バンクーバー冬季五輪(オリンピック)は後半戦に突入した。
早朝、ノルディックスキー・ジャンプのラージヒルの決勝がウィスラー・オリンピックパークで行われた。
私は日中、雑用で汗をかいて疲れていた。
眠い目をこすりながら1回目を見た。
応援むなしく日本の2選手は失敗ジャンプに終わった。
葛西紀明(かさい・のりあき)は121.5メートルで21位。
きのう、予選トップとなる142.5メートルの大ジャンプを飛んだせいか、気負いや力みがあった?
平常心で競技に臨むのは難しい。
伊東大貴(いとう・だいき)は117メートルで30位。
私は力が尽きて眠りに落ちた。
しかし、2回目…。
伊東大貴は128メートル50で20位。
最下位から巻き返し。
葛西紀明は開き直れたのか135メートルを飛び、239.2点で8位に入賞した。
2回目では4番目、1回目から13人抜き。
6大会連続出場も個人種目のメダルに手が届かなかったが、何とか意地は見せた。
残す団体戦で頑張ってほしい。
金メダルは、スイスのシモン・アマン。
やっぱり…。
1回目に144メートルの最長不倒、2回目に138メートルを飛んだ。
2002年ソルトレイクシティ五輪に次いで、ノーマルヒルとラージヒルの個人2冠を達成。
ジャンプで個人最多の金メダル4個。
図抜けている。
銀メダルは、ポーランドのアダム・マリシュ。
銅メダルは、オーストリアのグレゴア・シュリーレンツァウアー。
驚くことに、メダリストはノーマルヒルと順序を含め、まったく同じ顔ぶれだ。
◇
今夜9時、NHKスペシャル「浅田真央 金メダルへの闘い」が放映される。
50分弱の特集番組だ。
バンクーバー冬季五輪(オリンピック)、女子フィギュアスケート代表、浅田真央(あさだ・まお)。
中京大学に在学。
大地真央(だいち・まお)ファンの父親が名付けた。
上村愛子(うえむら・あいこ)と高橋大輔(たかはし・だいすけ)とともに金メダルの期待を背負い、五輪に臨む。
昨秋から、タチアナ・タラソワコーチと二人三脚で頂点に立つためのプログラムづくりを進めてきた。
カギとなるのは、フリーで行うラフマニノフの「鐘(かね)」の演技である。
日本経済新聞の番組欄によれば、「独占!極秘練習全記録 強敵キム・ヨナの秘策 決選間近!真央の決意」。
浅田真央は成田を出発し、バンクーバーに到着した。
出迎えた報道陣に改めて「金メダルがほしい」と語った。
今シーズン、武器となる3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)が不調なのが気がかり。
本番では、ショートプログラム(SP)で1回、フリーで2回跳ぶ。
それをきちんと決められるなら、金メダルに限りなく近づく。
最大のライバル、世界女王・韓国のキム・ヨナもバンクーバー入りし、練習した。
二人は19歳の同年齢。
浅田真央がオリンピックで勝つには、持ち前の技術と演技力をブラッシュアップし、究極の演技を披露しなければならない。
可憐なイメージを脱ぎ捨て、荘厳な「鐘」の曲に合わせた厳しい表情と表現を打ち出す。
はたしてリンクで別人になり切れるか。
それは賭けだ。
NHKは一年以上にわたり、浅田真央の金メダルへ向けた取り組みを追いかけてきた。
知られざる戦いの全容が明かされる。
私はとても楽しみだ。
4年に一度、世界の一流選手が集うオリンピック。
入賞するのは大変である。
まして、銅メダル、銀メダルを獲得するのは至難である。
しかし、国民が無条件で熱狂するのは金メダルである。
2006年トリノ五輪、日本代表はわずかメダル1個に留まった。
が、それが金メダルであり、しかも国民が諦めていた大会終盤に決まったものだから、喜びが爆発した。
荒川静香(あらかわ・しずか)は一躍スターになった。
