主要国が足並を揃えて未曽有の財政出動に踏み切り、世界経済はいくらか落ち着きを取り戻してきた。
しかし、その矢先にメキシコ発の豚インフルエンザ騒動が起こった。
私は、インフルエンザは寒い季節に流行すると考えていたので驚いた。
確か、空気中のインフルエンザウイルスは気温が20度を超えると、ほとんどが死滅する。
まして湿度が高くなると…(一般に50パーセントとされる)。
したがって、まもなく北半球の主要国については沈静化に向かう?

豚インフルエンザの感染拡大を受け、WHO(世界保健機構)が警戒レベルをフェーズ3から4に引き上げた。
しかし、間を置かず、フェーズ5に引き上げたのはどうなのか?
何せ初めてのこと。
「5」とは、パンデミックの一歩手前の段階。
今後、経済活動だけでなく社会生活にきわめて重大な影響が現れよう。
景気の不安要因に急浮上!
多くの専門家が下した判断に、素人がとやかく口を挟むべきでないが…。

WHOは日本時間未明の記者会見で、さらに最悪のフェーズ6に引き上げる可能性も示唆した。
いったん感染爆発が起こると対応や対策が後手に回ってしまうので、念には念を入れたのか。
それとも、治療そのものを受けられない貧しい国や地域、人々への影響を第一に考えた結果なのか。
メキシコで多数の死者が出ているが、その真相は明らかになっていない。
先日のブログで述べたように貧困層が中心かもしれない。
貧しい国や地域の多い南半球は寒い季節へ向かう。
ここでの致死率はどれほど高くなるか?
とりわけ飢餓に苦しむ人々は抵抗力が弱く、一溜りもない。
なるほど、景気より「命」、当然の判断。
日本であまり切迫感はないが、いま人類は深刻な危機にさらされている?

豚インフルエンザの発生時はともかく、感染拡大後のWHOの動きは迅速、手立ては大胆である。
また、香港かぜ、ましてスペインかぜが大流行した時代とインフラはまったく別物。
金融危機もそうだが、新型インフルエンザについても国際的な協調・連携が不可欠になっている。
同時に、世界銀行による資金援助も…。
小規模な企業や店舗の豚インフルエンザ倒産が生じそうな国では、政府による支援も必要。

警戒レベルの引き上げは、WHOが世界的大流行をかならず食い止めてみせるという強い決意を示したものなのかもしれない。
まずは、パンデミックの回避。
そして、豚インフルエンザの終息。
だが、私自身は今年の冬に正念場が訪れると思っている。



私は海外で初講演の予定が入っている。
テーマは過激で、「経営革命・営業革命」。
これまでヒコーキ嫌いを理由にすべてお断りしてきたが、主催者の猛烈な熱意に押し切られてしまった。
よりによって、最悪のタイミング。
すでに感染が疑われる人が出ている。
私の日頃の行いがよほど悪いのだろう。
ヒコーキはとても怖い。
だが、豚インフルエンザはもっと怖い。
はたして無事に帰国できるのか。

Copyright (c)2009 by Sou Wada

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