サラ・ブライトマン(Sarah Brightman)といえば、「タイム・トゥ・セイ・グッバイ(Time To Say Goodbye)」。
全世界で千5百万枚を超えるセールスを記録した。
歌声はオペラ歌手のように澄み切っているというより、人々を魅了してやまないという形容がぴったり。
すーっと体に入り、心をつかむ。

ユーチューブの動画にコメントが寄せられていた。
私は英語が分からず、こんな趣旨でなかろうかという推測。
「歌が完璧(パーフェクト)なわけでない。彼女は完全主義者にすぎない」。
ずばり限界を突いた。
しかし、歌に限らず、その道を極めようとすれば際限がない。

それでも私はサラ・ブライトマンの「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」は完璧だと思う。
この曲はこの人のためにある。
この人はこの曲のためにある。
これに関しては、彼女をしのぐ歌手はなかなか現れないのでは…。

サラ・ブライトマンは歌手としてのピークを過ぎたという苦悩と闘っているのだろうか。
私は、ユーチューブの動画で聞いた何曲かは力みが気になった。
彼女は声を張りあげなくても十分に美しい。

ところで、サラ・ブライトマンはアンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)とともにクラシカル・クロスオーバーのブームを巻き起こした。
私は彼女の「千の風になって」を聞いてみたい。
秋川雅史(あきかわ・まさふみ)の歌唱に不満があるわけでない。

千の風になっては、私と同じ、新潟県出身の新井満(あらい・まん)が日本語の歌詞と作曲を手がけた。
アメリカのポエムを翻訳したのが始まり。

詞の内容は、私は自由に大空を吹きわたっている…。
死者がつくったことになる。
ゆえに、大切な身内を亡くした人を慰めてくれる。
千の風になっては、命日に流される。
歌詞のなかに夏のフレーズはないが、お盆に流されても違和感がない。

この世を去るときには「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を、骨になってからは「千の風になって」を聴いてみたい。
そう考える人がいるかもしれない。

もっとも、「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」は別れの曲でなく旅立ちの曲らしい。
英語が分からない私は、「さよならをいうとき」と思った。
アンドレア・ボチェッリが歌った「コンテパルティロ(Con Te Partiro)」が原曲(オリジナル)である。
こちらは直訳でよく、「君と旅立とう」。

                       ◇

私はいま知った。
サラ・ブライトマンは、1991年のNHK紅白歌合戦に出演していた。
『オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)』のナンバー「ミュージック・オブ・ザ・ナイト(The Music of the Night)」を歌った。
私は紅白歌合戦を40年程見ていない。

また、2009年から放送されているNHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』の主題歌「Stand Alone」を歌っている。
こちらもまったく見ていない。

サラ・ブライトマンは日本人に長く愛されていたのだ。

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