私は先週から今週まで予定が変わり、ばたばたになった。
このブログで連載再開を明言した「新聞奨学生物語」は、約束を守れないまま…。
最近は書き溜めたブログをおもにアップしている。

1996〜97年頃だったか、ゴールデンウイークに東京タワーで「ペット」のフェアをやっていた(春休みでなかったと思う)。
多くのペットショップが出店する。
私は家族全員で出かけた。

きっかけは、再婚した妻と前妻の子どもの距離を縮められるならと思ったこと。
互いの関心が一つに向かえば、そこで会話や交流が生まれる。
初婚にもかかわらず、これから一番難しい時期を迎える3人の子持ちに嫁いでくれたことに感謝した。
苦労は私の想像が及ばないほど大きく、心の負担を少しでも和らげてあげたかった。

その場で、真っ黒なアメリカンショートヘアを買い求めた。
私がケージに近づいたら即座にすり寄ってきた。
数匹の兄弟姉妹の一匹。
小学生時代に捨てネコを飼った経験があり、ネコの性格やら飼い主との相性やらがすぐに分かった。
生後1カ月ちょっとのオス。
迷いはまったくなかった。
ブラックスモーク。
名前は「クロ」。
家族の話題を独り占めした。

チビ1皆があまりの可愛さにとりこになり、その後立てつづけにシルバータビーの「モモ」、ブラウンタビーの「トラ」、ブラックスモークの「チビ」を買い求めた。
モモとトラの順序は逆かもしれない。
わが家は一気に賑やかになり、笑い声があふれた。

私はネコに関する正しい知識がなく、去勢を甘く考えていた。
まだ子どもだと思っていたのに、ふと気づくと、クロがモモのうえに覆いかぶさっていた。
H。
後の祭。
ぞろぞろ5匹が生まれた。
アメリカンショートヘアが9匹に増えた。
妊娠と分かってからは私の部屋に移した。
モモはそこで生み、育てた。
3匹はなぜかブラウンタビー。
2匹はブラックスモーク。
といってもシルバータビーをぐっと黒に近づけた感じで、真っ黒でない。

当時は渋谷・松涛住まい。
4匹は、家の近所の「ヤマザキ動物専門学校」の生徒と、子どもの友人に無料で差しあげた。
凄い人気。
大切にしてくれそうな飼い主が一瞬で見つかった。

huu01妻が全部あげてはモモが可哀想と言うので、1匹を残した。
それがいま私の部屋で暮らしている「フウ」。
メス。13歳か。
「フウちゃん」「フウさん」「プウさん」「プップ」などと呼び方は変わってきた。
グレーがかったブラックスモークなので、アメリカンショートヘア特有の縞模様(柄)はぼんやり浮かぶ。

12年前に現在の横浜・港北ニュータウンに引っ越してきた。
そして5年前にセンター北駅の「ペットエコ」でシルバータビーを買い求めた。
理由は、再婚後の子どもが大人のネコしか知らなかったこと。
キイ妻が幼いネコの愛らしさを見せてやりたいと望んだ。
「キイ」。
メス。
きのうが誕生日。
普段よりちょっぴり贅沢なマグロの缶詰に満足気。

                       ◇

私は猫、とくにアメリカンショートヘアが大好き。
人懐っこさは一番か。

それと、滅茶苦茶癒される。
再建系の営業コンサルタント・講師という仕事柄ピリピリしており、神経が高ぶっている。

出張から戻ると、へとへと。
それでも自宅では深夜まで仕事…。

家族を養うのは大変だ。
私が死に物狂いで働いているというのに、ネコは1日中寝てばかり。
気持ちよさそう。
ときどきいびきをかく。
私の努力とは無関係の世界に生きている。
起きるのはエサと水、トイレ。

私がパソコンに打ち込む傍らで、ネズミと勘違いしてか、マウスの横で眠りこけている。
仕事の邪魔が大好きだ。
癒される。
顔に尻尾を絡ませてきたり、キーボードに手足を延ばしたり…。

いまやアメリカンショートヘアのいない暮らしは想像できない。
フウは膝の上。
熱い。

私にとり、なかでも黒いアメリカンショートヘアは幸運の象徴である。
妻とも話したが、最初のクロに恵まれた。
素晴らしいネコだった。
顔が可愛く、頭がよかった。
娘のフウは父親の血を引いた。
瓜二つ。

おっ、モモもすべてが可愛かった。
心がとても優しかった。
フウは母親の血も引いた。
末期ガンのモモに付き添い、死後に拒食症になった。
フウも一時期、危なかった。

クロとモモ、そしてトラは墓のなかだ。

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