何事もそうだ。
実際に経験してみると、ずいぶん賢くなる。
覚束ない船出だったが、民主党に政権与党のしたたかな知恵を感じた。
参院選直前に党勢を立て直してみせた。

鳩山由紀夫首相の退陣劇と菅直人首相の誕生劇は見事だった。

民主党が野党時代、鳩山由紀夫代表は、自民党の安倍晋三首相、福田康夫首相の「政権投げ出し」を責めてきた。
ところが、二人とも1年の在職である。
鳩山由紀夫首相は9カ月弱の短命である。

鳩山由紀夫は、おそらくかなり早い段階から総理大臣の座を降りたかった。
しかし、投げ出しと見えるのを避けるため、自らをあえて米軍基地問題で追い込んでいった。
もともと腹案など持っていない。
マスコミに対し、政権担当意欲を示すことも忘れなかった。
そして、最終的に辞任に追い込まれた形を巧みにつくった。
民主党両院議員総会での退陣表明とその後のすっきりした表情といったら…。
本音は辞めたくて辞めたくて仕方がなかった。

⇒2010年5月6日「鳩山首相、自ら内閣総辞職へ道筋」はこちら。

この間、菅直人は副総理の立場にありながら米軍基地問題にだんまりを決め込み、傷を負うことを避けた。
そして、首相の座に上り詰めた。

⇒2010年6月4日「一番総理になりたかった男…菅直人」はこちら。

鳩山由紀夫首相は結局、辞任の記者会見を行わなかった。
これは異例だ。
突っ込まれるのは火を見るよりも明らかであり、それだけは避けた。
結局、鳩山由紀夫内閣の総括が曖昧なうちに菅直人内閣が発足した。

鳩山由紀夫首相が限界まで引っ張り、「脱小沢一郎」を手みやげにしたおかげで、内閣も民主党も支持率が劇的に回復した。
再生の立役者は鳩山由紀夫であり、菅直人でない。
何という皮肉!
ここに現時点の支持率の危うさがある。
それを承知しているから参院選を急ぐ。

⇒2010年6月2日「鳩山由紀夫内閣総辞職へ…総理辞意表明」はこちら。

菅直人首相は直後に国民新党との連立を維持しながら、亀井静香という天敵を退けた。
民主党が有権者に不人気な二人を切り捨てられたのは、参院選の戦いでプラスに働こう。
菅直人首相は失点を防ぐため、多くを語らないのでないか。
単独過半数をしゃにむに取りにいかない。

問題はマニフェストだ。
このブログで再三述べたとおり、民主党は昨夏の衆院選、デタラメな政権公約で圧勝を収めた。
ばらまきの迎合で一票を買い漁った格好。
これを議員がやれば捕まるが、政党がやると捕まらない。
だが、同じ手は使えない。
国を滅ぼす。

⇒2010年6月13日「子ども手当は子どもが返せ…友愛の正体」はこちら。

1年前の看板政策を相次いで引っ込めるようだと、投票結果が変わるかもしれない。
小さな波乱くらいは起こる余地が残されている。
しかし、推進力となる政党が見つからない。

⇒2010年6月9日「目玉政策撤回なら衆院解散総選挙を!」はこちら。

「霞が関の大掃除」などという威勢のいい掛け声はついぞ聞かなくなった。
あれはいったい何だったのか。
まだ1年も経っていない。

第22回参議院議員通常選挙の投票日は7月11日(日)になる模様だ。
私たちは、現下の日本において“うまいだけの話”は絶対にないと肝に銘じてマニフェストを検証しなくてならない。
日本の財政を考えるなら、有権者にいい顔をする政治家と政党は信用できない。
官僚を含めて自らにどれくらい切り込むかで投票先を選ぶべきである。

                       ◇

官から民へ。
小さな政府へ。
道州制へ。
議員は定数半分以下、在職期間10年以下、報酬半分以下へ。

きわめて大雑把に示したが、これくらいのことはやって当然だろう。
私は自らを削る政治家と政党だけが唯一、日本を救うと考える。

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