
私は都心での公開セミナーに備え、前夜9〜10時頃に東急田園都市線(地下鉄半蔵門線)に乗り、ホテルへ向かった。
逆方向の各駅停車だったので、ガラガラ。
途中、20歳前後の女性が私の正面に座った。
なかなかきれいな方。

ほどなく気づいたのだが、短いスカートから股間をさらしている。
私は呆れた。
年寄りをからかい、何が面白い?
彼女は2〜3駅で降り、それでお仕舞い。

後日、下半身を露出した男が捕まったというニュースに触れ、ふと思った。
あれはれっきとした犯罪だったのでは…。
さらに思った。
こうした場合、女性を駅員に突き出したり通報したりする男はどれくらい…。
世の中、痴漢もいるように痴女もいる。

過去、満員電車で若い女性に不自然さを感じたことがある。
でも、ほんとうのところは分からない。
単に私の受け止め方の問題か。

過去、満員電車で年配の女性に凄い目つきで睨まれたことがある。
まったくもって不愉快だった。
「好きでくっついているわけじゃない」と言ってやりたかった。



大多数の社会人は混雑時の通勤を避けられない。
危険極まりない環境に連日、身を投じることになる。
だれしも痴漢(痴女)の被害に遭うかもしれないし、だれしも痴漢(痴女)の冤罪を着せられるかもしれない。
いまや電車に乗るにも細心の注意を払い、「自己防衛」に努めなければならない。
やれやれ・・・。

Copyright (c)2009 by Sou Wada

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