オリンピック史上もっともエレガントなスケーティングだった。
私は、浅田真央にこれ以上プレッシャーをかけてはいけないと思いつつ、金メダルを期待してしまう。
安藤美姫(あんどう・みき)と競り合い、二人ともメダルを目指すような試合展開になれば、最高の結果がついてくるかもしれない。
五輪出場2度目の安藤美姫は日本勢が揃っての会見で、「いい作品を滑れるように…」と語った。
私は「作品」という言葉に、彼女の思いを感じ取った。
安藤美姫は一足早くバンクーバー入りし、調整していた。
浅田真央よりもマスコミの注目度が低く、わりと静かに本番を迎えられる環境にある。
所属はトヨタ自動車。
鈴木明子(すずき・あきこ)は最近まで無名。
スランプから深刻な摂食障害に陥り、47キログラムあった体重が32キログラムに落ちた。
しかし、どん底から這い上がり、五輪代表の座をつかんだ。
所属は邦和スポーツランド。
女子フィギュアスケートは男子と同様、3選手全員が入賞の実力を備えている。
日本女子よ、大舞台で華麗な舞を見せてほしい。
◇
バンクーバー冬季五輪に関するブログは以下のとおり。
⇒2010年2月13日「バンクーバー五輪開幕、日本メダル予想」はこちら。
⇒2010年2月14日「モーグル上村愛子、ソチ3位へ挑戦?」はこちら。
⇒2010年2月16日「男子5百歓喜、長島銀、加藤銅メダル」はこちら。
⇒2010年2月17日「男子フィギュアSP、高橋3位、織田4位」はこちら。
⇒2010年2月18日「日本電産・永守重信、メダルに報奨金」はこちら。
⇒2010年2月19日「高橋大輔、攻めか守りかメダル予想」はこちら。
⇒2010年2月19日「高橋大輔、4回転失敗も銅メダル!」はこちら。
⇒2010年2月21日「葛西紀明、伊東大貴…ラージヒル決勝」はこちら。
◆書き加え
NHKスペシャル「浅田真央 金メダルへの闘い」を見た。
といっても仕事をしながら…。
貧乏暇なし。
浅田真央は、11人のオリンピック金メダリストをつくり出してきたタチアナ・タラソワコーチの指導のもと、従来の選曲と正反対ともいえるラフマニノフの「鐘」の練習に挑んでいた。
リスクが大きい。
この間、報道陣に公開されたのはエキシビションの練習だけ。
新しい「浅田真央」を隠し、披露時にあっといわせる作戦だった。
タラソワコーチが厳しく注文を付けたのは、つなぎの部分。
実は、時間にするとかなり大きい。
しかし、ここでの加点を目論んで演技の切れ目をなくそうとすると、スケーターは精神的にも肉体的にも限界になる。
金メダルを獲るためとはいえ、浅田真央にとり過酷なプログラムだ。
タラソワコーチは、「あなたは一番強い人間よ」。
浅田真央は筋力トレーニングにも励んでいたのだ。
審査は、技術点と演技構成点。
言い換えれば、ジャンプと表現。
どちらかに集中すると、一方が疎かになる。
この両立を高水準で図るのはきわめて難しい。
韓国のキム・ヨナは、女子で初めて200点超えを果たした。
浅田真央は大差をつけられた。
フランス大会ではさらに広がった。
ロシア大会ではジャンプをまったく決められない。
バンクーバー五輪直前にしてスケート人生最大のスランプに陥ってしまった。
浅田真央はマスコミの前から2カ月姿を消し、鐘を滑り込んだ。
そして、五輪代表選考会を兼ねた全日本選手権ではほぼノーミスの演技で4年連続4度目の優勝を遂げた。
これがラストチャンスだったのだ。
しかも204.62点で自己最高をマークした。
女子フィギュアスケートは24日にショートプログラム(SP)、25日にフリーが行われる。
審査員の採点が観客の盛り上がりで左右されるとは思わないが、鐘は重い曲調である。
芸術性に優れるが、会場全体を巻き込みにくい。
ポピュラーなクラシックでなく、素人受けが望めない。
フリーの得点はどうだろう?
