なぜ景気は悪いのか?
一言で言えば、大企業の業績が悪いからだ。
日本を代表する業種や企業が好調なら、その裾野を形成する膨大な中小・零細企業に仕事が行き渡る。
さらに、恩恵に直接与るところだけでなく、周辺に仕事は広がっていく。

私は昨年初めと今年初め、経営層向けのセミナーを行うために名古屋を訪れたが、わずか1年で街の様相が一変した。
不況の影が全体を覆い尽くしていたのだ。
東京の銀座に当たる名古屋の「栄(さかえ)」は閑散としており、とくに夜の歓楽街は火が消えたような状態…。
夕刻、都市ホテルのロビーラウンジで、出勤前のクラブの女性と待ち合わせるおじさまの姿はほとんどなし。

私は零細企業経営者、そして経営コンサルタントの端くれ。
講演や公開セミナー、企業研修で講師を務める。
また、昨秋来、経営トップや営業幹部を対象とした個別経営相談会を無料で行う。
そうした場で私が接する社長の多くは崖っぷちに立たされている。
確かにカネはないのだが、皆が一様にこぼすのは「仕事がない」である。
利益は薄くても仕事があれば、会社は何とか回っていく。

一般に、仕事のない会社にカネを貸すと“回収不能”が起こる。
それを政府が行うと、税金を捨てることに…。
ツケはかならず国民に回ってくる。

私は、緊急時の限定的な救済に異論はない。
しかし、大企業をないがしろにした中小・零細企業への融資は“ばらまき”で終わると思う。
大企業を元気にする政策が不可欠。
仕事をつくらないかぎり、中小・零細企業がよみがえることはない。
そもそも融資は彼らにとり借金であり、それで会社が上向くはずもない。

日本の景気を決定づけるのは、大企業の業績である。
その大企業の諸活動を縁の下で支えているのが中小・零細企業である。
この関係を理解したうえで政策を立案し実行しないと、景気回復の流れを止める。

いまだに大企業を諸悪の根源のように喧伝する政治家がいる。
ここまで経済の現実が分かっていないのかと悲しくなる。

Copyright (c)2009 by Sou Wada

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