きのうのブログ「電子辞書の利便性…紙の辞典・事典は不要?」で、私は紙の辞典や事典を買い求めることがなくなるだろうと述べた。
利便性において比較にならない。
⇒2010年9月7日「電子辞書の利便性…紙の辞典・事典は不要?」はこちら。
私は、日経奨学生制度を利用して明治大学に進学してから40年以上にわたり日本経済新聞を購読している。
日経高円寺専売所(現NSN高円寺)に入店し、読みはしないが新聞に触れた。
その私が「日経電子版」を併読しはじめた。
朝・夕刊セットの新聞購読料金4,383円にプラス1,000円で済む。
これが電子版単独だと、なぜか4,000円に跳ね上がる。
長年紙に親しみ、一気に切り替えるのは抵抗があった。
様子見で「日経Wプラン(宅配+電子版)」を選択した。
実際には、電子版は利便性に加えて使い勝手がよい。
むろん、速報性も…。即時性かな…。
最初からこれだけの完成度を有すると、私は思わなかった。
素晴らしいの一言。
今後どんどん改善が図られ、進化を遂げていくはずだ。
私は、自分仕様のカスタマイズなど、多彩な機能やサービスをまったく用いていない。
熱心な読者でなく、利用法が分かっていない。
パソコンなどで朝・夕刊の紙面と、それ以外のさまざまな記事を眺めるくらいだ。
それでも電子版が圧倒的に優れている。
紙をめくる手間もスペースもいらない。
ホント、凄い。
また、用紙(製紙)・印刷・配送(輸送)・宅配なども不要で、環境負荷が激減する。
社会的な意義がきわめて大きい。
日経電子版は、料金体系や課金方法の模索が続いているのでは?
そこに法人需要の掘り起こしが絡む。
ほかにも多くの課題を抱えていよう。
が、壮大な実験は始まったばかり。
日本経済新聞社の挑戦は非常に立派である。
電子書籍端末も登場し、新聞や雑誌、書籍などの紙媒体は姿を消すのでなかろうか。
世の中は劇的かつ急速に変化する。
私は遠からず紙(新聞)をやめる。
以下に、紙の新聞、そして電子の新聞に関する2009年10月14日の2本のブログを収める。
いくらか手を入れた。
1本目は「溜まった新聞にうんざり…出張帰り」。
◇◆◇
出張から自宅に戻り、一番気が重いのは新聞が溜まっていること。
うんざり。
九州帰りの私を「日本経済新聞」が待ち受けていた。
私は、宿泊先のホテルではなるべくブロック紙や地方紙を読むようにしている。
講師やコンサルタントという仕事柄、当地の状況を知っておきたい。
今回は「西日本新聞」などを読むことができた。
また、それが物足らなかったわけでない。
私は1951年(昭和26年)生まれの古い人間なので、新聞を取った以上は読まなければならないとの強迫観念がいまだに抜け切らない。
1週間を超える出張では、溜まった日本経済新聞は憂鬱というより恐怖。
疲労性の重い腰痛に苦しみながら、日付順に片付けていく。
ここまで書いてきて、誤解する方がいるかもしれないと思った。
私の場合、新聞を読むといっても“眺める”感じ。
見出しを拾う程度。
決して律儀な性格でない。
まして、いまや視力が衰え、本文が見えない。
それでも新聞がうず高く積もっていると、絶望的な気分…。
購読を取り止めればよいのだが、なかなか踏み切れない。
日本経済新聞が紙でなくデジタルに変われば、こうしたストレスも解消されよう。
私は待ち遠しい。
2本目は「凄い! 日経が電子版で読める!」。
当時の不確かな情報に基づいて記したものだ。
◇◆◇
先のブログは日曜日の執筆。
が、月曜日の日本経済新聞にビッグニュース。
2010年に「電子新聞」を創刊する。
これにより、出張中に溜まった新聞にうんざりすることもなくなる。
しつこい新聞勧誘員(新聞拡張員)に悩まされることもなくなる。
読売新聞や朝日新聞はどうする?