私は、バンクーバー五輪の大舞台で浅田真央の努力が実ることを心より願う。
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早朝、ノルディックスキー・ジャンプのラージヒルの決勝がウィスラー・オリンピックパークで行われた。
私は日中、雑用で汗をかいて疲れていた。
眠い目をこすりながら1回目を見た。
応援むなしく日本の2選手は失敗ジャンプに終わった。
葛西紀明(かさい・のりあき)は121.5メートルで21位。
きのう、予選トップとなる142.5メートルの大ジャンプを飛んだせいか、気負いや力みがあった?
平常心で競技に臨むのは難しい。
伊東大貴(いとう・だいき)は117メートルで30位。
私は力が尽きて眠りに落ちた。
しかし、2回目…。
伊東大貴は128メートル50で20位。
最下位から巻き返し。
葛西紀明は開き直れたのか135メートルを飛び、239.2点で8位に入賞した。
2回目では4番目、1回目から13人抜き。
6大会連続出場も個人種目のメダルに手が届かなかったが、何とか意地は見せた。
残す団体戦で頑張ってほしい。
金メダルは、スイスのシモン・アマン。
やっぱり…。
1回目に144メートルの最長不倒、2回目に138メートルを飛んだ。
2002年ソルトレイクシティ五輪に次いで、ノーマルヒルとラージヒルの個人2冠を達成。
ジャンプで個人最多の金メダル4個。
図抜けている。
銀メダルは、ポーランドのアダム・マリシュ。
銅メダルは、オーストリアのグレゴア・シュリーレンツァウアー。
驚くことに、メダリストはノーマルヒルと順序を含め、まったく同じ顔ぶれだ。
◇
今夜9時、NHKスペシャル「浅田真央 金メダルへの闘い」が放映される。
50分弱の特集番組だ。
バンクーバー冬季五輪(オリンピック)、女子フィギュアスケート代表、浅田真央(あさだ・まお)。
中京大学に在学。
大地真央(だいち・まお)ファンの父親が名付けた。
上村愛子(うえむら・あいこ)と高橋大輔(たかはし・だいすけ)とともに金メダルの期待を背負い、五輪に臨む。
昨秋から、タチアナ・タラソワコーチと二人三脚で頂点に立つためのプログラムづくりを進めてきた。
カギとなるのは、フリーで行うラフマニノフの「鐘(かね)」の演技である。
日本経済新聞の番組欄によれば、「独占!極秘練習全記録 強敵キム・ヨナの秘策 決選間近!真央の決意」。
浅田真央は成田を出発し、バンクーバーに到着した。
出迎えた報道陣に改めて「金メダルがほしい」と語った。
今シーズン、武器となる3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)が不調なのが気がかり。
本番では、ショートプログラム(SP)で1回、フリーで2回跳ぶ。
それをきちんと決められるなら、金メダルに限りなく近づく。
最大のライバル、世界女王・韓国のキム・ヨナもバンクーバー入りし、練習した。
二人は19歳の同年齢。
浅田真央がオリンピックで勝つには、持ち前の技術と演技力をブラッシュアップし、究極の演技を披露しなければならない。
可憐なイメージを脱ぎ捨て、荘厳な「鐘」の曲に合わせた厳しい表情と表現を打ち出す。
はたしてリンクで別人になり切れるか。
それは賭けだ。
NHKは一年以上にわたり、浅田真央の金メダルへ向けた取り組みを追いかけてきた。
知られざる戦いの全容が明かされる。
私はとても楽しみだ。
4年に一度、世界の一流選手が集うオリンピック。
入賞するのは大変である。
まして、銅メダル、銀メダルを獲得するのは至難である。
しかし、国民が無条件で熱狂するのは金メダルである。
2006年トリノ五輪、日本代表はわずかメダル1個に留まった。
が、それが金メダルであり、しかも国民が諦めていた大会終盤に決まったものだから、喜びが爆発した。
荒川静香(あらかわ・しずか)は一躍スターになった。
