NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」。
村井茂(向井理)が率いる株式会社水木プロダクションは仕事が殺到し、アシスタントが数名に達した。
調布の自宅を増改築した。
茂の両親を受け入れたことも2度目の増改築に踏み切ったきっかけだった。
2世帯住宅兼仕事場へ。
お陰で“迷路”みたい。

水木しげるは一躍、売れっ子漫画家になり、テレビでアニメ化までされている。
私が味わった金銭の心配と無縁だと思い込んでいた。

30年以上前、フリーランスのプランナーだった私は仕事が増え、都心にオフィスを構えた。
勝負だった。
すると、さらに仕事が増えた。
十本くらい仕事を並行して進めることもあった。
それをこなすため、アシスタントをどんどん入れた。
そして、彼らの頑張りに報いたくて、給料を弾んだ。
オフィス関連費や人件費の膨張で収入の増加がかき消された。
火の車の月などは、人を食べさせるために働いているのでないかと落ち込んだりした。

ところが…。
私は、村井布美枝(松下奈緒)と長女の藍子がダイニングで交わした会話が印象に残った。
茂の母が徹夜続きの息子に精をつけさせようと、連日「うなぎ」を買ってくる。
代金を払うのはもちろん布美枝。
彼女がこう毎日だとつらいとつぶやいたとき、藍子が「うち、おかね、ないの」。
子どもは敏感である。
増改築代や人件費など、支出がかさんでいた。
売り上げは大きく伸びたが、出ていくものも負けないくらい増えた。
何だ、台所事情は私とたいして変わらない。
職場の活気ほどには儲かっていないのだった。

貧乏神が出ていった水木家は、資金繰りの苦労に取り付かれるようになった。
私の場合、アシスタントは求人広告で募集することもあった。
費用がバカにならない。

                       ◇

サラリーマンはどんなに忙しくても1年中、徹夜に近い状態はない。
私は当時、無休。
正月もGWも盆もなし。
しかし、フリーランスでは珍しくない。

正味の労働が少ない日で16時間、多い日で22時間。
後者は“完徹”。
睡眠は平均してせいぜい3〜4時間。
いつも顔は土色だった。

当然、自宅兼仕事場もしくはオフィス泊まり込みでないと不可能だ。
私はたまにしか三鷹の自宅(間借り)に戻れなくなっていった。

                      ◇◆◇

「ゲゲゲの女房」に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。

⇒2010年5月19日「松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する」はこちら。

⇒2010年5月20日「ゲゲゲの女房、小銭入れが空っぽの極貧」はこちら。

⇒2010年5月30日「ふすま一枚の地獄…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月6日「ゲゲゲ原稿料を払ってもらえない」はこちら。

⇒2010年6月8日「松下奈緒と向井理が好演…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月12日「松下奈緒 ゲゲゲの女房 人気シーン」はこちら。

⇒2010年6月14日「ゲゲゲゲラが出た…私は初校で校了」はこちら。

⇒2010年6月17日「ゲゲゲ、人気ラーメン店の行列が消えた」はこちら。

⇒2010年7月5日「向井理の好演、村井茂の名言…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年7月15日「ゲゲゲ水木しげる、少年マガジンデビュー」はこちら。

⇒2010年7月17日「ゲゲゲ水木しげる、テレビくん児童漫画賞受賞」はこちら。

⇒2010年7月24日「水木プロダクション旗揚げ…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年7月31日「ボチェッリが歌う吉岡聖恵・ありがとう」はこちら。

⇒2010年8月5日「水木プロダクション異様な活気…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年8月9日「ゲゲゲの鬼太郎へ題名変更…主題歌もヒット」はこちら。

Copyright (c)2009 by Sou Wada

人気ブログランキング←応援、よろしく!