バンクーバー冬季五輪(オリンピック)、フィギュアスケート男子シングル。
ショートプログラム(SP)を終えた段階の得点では、メダル争いは上位3選手に絞られたように思えなくもない。
4位とは差が開いたからだ。

ロシアのエフゲニー・プルシェンコは王者の貫録。
90.85点で首位。
細かく見れば、3年間のブランクが感じられる。
滑りに2006年トリノ五輪のときの切れがない。
しかし、4回転ジャンプが安定しており、フリーでミスを犯すとは考えにくい。
高く、遠く、早い。
優勝候補の筆頭だ。
アメリカのエバン・ライサチェクは90.30点で2位。

対する日本。
関大大学院所属の高橋大輔(たかはし・だいすけ)は90.25点で3位。
プルシェンコとは0.60点、ライサチェクとは0.05点の差。
オリンピックの大舞台で有力選手がミスを犯すなか、高橋大輔は落ち着いており、堂々としていた。
世界一と評されるステップに加え、ジャンプも好調。
自己最高点をマークした。
表現力はもともと抜群だ。
右ひざ前十字靱帯断裂の大けがと辛いリハビリを乗り越えた経験が強じんな精神力をもたらしたのか。
きょうのフリーの演技が非常に楽しみだ。
有給休暇を取り、テレビにくぎ付けになるファンもいる。

が、高橋大輔は難しい判断を迫られる。
実は、男子はオリンピックで一度もメダルを取っていない。
フリーには、日本勢にとり初のメダル獲得がかかっている。
エフゲニー・プルシェンコは、「4回転を跳ばなければ、男じゃない」と言い切り、メダル圏内のライバルを挑発した。
4回転勝負に持ち込めば、メダル争いで有利になるからだ。

フィギュアスケート男子シングルは、ショートプログラムとフリーに1日の間隔が空いたことで“心理戦”の様相を帯びてきた。
高橋大輔は考えを整理し、演技に臨まなくてなるまい。
守りの3回転で銀メダルを狙う、悪くても銅メダルを取るという選択も…。
確実性を重視するのだ。
何せフリーは、高橋大輔が強みとする表現のウエイトが大きい。
そして、高得点でエフゲニー・プルシェンコにプレッシャーをかける。
ひょっとすると…。

私は思う。
4回転ジャンプは練習でほぼ成功するレベルでなくては、本番で使うのは危険だ。
失敗すれば、すべてのメダルを失う。
恐らくもっともいけないのは、迷いだ。

上位3選手が揃ってのインタビューで、高橋大輔は4回転へのこだわりを口にした。
リスクを承知で、あくまで頂点「金メダル」を目指すようだ。
4回転を跳ばない王者はイメージできないのか。
賭けに近いが、攻めに徹する。
その心意気やよし。
皆で声援を送ろう。

なお、関大所属の織田信成(おだ・のぶなり)は84.85点で4位。
厳しいとはいえ、金メダルはぎりぎり射程圏内。
一か八かの大勝負をかけざるをえない立場であり、いい意味での開き直りが可能だ。
織田信長の末裔・織田信成は一発逆転の“天下獲り”を目論む。
戦国模様の男子フィギュアで風雲児となれるか。

                       ◇

バンクーバー冬季五輪に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年2月13日「バンクーバー五輪開幕、日本メダル予想」はこちら。
⇒2010年2月14日「モーグル上村愛子、ソチ3位へ挑戦?」はこちら。
⇒2010年2月16日「男子5百歓喜、長島銀、加藤銅メダル」はこちら。
⇒2010年2月17日「男子フィギュアSP、高橋3位、織田4位」はこちら。
⇒2010年2月18日「日本電産・永守重信、メダルに報奨金」はこちら。

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