私は、数年前に書き起こした「明日へのヒント」に基づく講演映像を「講演TV・賢人編」として公開している。
著名人の言葉と生き様を紹介したもの。
先日、46名、53本の収録を終えた。

振り返れば、「明日へのヒント」の執筆も「講演TV・賢人編」の撮影も苦戦の連続だった。
私は、いまにして思う。
著名人の半生や一生を原稿用紙1枚にまとめること自体が無謀である。
さらに、それを講演に仕立てるのは至難である。
自分の能力を大きく超えた試みだった。
結果として、執筆は50代前半での挑戦、撮影は50代後半での挑戦になった。

取り上げた著名人は、私が苦手な方が大半である。
仮に周囲にいるとして、私が避けて通ったに違いない人を選んだ。
つまり、私が学ぶべき人である。
著名人の最大の共通点は、己に対して恐ろしく厳しいことでないか。
そんな結論を得た。

実は、すでに原稿はできていたので、それをビデオカメラの前で読むだけだと、わりに簡単に考えていた。
何せ十数年、講演やセミナー、研修で講師を務めてきた。
ところが、どっこい。
大勢の参加者を前にして臨機応変に語るのと、無人の会場で正確に話すのとは、まったく感覚が違う。
1回で済むのはまれで、最多で十数回も撮り直しを行った。
にもかかわらず、この程度の出来映えである。

それにしても、役者や芸人、声優やナレーターといったプロがいかに凄いかを、いやというほど思い知らされた。
私は「講演TV・賢人編」を“朗読”に近づけたかったが、それは叶えられないと諦めた。
落語家の橘家圓蔵、あの圓鏡が自分の映像を見ると下手で嫌になると、高座でこぼしていた。
あながち謙遜でなかろう。
名人にして、そうなのかぁ。
この言葉にいくらか救われた。

「講演TV・賢人編」は、拙さばかりが目立つ。
しかし、とにもかくにもゴールにたどり着いた。
やり遂げたという満足感はないが、安堵感はある。
一区切りをつけられた?
本来なら7月17日、57歳最後の日に終わるはずだった。
途中3回分の収録が間に合わず、きょうにずれ込んだ。
私はやはりズルズルである。

視聴してくださった方々に心より感謝したい。
ありがとうございました。

                       ◇

なお、本日のテーマについて、もう少し詳しく、あるいはもう少し掘り下げて語っている。



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講演TV(賢人編)
明日へのヒント3
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これは、和田創「講演TV・賢人編」シリーズへの認識を深めていただくために述べたものである。

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