私は、少なくとも私が生きている間、日本は生活水準が毎年下落していくと思っている。
しかも、この年齢なので、それを受け入れるしかないと覚悟を決めている。
むろん、頑張れるうちは“自助努力”を怠らない。
子どもが小さく、暮らし振りを諦めるわけにいかない。
また、老後の備えもこれからだ。

が、「あしたはかならず悪くなる」。
直感で、こうした状態は半世紀くらい続く。

若い世代は日本を見切り、新天地へ飛び出すのか。
それも時代の必然である。

                       ◇

ここまでは去年の走り書きだ。

ところが、若い世代が海外に行きたがらない。
海外とは、おもに伸長余地の大きい新興国になる。
これには後進国(この言葉は使われないようになった)も含まれる。

テレビ報道で知ったが、若手に赴任を命じると、会社を辞めてしまう。
所帯を持っているとは限らない。
「いやです」との言葉が返ってくることが珍しくないようだ。
向こうでの仕事や生活に不安を感じるというより「恐怖」を覚える。

日本を飛び出す際にもっともネックになるのは、私たちの“内向性”だろう。
日本人は、周囲を海で囲まれた島国の民族であり、異なる民族や文化との交流をほとんど経験してこなかった。
ネットで以前、「英語を第二公用語にすべき」という記事を見たことがあり、その意図は分からなくもない。

カジュアル衣料のユニクロを展開するファーストリテイリングは、柳井正代表取締役会長兼社長が海外出店を加速させようと、社内スローガンに「民族大移動」を掲げている。
これも内なる閉鎖性の打破を誓うものだ。
移動できない社員はいらないというメッセージである。

しかし、若い世代が海外へ移ることをひどく嫌う状態がいつまで続くかは分からない。
目に見えて生活水準が落ちてきたとき、あるいは先行きに何の希望も持てなくなったとき、彼らの意識や考え方は変わるかもしれない。
また、そうしないと生きていけない時代が来るかもしれない。

日本人の前途は多難だ。

                       ◇

テレビ東京の人気番組「カンブリア宮殿」での村上龍と柳井正のやり取りに関するブログは以下のとおり。
サラリーマンにとり衝撃的な内容だった。

⇒2010年6月30日「サラリーマン不要論…柳井正」はこちら。

◆書き加え1

2日程前に知った。
インターネット上に商店街を運営する楽天は、三木谷浩史代表取締役会長兼社長が「海外展開は楽天にとりオプションでなくマスト」とし、「日本企業をやめて世界企業になる」と宣言した。
ユニクロ同様、海外事業を加速させる。
それにともない、社内(グループ)の公用語を「英語」へ段階的に、しかし早急に切り替える。

私は、伸びる企業に共通する経営の意思の“分かりやすさ”を感じる。
三木谷浩史代表はいささか乱暴を承知のうえで思い切った社内改革・革新・刷新に取り組み、それを成し遂げる。
スピード重視!

仕事とは突き詰めていくと、コミュニケーションである。
英語の社内公用語化は、スタイルや行動の変更だ。
しかし、見える“形”を変えれば“中身”が変わるのは確かであり、それにより社員の意識さらに意欲を変えられる。

ユニクロもまもなく社内(グループ)の公用語を英語に切り替える。
両社は、グローバル化に対応しうる言語の共通化が緊急度の高い経営課題と判断した。
全従業員を英語漬けにする。

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