日経に先行したり追随したりするのか。
それにつれ、このブログで再三述べたとおり、新聞販売店は歴史的な使命を終える。
日本の新聞を世界有数の発行部数に育てた「戸別配達制度(宅配制度)」は消滅へ。
とはいえ、日本経済新聞社が「日経」と同じものをインターネットで読めるようにするとは思えない。
新聞販売店が一気に潰れてしまう。
それ以前に、日本経済新聞社は販売部数が激しく減り、経営が大きく揺らぐ。
「経済の日経が世に送り出す、あくまで新しい電子新聞ですよ」となるのでは?
電子版では編集上の差別化を図ったうえで、それならではのサービスを打ち出すはず。
日本経済新聞社は「単に新聞紙面を電子化したものでなく、多彩な機能を搭載する」と誓った。
日経の電子版の特色(メリット)を具体的に見てみよう。
第1に、紙との最大の違いとして「即時性」が得られる。
朝刊と夕刊という区分けがなくなり、紙面がつねに最新の状態に更新されるのか。
移動時にも携帯電話の画面で読める。
第2に、紙幅の都合で捨てられた詳細な情報が得られる。
掲載スペースの制約がなくなるから、当然だ。
第3に、自分の興味に応じた記事を優先して読める。
閲読傾向を踏まえて記事が自動的に選び出されるのか。
この辺りは情報の検索機能とリンクするだろう。
となると、過去の膨大な記事データベース、さらに企業データベースなどを合わせて使える?
電子版の利便性は紙の比でなく、飛躍的に向上する。
情報サービスが異次元!
電子版の発刊に踏み切る日本経済新聞社は内心びくびくでは…。
社内で強硬な反対意見は出なかったのか。
天下の日経ゆえに完成度の低い電子版は出さないにしろ、手探りのマーケティングが続く。
これで盤石という有料のビジネスモデルを確立することは並大抵の苦労でない。
私は、日経の果敢なチャレンジに拍手を送りたい。
パチパチパチ。
が、ある意味で遅すぎた。
日本経済新聞社は、自社の収益を守り抜くとの思惑から、そして二人三脚で読者を増やしてきた新聞販売店に対する遠慮から、「紙との共存を目指す」としている。
う〜ん。
◇
日経はCMががらっと変わった。
購読者でなく“利用者”を増やそうとしはじめた。
このブログで幾度か述べたとおり、読む人は不安定であり、新聞をあっさりやめる。
が、使う人は安定しており、新聞をなかなかやめられない。
CMでは、大事なプレゼンテーションに勝負をかけるビジネスパーソンのタクシー内でのやり取りが流れる。
女性(池田香織)編は「あ、もしかしたら、あの記事も使えるかも…」。
男性(竹財輝之助)編は「後もう一押し、何かないかなぁ。そうだ、あの記事…」。
どちらも締めは同じで、二人が顔を見合わせて「今朝の日経に…」とハモッちゃう。
新聞を利用すると、新聞を購読せざるをえない。
この着眼が重大!
日経のCMは購読促進でなく、明らかに利用促進を意図している。
そして、利用という観点では、紙でなく電子版が圧倒的に使い勝手がよい。
◇
インターネットの普及により、だれでもいつでもどこでも情報の発信者になれるようになった。
その結果、情報爆発が起こった。
しかし、大半は取材を経ておらず、信頼性が低い。
匿名に近い情報も少なくない。
言い換えれば、相対的に事実情報が減り、主観情報が増えている。
だからこそ、プロが発する情報の重要性が高まる。
新聞社が先行きをいたずらに悲観するのは間違い。
問題は、ビジネスに関わるセンスと知恵の欠如である。
平たく言えば、世間知らずのボンボンボン(ボンが一つ余分なので厄介)。
コンテンツは、信頼できないと使いものにならない。
日本経済新聞社が電子版の発行を通じ、情報の利用に踏み込んだサービスを提供するのは、社会の要請、そして時代の潮流に叶っている。
私は、新しいビジネスモデルの成功を心より願う。
◇◆◇
新聞と宅配、販売店、マスコミなどに関するブログは以下のとおり。
⇒2009年8月20日「新聞が消える、宅配がなくなる」はこちら。
⇒2009年8月21日「新聞販売店の生き残り」はこちら。
⇒2009年11月20日「書籍・雑誌・新聞、紙媒体消滅へ」はこちら。
⇒2009年11月23日「新聞・テレビ・広告は構造不況業種」はこちら。
Copyright (c)2010 by Sou Wada
←応援、よろしく!
