私が入会しているSNS「AGORIA(アゴリア)」の事務局から平日毎朝、ディリー・ニュースが送られてくる。
起業教本0077私は新聞や雑誌、図書などに時間を割けず、世の中の出来事にうといのでありがたい。

先日の配信によれば、会津若松商工会議所が2000年にスタートさせた小学生向けの「起業教育プログラム」が、全国に広がりを見せている。
正式名称は「ジュニア・エコノミー・カレッジ」、略称は「JEC」。
会津若松商工会議所青年部はこちら。
同ジュニア・エコノミー・カレッジはこちら。

最大の特徴は、起業体験を積むこと。
目的は、起業教育を通じて将来の人材を育てること。
起業教本0078ちなみに、起業教育は、自ら課題を設定し、考え、解決する力を養う教育としている。
音楽教育がかならずしも「音楽家」を育成するための教育でないように、起業教育も同様。

同カレッジが重視する要素。
1.自ら考え、決める(想像力・問題解決力・意思決定力)
2.仲間と行う(チームワーク・リーダーシップ)
3.自らの結果を受け止める(責任感、自信)
起業教本0079他人から教わった知識も大事だが、経験から学んだ知恵は将来の職業人生において最大の財産となる。
ゆえに、事業の失敗にも価値を認めている。

同カレッジでは、小学生が5人1組になり模擬株式会社を設立する。
そして、資本金1万円、借入金1万円の計2万円を元手に、自ら企画した地場産品を販売する。
資本を集め、仕入れを行うので、自己責任が分かる。
起業教本0080株式を発行し、決算書を作成するので、会社の設立から事業の実施、会社の解散まで、一連の流れが分かる。

そのステップは本格的であり、何と3カ月をかける。
1.ドリーム・セミナー(仕事・会社について、会社の設立、役職の決定)
2.合宿(商品企画、店づくりプラン、銀行借入プレゼンテーション、ビジネス・マナー)
3.会社説明会(出資金を募る)
4.販売体験(つくった商品を売る)
5.まとめセミナー(損益計算書・貸借対照表の作成、報酬・株主配当・税金の決定、事業レポートの作成)
6.決算発表会・表彰式(銀行・株主に事業報告、メッセージの作成)

以上、疑似体験でなく“実体験”というところがミソ(子どもらはミソを企画販売しなくてもよい)。

起業教本0081今年は愛知、大阪、熊本など7府県の8商工会議所でもJECを実施する。
さらに、全国大会として日本商工会議所青年部による全国サミットが開催され、プレゼンテーションと審査を経て各賞が贈呈される。
日本商工会議所青年部はこちら。

なお、同ジュニア・エコノミー・カレッジは、目的のページを「働くことって素晴らしい!」という言葉で締め括っている。
まったく同感。
起業教本0082子どもらは、自ら定めた会社の目的・目標へ向けて考え、決め、行動し、結果を出していく。
それが働く意欲や自信につながる。
残念ながら働くことに意義や価値を、したがって喜びを見出せない若者が増えるなかで、こうした実体験型教育の重要性が高まっている。

                       ◇

起業教本0083私事だが、妻は会津若松の出身。
その会津若松が先鞭を付けた。
彼女にとり誇らしい取り組みでは?

地場産業の衰退、地場企業の減少など、地方経済は凋落と疲弊が著しい。
活性化や変革が必須となる地方ほど、「ジュニア・エコノミー・カレッジ」のような試みが大切だろう。

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