きのうのブログ「何か変、キヤノン・キャッツ・シアターの感動」の続き。
私は念願が叶い、家族で「キヤノン・キャッツ・シアター」へ。
自分のなかで、ミュージカルといえば格調が高い。
よしと、身構えた、もしくは気合いが入った。
庶民だからだろう…。

大修館書店の「明鏡国語辞典」によれば、ミュージカルとは「歌・舞踊・演劇を融合させた現代的な音楽劇。…」とある。

⇒2010年10月30日「何か変、キヤノン・キャッツ・シアターの感動」はこちら。

さて、劇団四季「キャッツ」に対する結論。
私は素人なので、評価でなく感想である。
これは妻と子ども、家族3人が一致した。

感動した。
満足した。
もう一度行きたいと思った。
すると、もう一度行きたいと思う。
癖になりそう…。

キャッツがなぜ大勢に長く愛されるのか、人気のわけが実感として分かった。

私がキャッツで一番気に入ったのは「たわいなさ」。
内容が分からなくても、それなりに楽しめる。
出演者(キャスト)の発声は明瞭だったが、私は歌や演劇と無縁なので、言葉がうまく聞き取れない(経験や慣れがいくらか必要か)。
しかし、予備知識を仕込まなかったことを後悔しなかった。
初回はそのほうがいい。
要は、ステージ全体(ときに会場全体)を使って、猫たちの紹介が順番に繰り広げられる。
それぞれのありようはもちろん、個性や生き様が浮かびあがる。

小難しいと、まず考えなくてならない。
たわいないと、じかに感じられる。
頭を経由せずに心で受け止められる。
実際、子どもでもおとなでも夢中になれる。
シンプルで深くないと不可能。
シンプルだとおとなが飽き、深いと子どもがついていけない。

妻はうるうるしていた。
涙を浮かべている人も…。
人間社会に思いを馳せている?
このミュージカルにさまざまな人生を重ね合わせた人がいるかもしれない。
私は純粋に「猫の歌謡舞踊劇」として鑑賞したが、それでも十分に楽しめる。
猫たちの魂の叫び、命の美しさがぞくぞくするほど伝わってきた。
そして何よりも生きることの尊さ。
「人それぞれ、皆捨てたものでないよ…」。
おおいに感動!

次いで気に入ったのは「うまさ」。
出演者が激しく飛んだり跳ねたりして、はらはらした。
ほとんどダンス、ときにアクロバット。
私はそれに目を奪われ、言葉(歌)を聞くどころでない。
ぶつかりそう…。
やがて、毎日のようにやっているわけだから大丈夫だと気づいた。
それからは落ち着いて楽しめた。

私は出演者が社員(従業員)だということを思い出した。
テレビ東京の「カンブリア宮殿」に劇団四季代表の浅利慶太が出演したことがあり、それを視聴した。
この完成度は社員でなくては不可能。
それを保持するだけでも至難。
不断の努力そして検証の賜物だろう。
どこか「ディズニーランド(リゾート)」の理念に通じる。
休憩時間、中年男性数名が「うまい」を連発していた。
私はおじさんに同意する。

舞台がこなれており、まとまっている。
安定感が抜群で、安心感が得られる。
観覧者が出演者一人ひとりを信頼できるのだ。
見事な出来栄えであり、笑うしかない。
おおいに満足!

こなれやまとまりは、ちょっと油断するとマンネリに陥る。
終わりの決まっていない長期公演で、出演者は精神や肉体をどう高めているのだろう。
これについては劇団の経営手腕も関わろう。

                       ◇

私たちは、拍手のタイミングや手拍子のリズムがさっぱり分からなかった。
劇場では整然と起こり、ピタッと止まる。
それに従った。
「四季の会」会員を中心に、キャッツの熱烈なファンが大勢詰めかけている。
後日、インターネットで調べたら、数十回どころか百回以上も通っている人がいる。
驚きを通り越して呆れる。

私たちは帰り道に「また行きたいね」という話をしながら歩いた。
こうした記憶はない。
大好きなディズニーランドでさえ、しばらく時間が経ってから…。

キャッツは、見る人を幸せな気持ちにさせる。
これがロングランの最大の理由だろう。

Copyright (c)2010 by Sou Wada



人気ブログランキング←応援、よろしく!