私は福岡の九州生産性大学で「提案営業マネージャー養成コース」の講師を務めた。
2度の合宿を含む計8日間(2日×4回)。
私が長年心血を注いできた企業研修「和田創方式 提案営業研修8日間コース」と同一のカリキュラムである。
日本でもっとも厳しい本格的な内容とされる。
受講者の2割は歓喜し、3割は必死に食らいつき、5割は逃げ出そうとする。

「和田創方式 地獄の提案営業研修」の詳細はこちら。

太鼓判講師として嬉しかったのは、受講者が作成した「提案書」が素晴らしかったこと。
限界まで内容を考え抜き、限界まで表現を練り上げた。
私がこだわる“本物の提案営業”の威力がいやというほど実感できる見事な出来栄えである。

さて、私は責任講師として優秀作1点を選んだ。
カーリース業界の営業マンが死力を尽くした「経営基盤再構築のご提案」。
感動レベル!
表彰するのは、財団法人九州生産性本部。

以下は、私が受賞者に贈ったコメントである。

                       ◇

《総評》
私が感動したのは、圧倒的な営業力である。
本コースを受講する以前に、営業としての“器”の大きさを備えていたのだろう。
これこそ、提案営業が目指している有力顧客に対する大型案件の仕掛けの好例である。
ポテンシャルの大きい企業への訪問、決定権の大きい人物との面会という最大のポイントが押さえられている。
それと関係するが、自社の上層部を巻き込んで組織営業を推し進めている。

本案件は、このコースにかかわらず、すでに進行していたのかもしれないが、それにしてもよくぞここまでこぎ着けた。
「提案営業」はかくあるべしという理想に到達している。

《内容》
営業との決別を図る「コンサルティングセールス」の思想、商品推奨からの脱却を図る「ソリューションセールス」の技術が高次元で融合している。
突出しているのは、商談の成否を決定づける「内容」の欄の充実である。
クルマと関わる業務レベルは当然として、その上の経営レベルに対する役立ちを追求した。
顧客の課題解決のトータルな仕組みが構築されている。
提案営業の取り組みにおけるキーワード、意識面の「顧客志向」が貫かれ、実践面の「顧客理解」が掘り下げられた結果である。

より具体的に述べれば、この顧客はクルマをおもに営業の足(手段)として用いている。
車両運用の合理化(経費削減を含む)に甘んじることなく、営業の強化とそれによる収益の向上に踏み込んだ姿勢と視点が秀逸である。

内容が顧客の機密に触れ、深部に切り込んでいるため、「優秀作」としての公開が不可能なことが講師として悔しい。
世の経営者や営業幹部にぜひとも見てほしいと思った。

《表現》
営業が手掛けた提案書としては十分なレベルである。
とはいえ、表現の粗さと混乱が気になる。
論理化部分に論理の整合性が取れない箇所が見受けられる。
さらに提案書のそれぞれの欄に他の欄に記すべき事柄が紛れ込むことがある。
文章の推敲もまだまだ…。
「ロジカルシンキング⇒ロジカルライティング⇒ロジカルプレゼンテーション」に関しては若干の問題が残る。

しかしながら、こうした短所や欠点を「内容」が補って余りある。
顧客に対する愛の大きさがそれらを覆い隠している。
提案書は渾身のラブレター、商談(プレゼンテーション)は渾身のプロポーズということを実践し証明してみせた。

《今後》
まだ若い。
今後は自分の成長に留まらず、部門や拠点などの職場、さらに会社全体に目を配り、企業の発展に尽くしてほしい。
それが十分に行えるパワーを持っている。
職業人生は先が長く、果敢な取り組みを行うほど幾度も壁にぶつかるだろう。
あくまでも謙虚に、そしておおらかに乗り越えていってほしい。

                       ◇

以上。

彼は提案営業を駆使し、ビッグ・ディールを育成した。
提案書から凄まじい気迫と情熱が伝わってくる。

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私が講師として業績立て直しの根幹思想を語った、経営層向けのセミナー映像「営業変革講演」9テーマをネット上に公開している。

「和田創 営業変革講演一覧」はこちら。

また、無料研修映像「月刊トップセミナー」もバックナンバーの一部を公開している。
日本のあちこちで営業会議や営業研修に活用されている。
とりわけ収益低下に苦しむ社長や取締役、営業幹部は有益なヒントが得られるだろう。

「和田創 月刊トップセミナー バックナンバー」はこちら。

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認定証
「和田創方式 提案営業研修」では、指導した私が感動する「提案(書)」をつくり込む受講者が現れる。
彼らの絶大な努力をたたえ、素晴らしい成果を証明している。

「提案営業スペシャリスト太鼓判」はこちら。

「提案営業スペシャリスト認定証」はこちら。

⇒2010年11月15日「松下奈男&向井理子…提案営業太鼓判&認定証」はこちら。

和田創プロフィール・仰天名刺はこちら。

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