第45回衆議院議員総選挙は、事前の予想どおり民主党の圧勝で幕を閉じた。
衆院での再可決が可能となる定数 480議席の3分の2に届かなかったものの、単独で 308議席を獲得した。
多くの有権者が「変化」を強く求めた結果、「革命」に高まったのだ。
選挙戦中盤以降の自民党と公明党の巻き返しが新聞などで報じられたが、大勢にそれほど影響しなかった。
「山が動く」。
国民は自民党と公明党による連立政権の継続を拒絶し、民主党を中心とした新政権への交代を選択した。

このブログで幾度か述べたが、私は政界再編(野合にあらず)につながらないかぎり、日本の将来的な再生は成し遂げられないと考えている。
それゆえ、自民党と民主党の勢力が拮抗することを望んでいた。
しかし、衆院選スタート直後にマスコミの選挙情勢分析を見て、それは諦めた。
ちなみに、私は神奈川7区は自民党の鈴木馨祐(すずき・けいすけ)、比例代表はみんなの党に一票を投じた。
理由は、いずれも一番若いから。

日本はどん詰まりの状態だ。
有権者の明確な判断が示された以上、民主党は自らが信じる政策を力強く速やかに実行へ移してもらいたい。
社民党、国民新党との調整にエネルギーを奪われるな。
それが重い足かせになりそうなら、3党連立構想は白紙に戻せばよい。
案外、公明党が参院で賛成に回るかもしれないぞ。

また、自らが打ち出したマニフェストに捉われるな。
もともと票集めが狙い。
冷静になったら取り下げたいという項目が出てきてよい。
例えば、「高速道路無料化」の愚策。
鉄道やフェリー、バスなどの事業者の息の根を止めるつもりか。
大勢の人たちが働いているぞ。家族もいるぞ。
結果として政治が一部の業界に極端に肩入れすることになり、明らかな間違い!
A社(業界)から利益を取りあげ、B社(業界)へ利益を付け替えるなど、とんでもない。
しかも、この禁じ手に税金を用いる。
高齢化が加速する今日、公共性の高い交通機関を弱体化させてどうする。
それ以前に、世界的な潮流、エコロジーに逆行する。

また、民主党は高速道路無料化により物流コストが軽くなるという。
要は、税金で物流費の一部を負担してあげる。カネがいくらあっても足らない。
いまやってならないのは、物価を押し下げること。
借金まみれの日本にとり、デフレは命取り。
企業は「物価下落⇒業績悪化」に苦しみ、個人は「雇用不安⇒消費抑制」へ動いている。
業績悪化が雇用不安をもたらし、消費抑制が物価下落を促すという負のスパイラルを増幅させてしまう。

民主党の使命は、政策の実行を通じて国民の幸福と国家の繁栄を実現すること。
日本をよくする、それが有権者への約束。
選挙前の構想や公約に軌道修正があって当然!
マニフェストに関して述べれば、限られたデータに基づいて立案されたアバウトな計画にすぎない。
ムダがたくさんあるかのような資料を渡せば、民主党政権は簡単に潰せる。

私は、民主党が溜まりに溜まった戦後政治の膿を出すだけでも大きな意義があると思う。
画期的!
国民の絶大な支持を背景に、官僚支配に大ナタを振るい、既得権益にメスを入れてほしい。
削れるところ、なくせるところをバサバサやらなければ、懸案の財源は決して捻出できない。
民主党が空前の「ばらまき政権」で終わらないよう、切に願う。

有権者のなかには、新政権に多くの期待を寄せる方がいるだろう。
自民党が選挙戦で繰り返し訴えた、「民主党には日本経済を元気にする政策がない」という主張はそのとおり(が、自民党にもたいしたものはない)。
財政の窮状を救う道は、「成長」による収入増と「改革」による支出減を図ること。
新政権は前者が欠け、後者も危うい。
カネの裏付けが弱いまま、暮らし振りの改善を進めるため、借金はさらに膨らむはず。

政権交代が起こったからといって、世の中がよくなると思うのは早計である。
企業再建に携わってきた私の経験に則して考えても、国の経済まして財政の建て直しには長い歳月がかかる。

私自身、民主党にとくに望むのは一つ。
すでに述べた、手つかずの日本の大掃除!
過去に任期満了は一度しかないが、この大仕事をやり抜くだけでも最低4年間は必要だろう。

私は民主党に投票しなかったが、民意により誕生した新政権を応援したい。
1票を投じるのはたやすい。
投票所で紙切れに書くだけ。
難しいのは、自らの責任で選んだ政党の政策が遂行されるよう粘り強く見守ることだ。
“新人”なのだから、もたつきやしくじりは許してあげよ。

とりわけ民主党に投票した有権者は、新政権を育てる義務を負う。
1年も経たないうちに手の平を返すと、日本の再生へ向けた序走が始まる前に終わってしまう。
私たちはどこまで我慢できるか。

まさか来夏、衆参同時選挙?

                       ◇

わが子は小学6年生。
これくらいの年齢に達した子どもがそうであるように、家計を案じている。
クラスメイトから民主党が謳う「子ども手当」のことを聞いたらしく、喜んでいる。

だが、私はわが子に言い含めた。
「うちは助かるけれど、返すのはおまえかもしれないぞ。将来、税金のかたちで」。
わが子は小さくうなずいた。
何となく感じているふう。
私の懸念が現実にならなければよいのだが…。

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