私は甘いものが大の苦手だった。
餡子は体がまったく受け付けない。
恐らく30代半ば頃までケーキやチョコレートさえ食べられなかった。

プランナーとして寝る間を惜しんで働くなかで、疲労時や空腹時に口にするようになった。
そして、40代に立ちっ放し、しゃべりっ放しの講師に仕事が変わってから甘味においしさを感じはじめた。
私は血圧が非常に低く、血糖値も落ちやすい。
頭がくらくらする。

先だって、知人から上越名産の「出陣餅」をいただいた。
製造元はかなざわ総本舗(新潟県上越市)。
私は直江津の出身だが、小学生の頃には「出陣餅」はなかった。
当時、おもな土産物といえば、「笹団子(だんご)」「笹飴(あめ)」「継続団子(だんご)」の3種類(うろ覚え)。
製造元により表記や名前がいくらか異なることも…。
例えば、直江津では「くさのや」「三野屋」などのそれが有名。

さて、「出陣餅」を食べたら、これが結構いけるのだ。
ところが、妻が昔食べた甲府の土産物にそっくりと異議を唱えた。
形や大きさ、味はもちろんのこと、なかの容器の形状、そして食べ方までまったく同じ。
かすかな違いは、こちらが草餅で、向こうが普通の餅。
つまり、安倍川餅。
黄粉に埋もれた3切れの小さな餅に黒蜜を絡め、黄粉まみれにする。

出陣餅はマネッコの汚名を着せられそう…。
そこで、上越をこよなく愛する私はネットで調べた。
確かに存在するではないか。
「桔梗信玄餅」。
製造元は桔梗屋(山梨県笛吹市)。
先に金精軒製菓(山梨県北杜市)が「信玄餅」を出した。
こちらが元祖である。

では、「出陣餅」と元祖の「信玄餅」ではどちらが早いのだろう?
それが肝心。
前者が先との説があり、私は嬉しい。
しかし、おおよそ同じ時期の発売であり、ほんとうのところは分からなかった。

両者は似て非なるもの、生い立ちが違うとの指摘もあった。
だとしても、製造元が互いに相談するか、どちらかが模倣しなければ、瓜二つの土産物ができるわけがない。
真相はいかに?

上杉謙信と武田信玄が土産物合戦をやっていたとは…。
川中島の戦いの延長。
妻は「草餅のほうがおいしい」と言ってくれた。
何せ、くさのやの「笹団子」に目がない。
向こうの方は眉をしかめるはず。
“郷土愛”とはそうしたもの。

何、「筑紫もち」もそっくり?
製造元は五十二萬石本舗(福岡県福岡市)。
私はいま福岡に滞在。
こうなったら買い求めるしかないだろう。

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