NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」。
水木しげる(武良茂。村井茂)は心の迷いが吹っ切れ、再び創作に向かいはじめた。
妻・武良布枝(村井布美枝)と家族、そして周囲の温かい励ましが、どん底からの脱出のきっかけだった。
漫画の注文と並行し、妖怪画の制作というライフワークに取り組んでいる。
私は、生気のない向井理と松下奈緒をしばらく見てきたが、一安心…。
二人には笑顔が似合う。
私はこの朝ドラに嵌まってしまい、向井理と村井茂、さらに水木しげる(武良茂)、松下奈緒と村井布美枝、さらに武良布枝がごちゃごちゃになっている。

社長の立ち直りにより、株式会社水木プロダクションは存続の危機を乗り切った。
家族同然のアシスタントを解雇せずに済んだようである。
創設時のメンバーの一人、「点々」の菅井伸(柄本佑)は、これで結婚に踏み切れると胸をなで下ろした。
彼は、水木漫画の濃密な背景の仕上げを根気よく支えてきた……………。

                       ◇

さて、ネットで調べたら、水木しげるが作品を寄せていた「月刊漫画ガロ」1968年6月号に、水木プロダクションのアシスタント募集広告が載っているということが分かった。
それを見つけた人がいた。
いまから40年以上も前のガロを持っているとは驚きである。
漫画のファンは当然として、ガロのファンだったのか。
彼がそうかどうか分からないが、いわゆる「オタク」が持つ情報は実に詳細で正確である。

同誌の読者は大学生など、年齢層がわりと高かったようだ。
販売では苦労続きだったが、少数の若者から熱烈な支持を得ていた。
世の中を変えようとする人たちといってもよい。
このガロの初代社長兼編集長が青林堂創業者の長井勝一である。
朝ドラでは「月刊漫画ゼタ」、そして嵐星社の深沢洋一社長(村上弘明)。

「月刊漫画ガロ」は、商業性よりも作品を重視し、独創性を第一とした。
新人に門戸を開放していたため、作品の持ち込みや応募が絶えなかった。
そして、気鋭の新人を輩出した。
漫画界に果たした貢献は非常に大きい。

話が横道に逸れた。
株式会社水木プロダクションのアシスタント募集広告は、内容(文案)がユニークかつユーモラスである。
たかが求人広告なのに、私は“作品”の趣を感じる。
水木しげる以外に作成できないはずだ。

プロダクションを回していくうえで、優秀なスタッフの確保が必須となる。
漫画家(作家)のような個人商売の場合には、作品の出来栄えさえ左右されかねない。

以下は、募集広告のあらまし。
漫画の腕前により、給料に2倍以上の差をつけている。
が、だれにも1日コーヒー2杯つきの思いやり。
そうか、松下奈緒が心を込めて入れてくれる(何を言っているんだ…)。
すぐやめる人は嫌いと、応募者に覚悟を促している。
大丈夫、徹夜の翌日は休めるぞ。
また、毎日勤務でなくても可。
安心の宿泊施設付き。
朝ドラの自宅兼仕事場がさらに宿泊施設を兼ねるのか、それとも近くのアパートの一室を与えるのか。
勤務時間が午後2時から10時までというのは、朝遅い水木しげるらしく、吹き出しそうになった。
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌にもそうした一節があったかもしれない。
近くに住む人は午後12時まで頑張ろうね。
だれでも2〜3年で絵はうまくなる。
終わりに常時募集と添えられている。

株式会社水木プロダクションでは現在、アシスタントの募集を行っていないようだ。

                       ◇

私は、「長井勝一漫画美術館」に関連するホームページで知った。
朝ドラで、敏腕秘書だった加納郁子(桜田聖子)。
経理も広告営業も販売営業も編集も何でもこなす。
村井布美枝がその才媛振りに溜め息をついていた。

そのモデルは長井勝一の妻、香田明子と記されている。
ということは、深沢洋一の経営方針に失望して会社を去った加納郁子は結局、戻ってきたことになる。
二人は結ばれたのだ。

                      ◇◆◇

「株式会社水木プロダクション(調布市。武良茂社長)」に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年9月1日「水木しげる大スランプ、自信喪失…仕事がない」はこちら。

⇒2010年9月2日「水木しげるの異変、村井布美枝(武良布枝)の苦悩」はこちら。

⇒2010年9月3日「水木しげるスランプの原因…先生商売の落とし穴」はこちら。

⇒2010年9月3日「水木夫婦ゆかりの地巡り…清水ミチコ、松下奈緒」はこちら。

⇒2010年9月4日「水木しげる作品・自宅・プロダクション…調布名物」はこちら。

⇒2010年9月6日「水木しげる、復活へのノロシ…スランプ脱出」はこちら。

⇒2010年9月7日「水木しげるの漫画家魂、妖怪研究家の名声」はこちら。

⇒2010年9月8日「水木しげる渾身妖怪画、点々アシスタント万歳!」はこちら。

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