長い歴史を持つ書籍・雑誌・新聞業界に、空前絶後の地殻変動が起こっている。
コンテンツ(情報内容)の事業者とメディア(情報媒体)の事業者の分業化に加速がついてきた。
再建屋雑記帳0981これまでは書籍・雑誌・新聞ともに「紙媒体」をつくり、それを届けてきた。
新聞とくに全国紙については、自ら配達網を整えている。
書籍・雑誌については、取次、小売店とくに書店が担った。

いまやコンテンツがインターネット上を自由に流通する。
音声や映像のコンテンツはCDやDVDなどの固形媒体から解放され、配信されるようになった。
これらは再生装置が必要である。
再建屋雑記帳0982さらに文字のコンテンツが書籍・雑誌・新聞という固形媒体(紙)から解放され、配信されようとしている。
文字のコンテンツはデータの収納と再生が一体だったので再生装置は不要だったが、音声や映像のコンテンツと同様の購入・利用スタイルになる。
私たちは近い将来、パソコンやケータイ、専用の電子書籍端末で文字のコンテンツを買い、読んでいる?

この変化にともない、コンテンツの制作を担う事業と、その配信・表示を担うメディア・インフラ事業が完全に切り分けられる。
書籍・雑誌・新聞は前者を手がけるだけになるので、売り上げが大幅に下がり、事業規模(企業規模)が劇的に縮みそう。
再建屋雑記帳0983さらに、収益源の広告を後者に奪われることがあるのか。
不況の煽りもあり、出版社や新聞社のなかには経営危機に直面しているところが少なくない。
今後、淘汰や再編が一気に進む。

書籍・雑誌・新聞という紙媒体の衰退・消滅につれ、人類の大発明だった印刷がなくなる。
当然、製本も…。
再建屋雑記帳0984そして、取次や書店、新聞販売店などの流通も…。
不況とは別次元の、構造的な大激震に見舞われる。
戦後繁栄を謳歌した出版業界・新聞業界とその周辺業界が崩壊しようとしている。
広告業界も大揺れ…。

                       ◇

余談だが、私の著書はアマゾンの中古本なら1円で購入できることがある。
社員教育用に10冊購入しても10円である(ただし、送料は別途)。
著者は印税が1円も入らない。
再建屋雑記帳0985出版社と取次と書店はその分の販売冊数を失う。
しかし、これも時代の潮流である。
逆戻りしない。

文字のコンテンツが配信されるようになると、書籍については著者が個人事業者になれる可能性はあるのか?

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