利便性において比較にならない。
⇒2010年9月7日「電子辞書の利便性…紙の辞典・事典は不要?」はこちら。
私は、日経奨学生制度を利用して明治大学に進学してから40年以上にわたり日本経済新聞を購読している。
日経高円寺専売所(現NSN高円寺)に入店し、読みはしないが新聞に触れた。
その私が「日経電子版」を併読しはじめた。
朝・夕刊セットの新聞購読料金4,383円にプラス1,000円で済む。
これが電子版単独だと、なぜか4,000円に跳ね上がる。
長年紙に親しみ、一気に切り替えるのは抵抗があった。
様子見で「日経Wプラン(宅配+電子版)」を選択した。
実際には、電子版は利便性に加えて使い勝手がよい。
むろん、速報性も…。即時性かな…。
最初からこれだけの完成度を有すると、私は思わなかった。
素晴らしいの一言。
今後どんどん改善が図られ、進化を遂げていくはずだ。
私は、自分仕様のカスタマイズなど、多彩な機能やサービスをまったく用いていない。
熱心な読者でなく、利用法が分かっていない。
パソコンなどで朝・夕刊の紙面と、それ以外のさまざまな記事を眺めるくらいだ。
それでも電子版が圧倒的に優れている。
紙をめくる手間もスペースもいらない。
ホント、凄い。
また、用紙(製紙)・印刷・配送(輸送)・宅配なども不要で、環境負荷が激減する。
社会的な意義がきわめて大きい。
日経電子版は、料金体系や課金方法の模索が続いているのでは?
そこに法人需要の掘り起こしが絡む。
ほかにも多くの課題を抱えていよう。
が、壮大な実験は始まったばかり。
日本経済新聞社の挑戦は非常に立派である。
電子書籍端末も登場し、新聞や雑誌、書籍などの紙媒体は姿を消すのでなかろうか。
世の中は劇的かつ急速に変化する。
私は遠からず紙(新聞)をやめる。
以下に、紙の新聞、そして電子の新聞に関する2009年10月14日の2本のブログを収める。
いくらか手を入れた。
1本目は「溜まった新聞にうんざり…出張帰り」。
◇◆◇
出張から自宅に戻り、一番気が重いのは新聞が溜まっていること。
うんざり。
九州帰りの私を「日本経済新聞」が待ち受けていた。
私は、宿泊先のホテルではなるべくブロック紙や地方紙を読むようにしている。
講師やコンサルタントという仕事柄、当地の状況を知っておきたい。
今回は「西日本新聞」などを読むことができた。
また、それが物足らなかったわけでない。
私は1951年(昭和26年)生まれの古い人間なので、新聞を取った以上は読まなければならないとの強迫観念がいまだに抜け切らない。
1週間を超える出張では、溜まった日本経済新聞は憂鬱というより恐怖。
疲労性の重い腰痛に苦しみながら、日付順に片付けていく。
ここまで書いてきて、誤解する方がいるかもしれないと思った。
私の場合、新聞を読むといっても“眺める”感じ。
見出しを拾う程度。
決して律儀な性格でない。
まして、いまや視力が衰え、本文が見えない。
それでも新聞がうず高く積もっていると、絶望的な気分…。
購読を取り止めればよいのだが、なかなか踏み切れない。
日本経済新聞が紙でなくデジタルに変われば、こうしたストレスも解消されよう。
私は待ち遠しい。
2本目は「凄い! 日経が電子版で読める!」。
当時の不確かな情報に基づいて記したものだ。
◇◆◇
先のブログは日曜日の執筆。
が、月曜日の日本経済新聞にビッグニュース。
2010年に「電子新聞」を創刊する。
これにより、出張中に溜まった新聞にうんざりすることもなくなる。
しつこい新聞勧誘員(新聞拡張員)に悩まされることもなくなる。
読売新聞や朝日新聞はどうする?