オリンピック史上もっともエレガントなスケーティングだった。
私は、浅田真央にこれ以上プレッシャーをかけてはいけないと思いつつ、金メダルを期待してしまう。
安藤美姫(あんどう・みき)と競り合い、二人ともメダルを目指すような試合展開になれば、最高の結果がついてくるかもしれない。
五輪出場2度目の安藤美姫は日本勢が揃っての会見で、「いい作品を滑れるように…」と語った。
私は「作品」という言葉に、彼女の思いを感じ取った。
安藤美姫は一足早くバンクーバー入りし、調整していた。
浅田真央よりもマスコミの注目度が低く、わりと静かに本番を迎えられる環境にある。
所属はトヨタ自動車。
鈴木明子(すずき・あきこ)は最近まで無名。
スランプから深刻な摂食障害に陥り、47キログラムあった体重が32キログラムに落ちた。
しかし、どん底から這い上がり、五輪代表の座をつかんだ。
所属は邦和スポーツランド。
女子フィギュアスケートは男子と同様、3選手全員が入賞の実力を備えている。
日本女子よ、大舞台で華麗な舞を見せてほしい。
◇
バンクーバー冬季五輪に関するブログは以下のとおり。
⇒2010年2月13日「バンクーバー五輪開幕、日本メダル予想」はこちら。
⇒2010年2月14日「モーグル上村愛子、ソチ3位へ挑戦?」はこちら。
⇒2010年2月16日「男子5百歓喜、長島銀、加藤銅メダル」はこちら。
⇒2010年2月17日「男子フィギュアSP、高橋3位、織田4位」はこちら。
⇒2010年2月18日「日本電産・永守重信、メダルに報奨金」はこちら。
⇒2010年2月19日「高橋大輔、攻めか守りかメダル予想」はこちら。
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NHKスペシャル「浅田真央 金メダルへの闘い」を見た。
といっても仕事をしながら…。
貧乏暇なし。
浅田真央は、11人のオリンピック金メダリストをつくり出してきたタチアナ・タラソワコーチの指導のもと、従来の選曲と正反対ともいえるラフマニノフの「鐘」の練習に挑んでいた。
リスクが大きい。
この間、報道陣に公開されたのはエキシビションの練習だけ。
新しい「浅田真央」を隠し、披露時にあっといわせる作戦だった。
タラソワコーチが厳しく注文を付けたのは、つなぎの部分。
実は、時間にするとかなり大きい。
しかし、ここでの加点を目論んで演技の切れ目をなくそうとすると、スケーターは精神的にも肉体的にも限界になる。
金メダルを獲るためとはいえ、浅田真央にとり過酷なプログラムだ。
タラソワコーチは、「あなたは一番強い人間よ」。
浅田真央は筋力トレーニングにも励んでいたのだ。
審査は、技術点と演技構成点。
言い換えれば、ジャンプと表現。
どちらかに集中すると、一方が疎かになる。
この両立を高水準で図るのはきわめて難しい。
韓国のキム・ヨナは、女子で初めて200点超えを果たした。
浅田真央は大差をつけられた。
フランス大会ではさらに広がった。
ロシア大会ではジャンプをまったく決められない。
バンクーバー五輪直前にしてスケート人生最大のスランプに陥ってしまった。
浅田真央はマスコミの前から2カ月姿を消し、鐘を滑り込んだ。
そして、五輪代表選考会を兼ねた全日本選手権ではほぼノーミスの演技で4年連続4度目の優勝を遂げた。
これがラストチャンスだったのだ。
しかも204.62点で自己最高をマークした。
女子フィギュアスケートは24日にショートプログラム(SP)、25日にフリーが行われる。
審査員の採点が観客の盛り上がりで左右されるとは思わないが、鐘は重い曲調である。
芸術性に優れるが、会場全体を巻き込みにくい。
ポピュラーなクラシックでなく、素人受けが望めない。
フリーの得点はどうだろう?
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