私は先月、福岡の九州生産性大学で「提案営業マネージャー養成コース」の講師を務めた。
全14日間(2日×7カ月)の講師は全員、和田創研がコーディネートする。
私自身が担当したのは、2度の合宿(タカクラホテル)を含む計8日間(2日×4回)。

⇒2010年8月19日「石原裕次郎が愛した隠れ家…タカクラホテル」はこちら。

私が長年力を注いできた企業研修「和田創方式 提案営業研修8日間コース」と同一のカリキュラムである。
年齢的に長時間の講義が困難になり、企業研修については既存顧客を除いて昨年中に終了した。
営業関係者がこれを受講するとしたら、九州生産性大学のこの公開セミナーしかない。

さて、講師として嬉しかったのは、受講者が作成した「提案書」が素晴らしかったこと。
誤解されると困るのではっきりしておくと、むろん「提案」の内容と表現の双方である。
限界まで内容を考え抜き、限界まで表現を練り上げる。
大事なのは上辺でなく中身。

このコースは毎年恒例になっている。
最大の課題が有力顧客に対する大型案件の仕掛けであり、その成果は「提案書」という形に現れる。
これまでに個々の提案書では優れた作品がいろいろあった。
しかし、全体の平均では間違いなく過去最高の出来栄えだった。
世間の社長や営業管理者、営業パーソンが手に取れば唸らざるをえない。
“本物の提案営業”の凄まじい威力を即座に理解できよう。
とくに優秀作(1点)は言葉を失う。
指導した私が驚嘆するほどだ。
感動レベルに到達!
評価が激辛と言われる私が納得した提案書が全参加者の半数を占めた。
こうした記憶はない。

実は、今年は私に大きな変化があった。
というか、私が大きく変化した。
提案営業研修の講師は激務であり、それを続けられるのはせいぜい3年程。
これまでの責任に加え、強い使命を感じた。
滅多に怒らなかった私が一転し、怒りっ放し。
受講者に厳しく接した。
私を鬼と思った人がいるかもしれない。

受講者は途中で課題を投げ出したかった。
大半はこのコースを選んだことを後悔しただろう。
大人、それも男だから涙を流さないが、はっきりしているのは彼らが悩み苦しんだことだ。
私がこだわる“本物の提案営業”は難しく、地獄を通らなくては決して習得できない。
その代わりいったんマスターするなら、ライバルは追いつけない。
営業活動で圧倒的な優位に立てる。
提案営業は、難しいからよいのだ。

提案書の充実ぶりを目の当たりにし、私はおおいに反省した。
これが本来のあり方だ、と。
これまでの受講者に大変申し訳なく思う。

受講者は挑戦の足跡、そして格闘の結果を提案書という形で確かめられ、何よりも自信になった。
また、この提案書は彼らにとり「作品」といえる。
プロとアマチュアの違いは、自分の作品を持っているかどうかだ。
営業も同様。
さらに、職場では上司から部下へ、先輩から後輩へ指導を行う際に“最良の教材”となる。
これ以上の手本はない。
提案書を用いれば、商談(プレゼンテーション)の再現が可能である。
優れた営業ノウハウや成功事例の共有とはこれ。

私は和田創研の代表として20年近く社員の採用を行った。
履歴書も職歴書も信用しない。
あんなものはいくらでも書きようがある。
私が重視するのは提案書。
他人がつくった提案書を持ってきてもダメ。
突っ込んで質問すれば、すぐにウソと見破れる。

受講者がつくった作品は将来、不幸にして職場を失う事態に陥ったときなどに、転職活動の強力な助っ人になる。

                       ◇

私は九州生産性大学の受講者がのめり込むように取り組んだ課題に心を動かされた。

認定証そこで、優れた提案書を生み出した受講者に対し、「和田創方式 提案営業研修」をしっかりと理解したという証明を与えることにした。
彼らはどこへ出しても恥ずかしくない。
私の生徒と呼べる。
これは主催者(財団法人九州生産性本部)による表彰とは別に、私が単独で行う。
もちろん初めてのこと。

「提案営業スペシャリスト認定証」。
私の十余年の講師経験を振り返り、受講者全体の2割以内のレベルに達した場合に発行する。
今回は受講者のちょうど半数。
いかに彼らが頑張ったかが分かるだろう。

太鼓判「提案営業スペシャリスト太鼓判」。
受講者全体の3パーセント以内のレベルに達した場合に発行する。
今回は1名。

誤解が起こらないよう、説明を補う。
このレベルに届かないかぎり発行しない。
私は先頃、つきあいが十数年に及ぶ既存顧客で研修を行った。
このときは認定証も太鼓判も発行していなかった。
仮に発行していたとして、認定証が1〜3名か。
また、MBA(社会人大学院)で「実践営業論」の講義を行ってきたが、認定証も太鼓判もゼロである。
遠く及ばない。

私が感動したNHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」。
松下奈緒(武良布枝)と向井理(武良茂。水木しげる)。
それにちなんで(?)、松下奈男に太鼓判を、向井理子に認定証を与えることにした。
写真では細かい文字を読めないと思うので、PDFファイルを公開した。

⇒松下奈男「提案営業スペシャリスト太鼓判」はこちら。

⇒向井理子「提案営業スペシャリスト認定証」はこちら。

これは資格でない。
権威もない。
ただの紙切れ。
ゆえに、昇進や転職に有利になることもなかろう、おそらく。
私と同じで、役立たず。

「和田創方式 提案営業研修」は日本でもっとも本格的なカリキュラムと自負する。
このコースに死に物狂いで食らいついてきた受講者の努力そして成果に対し、私は敬意を表する。
九州生産性大学での授与式は12月10日に行われる。

私はまもなく提案営業研修の講師を完全に降りるが、それまでは認定証と太鼓判の発行を続けることにした。
ただし、レベルに届けば…。
安易に与えることは決してしない。

Copyright (c)2010 by Sou Wada

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