日経に先行したり追随したりするのか。
それにつれ、このブログで再三述べたとおり、新聞販売店は歴史的な使命を終える。
日本の新聞を世界有数の発行部数に育てた「戸別配達制度(宅配制度)」は消滅へ。
とはいえ、日本経済新聞社が「日経」と同じものをインターネットで読めるようにするとは思えない。
新聞販売店が一気に潰れてしまう。
それ以前に、日本経済新聞社は販売部数が激しく減り、経営が大きく揺らぐ。
「経済の日経が世に送り出す、あくまで新しい電子新聞ですよ」となるのでは?
電子版では編集上の差別化を図ったうえで、それならではのサービスを打ち出すはず。
日本経済新聞社は「単に新聞紙面を電子化したものでなく、多彩な機能を搭載する」と誓った。
日経の電子版の特色(メリット)を具体的に見てみよう。
第1に、紙との最大の違いとして「即時性」が得られる。
朝刊と夕刊という区分けがなくなり、紙面がつねに最新の状態に更新されるのか。
移動時にも携帯電話の画面で読める。
第2に、紙幅の都合で捨てられた詳細な情報が得られる。
掲載スペースの制約がなくなるから、当然だ。
第3に、自分の興味に応じた記事を優先して読める。
閲読傾向を踏まえて記事が自動的に選び出されるのか。
この辺りは情報の検索機能とリンクするだろう。
となると、過去の膨大な記事データベース、さらに企業データベースなどを合わせて使える?
電子版の利便性は紙の比でなく、飛躍的に向上する。
情報サービスが異次元!
電子版の発刊に踏み切る日本経済新聞社は内心びくびくでは…。
社内で強硬な反対意見は出なかったのか。
天下の日経ゆえに完成度の低い電子版は出さないにしろ、手探りのマーケティングが続く。
これで盤石という有料のビジネスモデルを確立することは並大抵の苦労でない。
私は、日経の果敢なチャレンジに拍手を送りたい。
パチパチパチ。
が、ある意味で遅すぎた。
日本経済新聞社は、自社の収益を守り抜くとの思惑から、そして二人三脚で読者を増やしてきた新聞販売店に対する遠慮から、「紙との共存を目指す」としている。
う〜ん。
◇
日経はCMががらっと変わった。
購読者でなく“利用者”を増やそうとしはじめた。
このブログで幾度か述べたとおり、読む人は不安定であり、新聞をあっさりやめる。
が、使う人は安定しており、新聞をなかなかやめられない。
CMでは、大事なプレゼンテーションに勝負をかけるビジネスパーソンのタクシー内でのやり取りが流れる。
女性(池田香織)編は「あ、もしかしたら、あの記事も使えるかも…」。
男性(竹財輝之助)編は「後もう一押し、何かないかなぁ。そうだ、あの記事…」。
どちらも締めは同じで、二人が顔を見合わせて「今朝の日経に…」とハモッちゃう。
新聞を利用すると、新聞を購読せざるをえない。
この着眼が重大!
日経のCMは購読促進でなく、明らかに利用促進を意図している。
そして、利用という観点では、紙でなく電子版が圧倒的に使い勝手がよい。
◇
インターネットの普及により、だれでもいつでもどこでも情報の発信者になれるようになった。
その結果、情報爆発が起こった。
しかし、大半は取材を経ておらず、信頼性が低い。
匿名に近い情報も少なくない。
言い換えれば、相対的に事実情報が減り、主観情報が増えている。
だからこそ、プロが発する情報の重要性が高まる。
新聞社が先行きをいたずらに悲観するのは間違い。
問題は、ビジネスに関わるセンスと知恵の欠如である。
平たく言えば、世間知らずのボンボンボン(ボンが一つ余分なので厄介)。
コンテンツは、信頼できないと使いものにならない。
日本経済新聞社が電子版の発行を通じ、情報の利用に踏み込んだサービスを提供するのは、社会の要請、そして時代の潮流に叶っている。
私は、新しいビジネスモデルの成功を心より願う。
◇◆◇
新聞と宅配、販売店、マスコミなどに関するブログは以下のとおり。
⇒2009年8月20日「新聞が消える、宅配がなくなる」はこちら。
⇒2009年8月21日「新聞販売店の生き残り」はこちら。
⇒2009年11月20日「書籍・雑誌・新聞、紙媒体消滅へ」はこちら。
⇒2009年11月23日「新聞・テレビ・広告は構造不況業種」はこちら。
Copyright (c)2010 by Sou Wada
←応援、よろしく!