2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会。
決勝トーナメント、日本代表の戦いは1回戦で終わった。
「ベスト8入り」という、新たな歴史の扉を開けることはできなかった。
しかし、侍ジャパンは国中を熱狂させ、国民を寝不足にした。
激戦、お疲れさま。

                       ◇

日本代表がきのうの夕方に帰国し、歓声と拍手の出迎えに包まれた。
関西国際空港には大勢のサポーターが詰めかけ、チームの絆と健闘を称えた。
そして、空港内のホテルでの記者会見に臨んだ(田中マルクス闘莉王は父親の看病のためにブラジルへ直行)。
「サムライブルー帰国会見」。

岡田武史監督は、「われわれの予定より早い帰国になってしまった。せめてもう一試合やらせてやりたかった」。
「チームが勝つために何をすべきか。ゲームに出なかった選手を含め、一人ひとりが考え、行動する素晴らしいチームだった」。
「日本人の魂を持って戦ってくれた。選手を誇りに思う」。
ゲームキャプテン・長谷部誠(はせべ・まこと)は、「このチームとスタッフで戦えて幸せだった」。

岡田監督によれば、アジアのチームに共通する決定力のなさを前提に、どうすれば勝てるかを全員が考えた結果が決勝トーナメントの進出につながった。
今後の強化については、親善試合でなく世界の厳しい舞台をもっと経験させられるなら、選手はかならず伸びる。

MF本田圭佑によれば、達成感より残念な気持ちが強い。
後ろがしっかりしており、1トップでも楽だった。
この先、柔軟かつハングリーに成長したい。

⇒2010年6月29日「本田圭佑侍ジャパン進化…W杯パラグアイ戦」はこちら。

GK川島永嗣によれば、日本を背負っていくという強い気持ちで臨んだ。
が、2失点の堅守は皆の結束力のおかげ。

日本代表は運動量で負けていなかった。
選手らがもっとも感じていることだが、ゴール(得点)を挙げる能力を高めたい。

岡田監督は自らの進退について、「これを最後の仕事と思い、全身全霊を傾けてやってきた。監督を続けるパワーは残っていない」。
が、将来、代表監督に就任する意思はあると、私は思った。
この男はサッカーが好きなのだ。

⇒2010年6月30日「W杯岡田ジャパンの死闘…評価と次期監督」はこちら。

記者会見では今野泰幸(こんの・やすゆき)の面白くないモノマネなども披露され、一同爆笑。
チームメートはライバルなのに、チームワークのよさが伝わってきた。
岡田監督の手腕、コーチやスタッフの尽力だ。

なお、PKを外した駒野友一は大丈夫そう。

W杯でのサムライブルーの活躍は、元気のない日本人に夢と希望を与えた。
サッカー選手を目指す子どもたちが増えたのは間違いない。

                       ◇

私が気になったのが、MF遠藤保仁(えんどう・やすひと)。
30歳。
現役であるかぎり何回でもW杯にチャレンジしたいと明言した。
2014W杯ブラジル大会では34歳。

遠藤保仁は岡田監督から全幅の信頼を寄せられ、チームの“心臓”としてピッチを駆け回った。
どこかで知ったが、運動量が日本選手のなかで一番多い。
グループリーグの3試合で30キロメートル以上を走った。
1試合10キロメートル強。

マラソンと比べれば、たいした距離でないと思うかもしれない。
しかし、ゲームを通じてスピードの変更(緩急)、走行方向の変更、急発進・急加速・急停止の繰り返し。
持久力は当然として「瞬発力」が求められる。
この間、相手との接触・衝突は絶えることがない。
それを考えれば、凄まじい距離である。
足や腰など、全身にかかる負荷はいかばかり?

遠藤保仁は、2006W杯ドイツ大会では一度もピッチに立てなかった。
高校野球「夏の甲子園」など、チーム競技の大会にはつきものといえ、親を呼び寄せているだけに悔しさが募っただろう。
それを本大会で晴らすことができた。

ゴールを決めたデンマーク戦、母がテレビのインタビューに答えていた。
嬉しそうな顔といったら…。
親孝行だ。

◆書き加え1

ウィキペディアで調べたところでは、遠藤保仁はJリーグアウォーズで年間ベストイレブンに選出されている。
2003年〜2009年の7年連続は、受賞回数と連続受賞回数の最高記録だ。
また、昨年はAFCからアジア年間最優秀選手に選出された。
日本人では三浦知良や中田英寿などに続いて5人目の受賞だ。
実績は群を抜く。

遠藤保仁はやや丸顔、おかっぱ頭でないが女の子みたいなヘアースタイル(私が単に古いのか…)。
かわいらしい印象を持ってしまうが、私は表情をよく見ていて相当な「負けず嫌い」と分かった。

実際、攻撃的なスタイルが持ち味。
クラブでも代表でもチームの中核として、ほとんどの試合でフル出場している。
プレー時間と運動量が特別に長いため、疲労の蓄積が心配されるようになった。
身体系の不具合はないようだが、内科系のアクシデントに見舞われたことがあった。

スポーツ選手は30歳を超えると“衰え”と向き合う。
ましてサッカーは非常に激しい。
遠藤保仁が掲げる34歳でのW杯出場には、摂生を含めたセルフコントロールが大事になる。
体調や体力と相談し、ときにブレーキをかける。
が、性格的にそれはできないのでないか…。
サムライなのだ。

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