NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」。
講談社の「少年マガジン」は百万部を突破した。
水木しげるも快進撃に貢献した。
同誌の看板作家の一人になった。
漫画が実写版ながらテレビ放送され、しかも人気で連続放送が決まった。

水木家から貧乏神が逃げ出した。
壮絶な努力で追い払ったともいえるが、編集長との出会いが大きかった。
世の中、自分の頑張りだけではどうにもならないことが少なくない。

水木しげるは一転して売れっ子漫画家になり、仕事が殺到した。
一人ではこなせず、株式会社水木プロダクションを立ち上げた。
3名のアシスタント、1名の経理(村井茂の兄嫁)が加わり、狭いボロ屋のなかは混乱を極めた。
仕事がうまく回らない。
また、家族が暮らす場所を失った。
水木しげるは自宅を改築し、生活と仕事のスペースを切り分けた。
さらに、1名の家事手伝い(村井布美枝の妹)が加わる。

水木プロダクションは締め切りに追われる職場に特有の異様な活気が溢れる。
私は懐かしい…。

水木しげるは、次女「喜子(よしこ)」が帝王切開で生まれたというのに、妻が自宅に戻ってくるまでほっぽらかし。

                       ◇

ゲゲゲの女房を見て気づいたのは、自分に締め切り仕事が合っていることだった。
水木しげるはそれがなくても頑張れる。
私は、働くよりも遊ぶほうが好きだ。
単にゆとりがなかったから働きつづけた。
早く遊べるようになりたいとの気持ちで頑張った。
本質的に怠け者だ。

私はプランナー時代、水木しげるのように何本も仕事(といっても企画業務)を抱え、並行して進めていた。
毎日が締め切りとの戦いであり、極端な睡眠不足が十余年に及んだ。

40歳。
私は体力が衰え、商売替えを決意した。
そして、著作の刊行を踏み台にコンサルタント、さらに講師の道を歩んだ。
軌道に乗るまでは大変だったが、40代半ば頃から食べていけるようになった。

講師は実際に引き受けてみると、きわめて重労働だった。
また、高熱が出ようが、絶対に休めない。
しかし、仕事から厳しい締め切りが消えた。
体調に万全の注意は払うにしろ、1年中飛び回っていてもマイペースは保てるようになった。

だが、私はそれに慣れ切り、自らの意思で成し遂げるべき仕事を先延ばしにした。
15年近くを振り返って反省するのは、2冊しか本を出せなかったことだ。
自分で締め切りを設けなくては、とても原稿は書き終えられない。

私はだれかが追い込んでくれないと、踏ん張りが利かない。
仕事がたらたら、ずるずるになってしまう。
自分に鞭を入れることができないのだ。

ここ3年ほど本を出そう、自分商品を出そうと誓いながら、いつまで経っても果たせない。
最近では妻も子どもも諦め顔だ。
とくに子どもは意志が非常に強く、しかも物事を計画的に進めるので、呆れている。
私はそろそろボケが始まる…。

                       ◇

インターネットで調べたら、「株式会社水木プロダクション」は調布市に実在し存続しているようだ。
1922年生まれの水木しげるは現在も漫画を描くことがあるらしい。

水木しげる(武良茂/むら・しげる)の公式サイトは「げげげ通信」。
奥様(武良布枝/むら・ぬのえ)の素顔(横顔)が載っている。

ドラマの原作(原案)となった武良布枝著『ゲゲゲの女房』が売れているようだ。
実業之日本社刊行。

                      ◇◆◇

「ゲゲゲの女房」に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。

⇒2010年5月19日「松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する」はこちら。

⇒2010年5月20日「ゲゲゲの女房、小銭入れが空っぽの極貧」はこちら。

⇒2010年5月30日「ふすま一枚の地獄…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月6日「ゲゲゲ原稿料を払ってもらえない」はこちら。

⇒2010年6月8日「松下奈緒と向井理が好演…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月12日「松下奈緒 ゲゲゲの女房 人気シーン」はこちら。

⇒2010年6月14日「ゲゲゲゲラが出た…私は初校で校了」はこちら。

⇒2010年6月17日「ゲゲゲ、人気ラーメン店の行列が消えた」はこちら。

⇒2010年7月5日「向井理の好演、村井茂の名言…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年7月15日「ゲゲゲ水木しげる、少年マガジンデビュー」はこちら。

⇒2010年7月17日「ゲゲゲ水木しげる、テレビくん児童漫画賞受賞」はこちら。

⇒2010年7月24日「水木プロダクション旗揚げ…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年7月31日「ボチェッリが歌う吉岡聖恵・ありがとう」はこちら。

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