NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が面白い。
世の中は戦後の高度成長に沸き立っていたが、貸本漫画は斜陽になっていた。
村井茂(水木しげる)は仕事に精を出すが、二人の生活はどん底であり、むしろ苦しくなる。
その日の食事に困ることも珍しくなかった。
私は前妻との結婚直後の生活を思い起こさずにいられない。

漫画家は収入の保障がまったくない。
その暮らし振りは、私が経験したフリーランスの駆け出し時代に近かった。
といっても、ゲゲゲの女房は私より15年程さかのぼるので、もっと貧しい。
茂は持ち家ながらマッチ箱のような2階建てで、廃屋状態。

私は借家。
国電三鷹駅から玉川上水沿いに徒歩10分少々の武蔵野市関前1丁目。
辺りは一戸建ての住宅街で、60歳くらいの夫婦が1階の半分を貸していた。
玄関は別。
かつて子ども世帯が住んでいたのだろうか。
古い家屋だった。
が、ボロボロではない。

大家と賃借人の居住スペースの中間に浴室が置かれており、それぞれの扉に引っかけるだけのカギがつけられていた。
風呂に入るときには相手のカギをかけ、出るときには外す。
お湯を替えることはなかった。
茂は、漫画家志望の男に押しかけられ、収入不足もいくらか補えることから間借りを許した。
やはり同じお湯を使った。
おおらかな時代だった…。

主役の松下奈緒は、「ウェルかめ」の倉科カナと対照的である。
眉間にできる長く深いシワが神経質そうだ。
同時に、意志と知性を感じさせる。
とにかく背が高い。
ゲゲゲの女房はそれに強いコンプレックスを持っていたらしい。

村井布美枝は見合いから5日後に結婚し、即上京して結婚生活を始めた。
交際のない男女がいきなり一つ屋根の下に暮らす。
相手のことを何も知らない。
ゆえに、他人行儀…。
そのぎこちなさと戸惑いを、松下奈緒は時代背景も踏まえながら好演している。
番組では二人の距離が少しずつ縮まり、ようやく夫婦らしくなってきたところ。

素敵な女優だ。

                      ◇◆◇

ゲゲゲの女房に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。

Copyright (c)2010 by Sou Wada

人気ブログランキング←応援、よろしく!

三菱UFJ(名古屋)