世界が金融資本主義に浸かっている。
根底には、カネは人類に繁栄や幸福をもたらすはずとの楽観的な思想、いや寝ぼけた思い込みがある。
要は、カネの働きに経済どころか社会を委ねる。

しかし、カネの関心は、上昇局面では自己増殖にしかなく、下降局面では自己防衛にしかない。
したがって、景気変動の振幅と速度は想像を絶するほど大きくなる。
人が世界を支配していたときには、ぼんやりと先行きを読めた。
カネが世界を支配する現在では、著名な経済評論家を含めてだれも先行きを見通せない。
厚顔か健忘症でないと、テレビのコメンテーターは務まらないご時世である。

ジェットコースター時代の幕開き―。
私たちは今後、今回のような劇的な経済危機に度々見舞われると覚悟すべきだろう。
それを前提に企業経営や人生設計を行う。
前者について述べれば、社長は好況期に会社を大きくすることよりも、不況期に会社をつぶさないことのほうを優先すべき。

もはや社長は好況期にカネを使えない。
例えば、規模の拡大を図ろうとして不動産を取得する、新卒など人材を獲得するとなると膨大なコストがかかる。
ところが、不況期だとつぶれかかったライバルを社員はもとより顧客ごとタダ同然で飲み込める。
相手が製造業なら工場まで…。縮小する業界で新たに設備投資など行っていたら採算が取れない。

社長は、同じ金額でも、好況期と不況期ではその価値がまったく違うことに気づかなければならない。
やはり好況期にカネを使えない。
また、社長が好況期にカネを借りると不況期にカネを借りられず、会社が持ち堪えられない、社員を放り出さざるをえない。

時代は変わった。
経営の考え方も行い方も何もかもこれまでと逆にしなければならない。
自社の生き残り、勝ち残りには、社長の「自己変革」が先決である。

                       ◇

なお、本日のテーマについて、もう少し詳しく、あるいはもう少し掘り下げて語っている。



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講演TV(経営編)
社長の自己変革
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これは、2009年4月16日(木)の「和田創ブログ」に若干のアレンジを加えたものである。

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