菅直人副総理兼経済財政担当相は昨日、閣僚会議後の会見で事実上の「デフレ宣言」を行った。
政府によるデフレ認定は3年5カ月ぶり。
私は何をいまさらという印象。
自民党政権時代を含めて閣僚級の政治家は、国民や中小店舗経営者の実感がまったく分かっていない。

デフレの主要な物差しとなる「全国消費者物価指数」は前年同月比で9月まで7カ月連続で下落し、とくに8月までは4カ月連続で過去最大の下落幅を更新していた。
国内総生産(GDP)も名目成長率が6四半期連続でマイナスを記録していた。

デフレは怖い。
物価の下落が企業収益の圧迫を招き、それによる所得の減少が個人消費の不振をもたらす。
このサイクルがぐるぐる回る。
私はだいぶ前から日本経済は「デフレスパイラル」に突入していると感じていた。
デフレがさらに加速すると、「二番底」に陥る。
まして円高と株安が進むと、日本経済は壊滅状態になる。
失業率も年明け以降、史上初の6パーセント台へ。
社会全体に雇用不安が広がりそう。

ところで、民主党が先の衆院選で有権者へ自信満々で訴えた財源確保はデタラメだった。
麻生内閣の第1次補正予算の見直しや、次年度の概算予算要求に関する事業仕分けを行っているが、財源不足を補うに至らない。
鳩山内閣は国民にデフレへの危機感を植え付け、過去最大規模が避けられない2010年度予算を正当化する伏線としたいのだろう。
非常事態だから、膨大な財政赤字は仕方ないと…。

困窮する個人や家庭、企業に対する金銭面の手当てもさることながら、需要の喚起や仕事・職場の創出を図る経済政策を押し進めなくては景気をボロボロにしてしまう。
バラマキや猶予では、一時的な救済どころか麻酔にしかならない。

以下は、10月2日「デフレ加速、住宅ローン地獄!」と題する私のブログ。
デフレについて、何が最大の問題かを述べている。

                       ◇

デフレが加速している。
総務省によれば、8月の全国消費者物価指数の低下は過去最大になった(1971年以降)。
この流れは、食料品や日用品などの生活必需品はもちろん、耐久消費財へ波及している。
どこまで続くのか、私は不安。

一般に、デフレは「物価下落⇒収益圧迫⇒所得減少」を招くとされる。
所得は減っても物価が下がるので、暮らしはそれほど深刻な事態に陥らない。
ただ、経済活動が不活発になるので、「雇用縮小」をもたらしやすい。

デフレの最大の問題は、所得が減っても借金が減らないことである。
日本はずっとデフレ基調なので、長期の住宅ローンを組んだ人はすでに地獄の思いを味わっているはず。
月を追ってローン返済が厳しくなる。
真綿で首を絞められる苦しさ。
「買わなければよかった…」。

私が暮らす横浜・港北ニュータウンの大規模団地でも、これまでにどれくらい多くの世帯がひっそりと引っ越していったことか。
むろん、住宅ローン破たんである。
21世紀に入り、人気の高い横浜・港北ニュータウンはマンションや戸建ての開発が目白押しだった。
若い世代を中心とした“プチ富裕層”が希望に燃えて大量に移り住んできた。
とくに好況期に勢いで買った人は家計が火の車?

私は思う。
2割程度の頭金で、戸建てでもマンションでも“新築”を買ってはいけない。
無謀!
5割近くは入れないと…。
どうしてもというなら、2割で買っていいのは“中古”。
新築は一歩足を踏み入れた途端に中古となり、資産価値がドカンと落ちる。
確かに新築特有の胸のときめきは得られるが、それと引き換えに背負うリスクが余りに大きい。
まして、この先は人口減少が急激に進む。
首都圏でさえ買い手のつかない中古物件だらけ…。
地方都市の住宅街では通りの半分が空き家のままという状態も珍しくない。

私は愚かにも長期の住宅ローンを組んでしまった。
「それくらいの月額なら払えそうだから」。
冷静に考えると、まったく理由になっていない。
そのときの雇用や仕事、所得が保証されているわけでない。
マイホームが欲しい気持ちは分かるが、住宅の購入はきわめて慎重にならなくてなるまい。
一生の後悔…。

                       ◇

住宅業界や建設業界など不動産業界が再び苦境に立たされるかもしれない。
また、民主党新政権が箱ものを含め、進行中の公共事業を断固たる姿勢でストップさせている。
建設業界に加えて土木業界も崖っぷちまで追い詰められるのだろうか。
体力の乏しい企業のなかには倒産するところも出てくる?

以上は、10月2日「デフレ加速、住宅ローン地獄!」と題する私のブログ。

                       ◇

民主党政権、鳩山内閣に関わる一連のブログは以下のとおり。

⇒8月17日「郵政4分社見直し…共通政策」はこちら。
⇒8月18日「カネで1票を買う…選挙戦スタート」はこちら。
⇒8月19日「有権者を愚弄する選挙戦…党首胸算用」はこちら。
⇒8月27日「波乱なし、衆院選」はこちら。
⇒8月28日「民主党の獲得議席はどれくらい?」はこちら。
⇒8月29日「神奈川7区鈴木馨祐、比例みんなの党」はこちら。
⇒8月30日「「自民党をぶっ壊す」が今日完結!」はこちら。
⇒8月31日「民主議員に戸惑い、怯えの表情…」はこちら。
⇒8月31日「民主議員のつまらなさ!」はこちら。
⇒8月31日「民主、マニフェスト撤回も…」はこちら。
⇒9月1日「民主、国の財布をのぞく」はこちら。
⇒9月3日「なぜ景気は悪いのか?」はこちら。
⇒9月4日「小沢民主、参院選まっしぐら!」はこちら。
⇒9月4日「霞が関、激震走る!」はこちら。
⇒9月6日「散財する政治家がいなくなった…」はこちら。
⇒9月17日「鳩山新内閣の船出に思う」はこちら。
⇒9月18日「鳩山内閣への熱狂的期待値!」はこちら。
⇒9月18日「お見事、鳩山政権の気持ちよさ!」はこちら。
⇒9月21日「鳩山内閣、わずか1年の命!」はこちら。
⇒9月27日「哀れ、野党総裁選はひっそり投開票」はこちら。
⇒9月28日「河野太郎、みんなの党と新党立ち上げ」はこちら。
⇒10月3日「景気降下…野党感覚で発言する閣僚」はこちら。
⇒10月5日「予算白紙、執行停止で景気急降下?」はこちら。
⇒10月20日「景気悪化…鳩山内閣、年内にも試練!」はこちら。
⇒10月21日「民主政権下、雇用は危険水域に突入!」はこちら。
⇒10月22日「小泉内閣も真っ青の独断専行振り!」はこちら。
⇒10月23日「公共事業、厳格精査、軒並み白紙へ」はこちら。
⇒11月12日「事業仕分け作業…壮絶バトル公開!」はこちら。
⇒11月13日「小泉純一郎と鳩山由紀夫、勝因分析」はこちら。
⇒11月19日「現世代は友愛、次世代は憂哀」はこちら。

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