私たちはモノを買わなくなった。
そう言われるようになって久しい。
なかでも「若者」については顕著である。
これには所有から利用へという、私たちの「価値観」の変化が根底にある。
しかし、それだけでは説明がつかない。

私たちは今日、「経済」ときわめて密接に関わりながら生きている。
自分では意識していなくても、雇用や所得の状況、動向などに強い影響を受けている。
それらと切り離し、生活を考えることができない。

若者がモノを「買わなくなった」のは確かだが、「買えなくなった」のも事実である。
雇用が安定し、所得が増加するなら、きっとモノを買う。
まして、将来への不安が解消されるなら…。

「若者はモノを買わないのか、モノを買えないのか」と問われれば、両方だろう。

人は、買いたくても買えない状態が長く続くと、「物欲」を忘れてしまう。
よく耳にする言葉、「買いたいモノがない」。
若者がそう思い込んでいる可能性がある。

Copyright (c)2010 by Sou Wada

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