はたして、あなたの「営業力」はいかばかりか?
明日へのヒント 海老一染太郎市場で、顧客先で、営業マン同士が激しくぶつかり合いながら、勝敗が決まる。
そうした商談結果を左右するものが営業力である。
一般に、売り上げや利益などの金額、すなわち「個人成績」が大きな目安となる。
だが、それをもって自分の営業力と判断するのは乱暴だし、危険すぎる。

営業教本0109忘れてならないのは、大手・中小・零細、上位・中位・下位といった、自分が属する企業の規模や業界地位である。
個人でやっている場合を除き、すべての営業マンは会社という土台に乗って営業活動を進めている。
一人ひとりが競合他社と戦う際の土台の高さがまるで違うわけで、「企業力」とはこのことである。
営業教本0110むろん、これには売るための施策や仕組み、インフラなども含まれる。
また、ベンチャーでは注目度なども…。

大手企業や上位企業で働く人は、そうした有利さを貪欲に生かして成果を上げるのは当然だろう。
ただ、怖いのは、それを自分の実力と勘違いすること。
営業教本0111ほんとうは会社の看板やブランドの力で売れているだけなのに、自分の力で売っていると錯覚してしまう。

何らかの事情があって、大手企業や上位企業に勤める人が転職しなければならないことがある。
そうした際、とりわけ中高年では、いまより規模の小さい企業や業界地位の低い企業に移るのが普通である。

主要営業講座私は昔、大手企業で長年やってきた人を採用した。
おおいに期待して待つものの、一向にいい報告が上がってこない。
給料の設定で相当な無理をしたので、それでは困るし、放っておけない。
営業教本0112ある日、営業活動に同行してみて、あまりのひどさに愕然とした。
「私はずっと****で働いていた」というところから始まる。
結局、彼は何の成果も残せず、4カ月ほどで去っていった。
そうそう、経営破綻した証券会社の営業マンを採用した知人が、似たような感想を漏らしていたっけ…。

営業教本0113終身雇用の時代なら、まして固定給の時代なら、自分の営業力をそれほど気にしなくてよかった。
出世を諦めれば済む話。
しかし、私たちはバブル崩壊後、そして目下、倒産やリストラをいやというほど見聞きしている。
まして金融資本主義がはびこり、乱気流型経済へ。
この先も景気の変動にともない、非常事態は幾度も繰り返される。

営業教本0114私たちは、自分の営業力を正しく見極めるべきなのだ。
言い換えれば、それは営業としての「市場価値」を知っておくことである。
「営業力=個人成績−企業力」。
大手企業や上位企業で働く人は、個人成績が実力より大きくかさ上げされているという認識を片ときも忘れてならない。
本人が考えるほど、営業力はない。
そうでないと、まさかのとき、自分の心や家族の暮らしがあっけなく壊れてしまう。

先の数式は、「個人成績=営業力+企業力」と変えられる。
念を押せば、企業力は規模や業界地位で極端に違う。
私は以前フリーランスだったので、この値がゼロ。
営業活動が素晴らしく難しかった。
営業教本0115私が今日、営業分野の経営コンサルタントとして食べていけるのも、そのお陰である。

なお、商談は顧客の期待水準をクリアしたときに決まる。
先の数式は、さらに「期待水準=営業力+企業力」と置き換えられる。
零細企業の営業マンがいかに厳しい戦いを強いられているかが分かるだろう。

                       ◇

余談―。
業績低迷が長引くなか、「組織営業」の重要性が叫ばれている。
ソリューション系の大型案件を成功へ導くには、営業マン単独でなく、拠点や部門、ときに会社を挙げて取り組まなければならない。
営業教本0116つまり、その進捗に応じて上司や同僚が加わる、マネジメントやマーケティング、技術やサービスのスタッフが加わる、役員や社長が加わる。
営業マンを支援し、いわゆる商談満足度を向上させるわけである。
「期待水準=営業力+組織力」「商談満足度=営業力+組織力」ということになろうか。

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