きょう、日本航空(日航、JAL)は「法的整理」の手続きを行う。
東京地裁に会社更生法の適用を申請。
負債総額は2兆円に迫り、国内の事業会社としては過去最大規模になる。
日航株価は午前中、最安値の4円。
ただし、運航は通常どおり。

最後までもつれた退職者(OB、OG)の年金減額など、日航の関係者は応分の責任を負う。
しかし、それでも巨額の公的資金が注入されるのは避けられない。
はたして1兆円程で収まる?

専門家など一部に「過剰支援」という声もある。
ライバルの全日本空輸(全日空、ANA)も大きな不満を漏らしている。
伊東信一郎社長は、つなぎ融資が行われた段階で公平な競争が阻害されていると語った。
もっともな主張だ。
とりわけ公的資金がダンピングの原資に回る可能性に、強い警戒心をにじませる。
堪ったものでない。
世界的な航空不況のなかで決して経営が楽でない全日空が苦境に立たされるかもしれない。

結局、日航は国による救済で決着した。
このブログでも述べたとおり、既定路線だったようだ。
前原誠司国土交通相の骨折りには敬意を表するが、茶番劇を眺める気分は拭えない。
経営破綻の大きな原因となった長年の依存体質は依然として残った。
また、すでに発表された人員削減についても関連企業の従業員が中心であり、日航本体への切り込みが甘すぎるという声が挙がっている。
事業縮小を含めた「リストラ」が不十分など、問題は尽きそうにない。

私は空路を利用しないので気楽に言えるのだが、そもそも日本に二大航空会社がいるのか。
この辺りもよく分からないところ。
国力に見合わないのでは…。

                       ◇

ニュース報道によれば、退職者の年金減額問題は予断を許さない状況らしい。
知らなかった。
22日まで同意を翻せる。

国民は日航の3年後の黒字化を約束されるわけでない。
ならば、政府も意思を翻し、ナショナル・フラッグシップ・エアラインを全日空に絞ればよい。

                       ◇

以下は、日航問題に関する一連のブログ。
⇒9月16日「日本航空、存続危うし、綱渡り!」はこちら。
⇒9月24日「日本航空は法的整理へ…経営破綻」はこちら。
⇒9月24日「ついに日本航空(JAL)倒産へ」はこちら。
⇒10月3日「GMと日本航空に思う」はこちら。
⇒10月15日「経営破綻日航、救済・再建へ一歩前進」はこちら。
⇒10月19日「自主再建断念か…日航問題」はこちら。
⇒10月30日「税金注入、日航救済に国民感情は?」はこちら。
⇒11月19日「もう空を飛べない…日本航空消滅」はこちら。
⇒2010年1月13日「日航法的整理、稲盛CEOが再建!?」はこちら。

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